47354081b2be9dae6434dd06743da76fff730624 日本共産党は24日、「リニア中央新幹線問題を考えるつどい」を名古屋市内で開きました。計画沿線の住民や自治体関係者が一堂に会し、国土交通省が認可し、JR東海が用地買収に着手した9兆円を超える巨大開発の大義のなさを告発し、たたかいを交流しました。

 あいさつした畑野君枝衆院議員は、リニア新幹線は必要性もなく自然・生活環境破壊を招くものであり、「国家プロジェクト」と呼ぶ安倍政権の姿勢を批判。ズサンな環境影響調査で住民をあざむくJR東海に対し住民運動が広がっていることにふれ、建設中止、自然・生活環境守るたたかいを訴えました。

 シンポジウムでは、3人のパネリストが発言。橋山禮治郎・千葉商科大学大学院元教授は、「経済性、技術、環境保全性が欠如している。災害時の輸送代替という目的も成り立たず、“四面楚歌(しめんそか)”だ。立ち止まって見直すのは政治の責任だ」とのべました。

 自然保護協会の辻村千尋さんは活断層を貫く危険性を指摘し、「リニアはやめて、活断層を横切る構造物の安全性を評価し直すことが必要だ」と強調。「自然環境を壊すことは文化、人間のつながりを壊すことになる」と強調しました。

 日本科学者会議の長田好弘リニア研究連絡委員会代表は、トンネル工事や超電導技術について、「技術・信頼性・安全性が確保されておらず、環境破壊もはかりしれない。中止・撤退する以外にない」と強調しました。

 各地の住民や地方議員、専門家ら10人が報告。「“頼んでもいないのに稲作農家が何でこんなリスクを負わされるのか”と地域あげて怒り、測量もさせていない」(岐阜県恵那市の市議)、「環境影響評価は場所も明記しないズサンなものだ。5000人が不服審査を出しており、認可撤回訴訟を起こす」(ストップ・リニア訴訟弁護団)と語りました。畑野氏と本村伸子、藤野保史の両衆院議員、辰巳孝太郎参院議員が出席しました。

 リニア中央新幹線 東京・品川―名古屋間で2027年開業を目指すJR東海の計画。路線の8割以上を地下トンネルで結び、南アルプス直下に大穴を開けるなど、9兆円を超える超巨大計画。45年には大阪までの延伸を狙う安倍政権は「成長戦略」に位置づけ、太田昭宏国交相(当時)が2014年10月に工事実施計画を認可