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日本共産党の志位和夫委員長は29日の記者会見で、民主党の岡田克也代表の「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」に関する発言について記者に問われ、次のように述べました。
なぜ「国民連合政府」かという点では、何よりも、第一に、本気で、戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻そうとすれば、それを実行する政府が必要になります。戦争法を廃止し、昨年7月1日の集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を撤回しようとすれば、安倍政権のもとではそれは不可能であり、この二つの課題を実行する政府をつくることがどうしても必要になります。私たちが今回の「提案」で、政権の問題を要に位置づけた最大の理由はここにあります。
さらに、第二に、本気で、安倍政権を打倒しようとすれば、それに代わる政権構想を野党が責任をもって示すことが必要になります。
くわえて、第三に、本気で、選挙協力を成功させ、自公を打ち負かすためには、「戦争法廃止、立憲主義回復、国民連合政府」という国民的大義を掲げてたたかうことが必要になります。
私たちが「国民連合政府」の実現を、「提案」の要をなす大問題に位置づけているのは、こうした理由からです。
日米安保条約については、私たちは「廃棄」という方針ですが、「国民連合政府」の対応としては、安保条約にかかわる問題は「凍結」するということになります。
「凍結」とは、戦争法廃止を前提として、第一に、これまでの条約と法律の枠内で対応する、第二に、現状からの改悪はやらない、第三に、政権として廃棄をめざす措置はとらないということです。日本共産党としては、日米安保条約廃棄という大方針を一貫して追求します。しかし、それを、連立政府に求めることはしません。これが「凍結」ということの意味です。
「日本有事のさいに在日米軍の出動をどうするか」という質問もありましたが、私は、「戦争法廃止を前提として、これまでの条約の枠内で対応することになります。日米安保条約では、第5条で、日本に対する武力攻撃が発生した場合には、(日米が)共同対処をするということが述べられています。日本有事のさいには、連合政府としては、この条約にもとづいて対応することになります」とお答えしました。
「日本有事のさいに自衛隊を出動させるのか」という質問もありましたが、私は、「戦争法を廃止した場合、今回の改悪前の自衛隊法となります。日本に対する急迫・不正の主権侵害など、必要にせまられた場合には、この法律にもとづいて自衛隊を活用することは当然のことです」とお答えしました。
日米安保条約については、その廃棄論者と肯定論者によって構成される暫定政権の場合に、安保条約にかかわる問題を凍結するという方針は、1998年8月の不破委員長(当時)のインタビュー、9月の第21回党大会3中総で私が行った幹部会報告で述べており、党の決定となっています。
自衛隊については、急迫・不正の主権侵害など、必要に迫られた場合には、自衛隊を活用するという方針を、2000年の第22回党大会で決定しています。党綱領はこの決定を踏まえ、つぎのように明記しています。
「自衛隊については、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」。
私たちが「国民連合政府」との関係で明らかにしている方針は、党の綱領・決定ですでに明らかにされていることであり、そうした裏づけをもった確固たる方針なのです。その点もあわせてご理解いただきたいと思います。
同時に、政権の問題について、代表が、懸念や疑問を述べられていることも承知しています。この問題について、ご意見やご提案があれば、それをよくお聞きし、私たちの考えをよくお伝えしたいと思います。私は、いつでも話し合いに応じる用意があります。
なぜ「国民連合政府」か――「提案」の要に位置づけた理由
なぜ「国民連合政府」を私たちの「提案」の要に位置づけているのか、この政府のもとで安全保障をどうするのかについては、10月15日の日本外国特派員協会での講演と質疑などを通じて、すでに私たちの見解を明らかにしてきました。なぜ「国民連合政府」かという点では、何よりも、第一に、本気で、戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻そうとすれば、それを実行する政府が必要になります。戦争法を廃止し、昨年7月1日の集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を撤回しようとすれば、安倍政権のもとではそれは不可能であり、この二つの課題を実行する政府をつくることがどうしても必要になります。私たちが今回の「提案」で、政権の問題を要に位置づけた最大の理由はここにあります。
さらに、第二に、本気で、安倍政権を打倒しようとすれば、それに代わる政権構想を野党が責任をもって示すことが必要になります。
くわえて、第三に、本気で、選挙協力を成功させ、自公を打ち負かすためには、「戦争法廃止、立憲主義回復、国民連合政府」という国民的大義を掲げてたたかうことが必要になります。
私たちが「国民連合政府」の実現を、「提案」の要をなす大問題に位置づけているのは、こうした理由からです。
この政府のもとで安全保障をどうするか――安保条約、自衛隊について
この政府は暫定的な性格をもちますが、そのもとでの安全保障をどうするかについても、すでに私たちの見解を明らかにしてきました。日米安保条約については、私たちは「廃棄」という方針ですが、「国民連合政府」の対応としては、安保条約にかかわる問題は「凍結」するということになります。
「凍結」とは、戦争法廃止を前提として、第一に、これまでの条約と法律の枠内で対応する、第二に、現状からの改悪はやらない、第三に、政権として廃棄をめざす措置はとらないということです。日本共産党としては、日米安保条約廃棄という大方針を一貫して追求します。しかし、それを、連立政府に求めることはしません。これが「凍結」ということの意味です。
「日本有事のさいに在日米軍の出動をどうするか」という質問もありましたが、私は、「戦争法廃止を前提として、これまでの条約の枠内で対応することになります。日米安保条約では、第5条で、日本に対する武力攻撃が発生した場合には、(日米が)共同対処をするということが述べられています。日本有事のさいには、連合政府としては、この条約にもとづいて対応することになります」とお答えしました。
「日本有事のさいに自衛隊を出動させるのか」という質問もありましたが、私は、「戦争法を廃止した場合、今回の改悪前の自衛隊法となります。日本に対する急迫・不正の主権侵害など、必要にせまられた場合には、この法律にもとづいて自衛隊を活用することは当然のことです」とお答えしました。
党の綱領・決定で明らかにされている確固たる方針
ここで強調しておきたいのは、これらの方針は、いま唐突に言い出したことではなく、すでに党の決定として明らかにしているということです。日米安保条約については、その廃棄論者と肯定論者によって構成される暫定政権の場合に、安保条約にかかわる問題を凍結するという方針は、1998年8月の不破委員長(当時)のインタビュー、9月の第21回党大会3中総で私が行った幹部会報告で述べており、党の決定となっています。
自衛隊については、急迫・不正の主権侵害など、必要に迫られた場合には、自衛隊を活用するという方針を、2000年の第22回党大会で決定しています。党綱領はこの決定を踏まえ、つぎのように明記しています。
「自衛隊については、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置をとる。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」。
私たちが「国民連合政府」との関係で明らかにしている方針は、党の綱領・決定ですでに明らかにされていることであり、そうした裏づけをもった確固たる方針なのです。その点もあわせてご理解いただきたいと思います。
いつでも話し合いに応じる用意はある
そのうえで、岡田代表の発言についていえば、代表は、一連の発言のなかで、日本共産党との選挙協力の必要性については、繰り返し強調されていると思います。この点では私たちの「提案」との一致があることは重要だと考えています。同時に、政権の問題について、代表が、懸念や疑問を述べられていることも承知しています。この問題について、ご意見やご提案があれば、それをよくお聞きし、私たちの考えをよくお伝えしたいと思います。私は、いつでも話し合いに応じる用意があります。