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「敬老の日」/平和であってこその長寿社会
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「敬老の日」/平和であってこその長寿社会

2015-09-21 10:34

    主張

    「敬老の日」

    平和であってこその長寿社会

     きょうは「敬老の日」です。人生を重ねてきた高齢者の方々に心から感謝し、お祝いを申し上げます。アジア・太平洋戦争終結から70年となった今年、100歳以上が初めて6万人を超えました。平均寿命も男性80・50歳、女性86・83歳へと高水準記録を伸ばしました。世界に誇るべき長寿社会を築けたのは、戦後、日本国憲法の下で国民が積み重ねてきた努力のたまものです。「人生80年」時代のいま、すべての高齢者がそれぞれの個性を輝かせ、人生をまっとうできる、平和で安心・安全な社会にしていくことが重要です。

    「戦争だけは二度と…」

     今年ほど、高齢者が怒りに震えながら「敬老の日」を迎えたことはないのではないでしょうか。

     国内外におびただしい犠牲を出した侵略戦争に日本が敗北して70年―。肉親はじめ親しい人たちを奪われ、自らも言葉に尽くせないような悲惨な体験をしてきた多くの高齢者は、「戦争だけは二度と繰り返してはならない」との誓いをあらたにした節目でした。

     この不戦・平和への願いに、真っ向から逆らったのが安倍晋三政権の戦争法の強行です。日本を再び「戦争できる国」につくりかえ、戦後の平和の歩みを逆転させる暴挙に、「黙ってはいられない」と幅広い高齢者が、若者とともに声をあげ、立ち上がりました。直接行動できなかった人もそれぞれの方法で自分の思いを発信しました。「殺し、殺される」戦争の真実を、身をもって知る人たちの痛切な訴えは、国民の心にしみわたり、全国各地で戦争法反対の世論と運動を広げるうえで、大きな役割を果たしました。

     元海軍飛行予科練習生だった86歳男性からの投書「学生デモ 特攻の無念重ね涙」が新聞に掲載され、それを街頭で読み上げたSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)の若者が「じいちゃんやばあちゃんたちは、あの戦争をどう生きていたのか考えてしまう」と涙まじりに語った後、戦争法案反対のコールを繰り返したことが深い感動を呼びました。戦争体験者の痛恨の思いは、若い世代に確実に引き継がれていることは明らかです。

     戦争体験者の証言は、侵略戦争への深い反省と不戦の誓いが刻まれた憲法9条の精神を体現するものとして社会に根をおろし、戦争の危機にブレーキをかけるかけがえのない存在にもなっています。

     敗戦直後の平均寿命が男女とも50歳程度だったことは、平和こそ長寿社会の基礎であることを浮き彫りにしています。戦後の国民の平和への努力を台無しにする戦争法を一刻も早く廃止するために、世代を超えた幅広い共同をさらに広げようではありませんか。

    生存と尊厳の保障こそ

     安倍政権が、医療・介護の負担増や年金切り下げを容赦なく続けるもとで高齢者の暮らしはいよいよ深刻です。「下流老人」「老後破産」などの言葉まで飛び交う事態です。長年必死に働いてきた人が、老後になってまともに暮らすことができず、場合によっては「孤独死」「孤立死」に至る社会をこれ以上放置することは許されません。

     高齢者を冷たく扱う国に、未来はありません。高齢者の生存と尊厳を脅かす安倍政治を根本から変えるため、すべての世代が力を合わせることがいよいよ重要です。

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