その上で、「戦争法廃止と立憲主義の回復という課題は、この間の安倍政権の動きをみても、いよいよ緊急・切実な課題となっています」と「提案」の意義を強調しました。
南スーダンPKOの任務拡大
志位氏は戦争法に関して、自衛隊が国連平和維持活動(PKO)で派兵されている南スーダンでは、停戦合意が崩れ、政府軍と反政府軍の武力衝突が起き、兵士と住民が入り交じる武力紛争となっており、「そのなかで自衛隊の任務を大きく拡大し、『駆けつけ警護』などを行えば、自衛隊員が他国の住民に銃口を向け発砲して殺したり、自衛隊員から戦死者を出す初めてのケースになりかねない」と指摘。「私たちが国会で厳しく警告した問題が早くも具体化され、現実に実施されようとしています。こういう動きには強く反対します」と述べました。
さらに志位氏は、戦争法の枠組みでは、「駆けつけ警護」の任務拡大には国会承認さえ必要なく、閣議決定だけで執行できる仕組みだと指摘。「その点に照らしても、戦争法廃止は待ったなしの課題」だと強調しました。
国民の幸せのためにこそ国家がある
志位氏は、国会で多数の議席を持つ政権党でも、憲法の枠は絶対に守らないといけないのが立憲主義だと指摘。「立憲主義を破壊する暴走が国家と国民のあるべき関係に深刻なゆがみと逆立ちをつくり出している」と述べつつ、安倍晋三首相が通常国会閉会後の記者会見(9月25日)で表明した「一億総活躍社会」や、菅義偉官房長官が民放テレビ番組(9月29日)で「ママさんたちが『一緒に子どもを産みたい』という形で国家に貢献してくれればいい」と発言した問題をあげました。
志位氏は、「これは偶然に起こったわけではなく、立憲主義を破壊する暴走という同じ線上で出てきているものであり、結局は“国家のために働け”“国家のために子どもを産め”ということです。これを言っている人たちの頭のなかは戦前と同じになっている」と批判しました。
その上で、「国家のために国民があるのではない。国民の幸せのためにこそ国家がある。これが立憲主義であり、民主主義ですが、まさにその一番の土台が壊れ始めている」と強調。「立憲主義を取り戻す課題は一刻の猶予もならない緊急、重大な課題となっています。安倍政権を倒し、国民連合政府を実現するために、あらゆる知恵と力を尽くしていきたい」と決意を表明しました。