一、沖縄防衛局は、29日午前8時、名護市辺野古の新基地建設で、埋め立て本体工事の着工を強行した。
沖縄県民が、名護市長選、県知事選、総選挙などで、繰り返し突きつけた「新基地建設反対」の総意を踏みつけにして、工事着工を強行した安倍政権を、強い憤りをもって糾弾する。
一、安倍政権がとっている態度は、沖縄県民の総意を無視した新基地建設強行という、日本の民主主義を根底から破壊する大問題にくわえて、着工強行にかかわっても、民主主義のルールを二重、三重に踏み破る、無法そのものといわなければならない。
一、第一に、翁長雄志知事の埋め立て承認取り消しに対し、防衛省が行政不服審査法にもとづき、承認取り消しの執行停止申立を国土交通大臣に請求し、国土交通大臣がその通りの結論を出すという「猿芝居」を行ったことである。公正な裁判を担保する大原則は、ローマ法由来の法格言が示すように、「何人も、自己の事件の裁判官になることはできない」ということだ。防衛省の申請を同じ内閣の国交相が審査するなど、まさに違法行為以外の何ものでもない。
一、第二に、政府は、2013年末に、前知事から埋め立て承認を受けたさい、本体工事前に県との事前協議を行うと約束していた。しかし、事前協議は未了であり、県との約束を一方的に破棄して、本体工事着工を強行するなど、許しがたい背信行為といわなければならない。
一、第三に、政府は、埋め立てに関する知事の権限を全面的に奪う「代執行」手続きに着手した。しかし、これは2013年4月に安倍政権自身が閣議決定した「代執行等を行うことは検討していない」という政府答弁書を覆す暴挙である。
一、いったい民主主義の国で、このような強権・背信・無法が許されていいのか。断じて許されない。まさに問われているのは日本の民主主義である。
日本共産党は、新基地建設を絶対に許さないという翁長知事の決断と行動を強く支持し、ともにたたかう決意を表明する。「基地のない沖縄」をめざす沖縄県民の決意に、日本国民全体がこたえ、沖縄に連帯するたたかいを全国で発展させることを、心から呼びかける。