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マルクスもケインズも触れなかった

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お金はどう作られ、どう失くなっていくのか

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(本文)

日銀が財政ファイナンスをしているという意見がある。

 

財政ファイナンスとは、日銀が国債を直接引き受けることで、

政府の財政赤字を事実上,解消させてしまうことを意味する。

 

日銀は国債を直接引き受けてはいないが、すでに市場から400兆円の国債を購入している。

 

これは発行された国債の約4割を占める。

 

国債には金利がついているのだから、莫大な国債を保有している日銀には

その分の金利が支払われる。

 

その利払い分を受け取った日銀は、営利目的で活動している企業ではない

ことから、利益分(当期剰余金)は国庫に返納される仕組みになっている。

 

https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/outline/a25.htm/

 

つまり、政府が支払って、日銀が受け取り、その支払い分をまた政府が受け取る、

という構図なのだ。

 

これを見れば、日本国政府の借金がなくなったのと、同じ、と思う人も多いだろう。

 

しかし実際は、財政ファイナンスではない。

 

なぜなら、国庫納付金が日銀が政府から受け取る金利の金額よりも

はるかに少ないからだ

 

日銀の損益計算書を見ると、

国債の利払いは1兆2875億円ある。

 

ところが、日銀当座預金に預けられている220兆円には付利として0.1%の金利が付く。

2200億円は日銀から民間銀行に支払われるのだが、その財源は日銀の利益からだ。

つまり国債の利払い(国民の税金)で得た利益が銀行に回されるのだ。

 

更に、日銀は、国債が暴落した時の

損失に備えるという名目で「債券取引損失引当金取崩額」という

ものを今年から4500億円積み立てている。

その分、国庫に納める当期剰余金は4500億円減っている。

 

そのことについては日銀の以下のページにもしっかりと書かれている。

 

(日銀の財務諸表P7より転載)

 

http://ur2.link/zlAm

 

5.重要な会計方針の変更
当該変更により、債券取引損失引当金繰入額は、従来の方法による場合と
比較して4,501 億円増加し、税引前当期剰余金は同額減少している。

 

(転載終了)

 

以上の事から、日銀の国債の利益1兆2875億円は、民間銀行に与える2200億円と

債券ショックに備えるという名目で積み立てられている4500億円の計6700億円を

差し引かれ、さらにもろもろの経費が差し引かれた金額4110億円が納付されている。

 

さらに元同志社大学経済学部の山口薫教授によると、日銀の国債の利払いは

少なすぎ、また、経費の支払いは多すぎる。本当は4000億円ほど間引いて

計算されているのではないか?という疑惑を持っているということだ。

 

そうなると、4110億円が国庫に返納されているとはいえ、かなりの金額が差し引かれている。

 

国民が支払った税金は、大幅に差し引かれたうえで、国庫に返納されているのである。

 

これを財政ファイナンスというのは違うだろう。

 

このような国民の目を欺くような詐欺経済的なシステムは変更しなくてはならない。