からの転載です。
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https://ameblo.jp/amanomotoyasu/entry-12374540869.html
欧米の「操作される民主主義」を作り上げてきた中心勢力フリーメーソン。
そのフリーメーソンの密教の基礎にあるといわれるのが18世紀のドイツの哲学者カント倫理学である。
フリーメイソン日本グランド・ロッジの公式ホームページによれば、
「会員相互の特性と人格の向上をはかり、よき人々をさらに良くしようとする団体」
であるとされている。
現代の「人格」の定義はカントによって理論化された。
メーソン自身が述べているようにカント倫理学がメーソンの教義の基礎をなしている
ということなのだから、人格の定義もカント倫理学に基づいていると推測できる。
操作される民主主義のモデルを理解するには、民主主義の原理の根本規範と
なっている「人格の保障」についてのモデル化を行う事が必要なのである。
前回はカントの人格の原理だけでは、ナチズムや人類を根絶するような危険思想で
さえ、道徳法則として排除できないことをお伝えした。
→<リンク>その5 操作される民主主義 フリーメーソンとカント倫理学 人格の原理のみの危険性について
今回は、カントの述べた人格の形式的な原理を万人に保障するために、
民主主義の目的である「個人の尊厳の実現」が作られていること
また個人の尊厳の実現から自由や平等などの諸権利が作られていることを解説する。
今回の解説は、下図の青い四角の枠線
↓
カント倫理学は、「道徳的に善い行為をする形式」としての道徳法則を述べている。
しかし、それはあくまでも形式であり、どのような行為が善いものであるのかの
具体的な内容については本人の自律性にゆだねられるという。
(悪について 中島義道著 より転載)
P10
カントは、善の内容、すなわちいかなるものが善であるかを提示しようとしない。これは、カント倫理学にとって本質的なことである。
(転載終了)
どのような内容の道徳法則を人類の普遍妥当な善として選択するかは個人にゆだ
ねられるのであり、ナチズムや、人類の絶滅を企むような内容でさえも排除できないという。
(悪について 中島義道著 より転載)
P154
じつは、定言命法からはとくに人類の存続は出てこないのであり、そのかぎり自分を含めた全人類を一挙に抹殺すべきだ、という内容さえただちには排除できないのである。
(転載終了)
つまり、人類にとって普遍妥当な善を自らが立法するべき、という「善意志の自律」
の理論は、人々の自由意思を最大限認めるものであるが、同時にその自由意思
が他者の自由意思を侵害することにもなりうる矛盾をはらむものなのだ。
この自律の理論の矛盾を解消し、かつ人々の自律を保障するには、何らかの
他律(ルールの強制)の理論が必要になってくる。
ここで疑問がわいてくるのは、何故、そこまでして「善意志の自律」を保障しなければ
ならないのか?ということだろう。
まずカントは、「人格」という概念に最高の価値があるものと考えた。
(新倫理 清水書院 より転載)
P99
カントは、この道徳法則にかない、これに自律的にしたがう主体を人格とよび、その人格に最高の価値を認めた。
この考え方を人格主義という。
そして、その人格の本質としてあげられるのが、行為の源泉である意志のよさ、すなわち善意志である。
(転載終了)
つまり普遍妥当な善を自らが立法して行動する主体としての「人格」を最も価値の
あるものだという前提をつくりだした。
ここから最高価値である「人格」を保障することが、社会において目的とするべき
ものだという考えが導きかれる。
(新倫理 清水書院 より転載)
P98
「あなたの人格およびすべての他人の人格のうちにある人間性を、常に同時に目的として取り扱い、決して単に手段としてのみ取り扱わないように行為せよ。」
これらは、自分がある行為をなそうとするとき、それが万人に認められ、自分自身も納得できるものであるようにすること、自分自身を手段化したり他人を自分の利益のための手段として利用したりせず、たがいに人間として尊重し合うことをあらわしている。
P99
このような善意志をもつ人格の道徳的共同体を、カントは目的の国とよんだ。
P99
たがいの人間性を尊重しあい、人格を絆として結ばれあった目的の国は、人間の理想的な社会である。さらにカントは、この理想的な社会を世界的な規模にまで拡大し、永久平和のための世界連邦を実現しなければならないと説いた。この永久平和の実現を人類の課題としたカントの思想は、かつての国際連盟や今日の国際連合の理念の先駆けであるといえよう。
(転載終了)
このように「全ての個人の人格の保障を社会の目的とせよ」、という人格主義が
カントによって打ち立てられた。
何故、人格を最高価値とするかというと、人格の保障が人間にとって最も普遍性を
持つ社会思想だからだ、という考えから導き出されている。
つまりカントが導き出した「人類に共通した善の感情」である。
そうすると人格主義に基づいた社会的ルールが必要になる。
まず人格をまもるために「個人(人間)の尊厳の実現」が要求される。
(新倫理 清水書院 より転載)
P98
カントによれば、みずからが立てたこの道徳法則にみずからしたがうことこそ自由(意志の自律)であり、人間の尊厳はこの自律的な自由にある。
(転載終了)
我々が憲法学で学ぶ民主主義の目的としての「個人の尊厳の実現」という概念も
カントの人格の原理から導き出されたものだ。
「個人の尊厳」とは、みずからが立てた道徳法則を実践する自由のことを指す。
つまり現代の民主主義が目的としている「個人の尊厳の実現」とは、個人の人格を
侵害してはならないという「人格不可侵の原理」のことだ。
・人格の保障→個人の尊厳の実現(民主主義の目的)
当然ながら民主主義を作り上げてきた中心勢力であるフリーメーソンも個人の
尊厳を尊重することを会の目的に掲げている。
(英国に本部をもつ秘密結社?フリーメーソンの正体とは より転載)
フリーメイソンは現在、何をしている?
フリーメイソンはロッジと呼ばれる集会場において、儀式や講義を通して、人間の基本的な道徳を学び教え合っている。その中では、仲間そして人類における兄弟愛、個人の尊厳と自由を尊重すること、人間として家族や社会での責任を果たすことなどが強調される(近代フリーメイソンが成立した18世紀初めにおいて、これらの理念は画期的なものであったという)。
(転載終了)
「個人の尊厳の実現」=「人格不可侵の原理」のために使用されたのが、
「人は自由で平等である」という自由、平等、友愛の諸権利である。
自由と平等に関しては、既に紀元前3世紀の古代ギリシャの哲学者プラトンの
著作に民主制を論じるところで登場している。
近代的な権利としては、17世紀の英国の思想家ジョン・ロックが著作で述べてから
理論化されていった。
スコットランドとロンドンを本拠地とした近代フリーメーソンは18世紀には自由、
平等、友愛を述べるようになった。
更に、18世紀の欧州の啓蒙思想家たちによって、自由と平等の権利は、
人間に生来与えられたものだと述べられ社会全体に浸透していった。
その結果として、1776年の米国独立革命、1789年のフランス革命に結実し、
現実の権利として人々に与えられるようになった。
1776年の米国独立革命は、神によって人は自由で平等に作られているから
人々に権利を与える、というキリスト教的観点からの革命であった。
一方で、1789年のフランス革命は、理性を与えられているから人は自由で
平等である、という啓蒙主義的観点からの革命であった。
この二つの革命はともにフリーメーソンが主体になって起こしたものだが、
神に基づいた権利か、理性に基づいた権利かの違いがある。
日本国憲法や欧州憲法は神を省いたフランス革命の理念に基づいて作られている。
自由、平等、友愛が与えられるのは、人々が理性を持った人格の主体だからだ、ということだ。
なぜ、自由、平等、友愛の諸権利が、「個人の尊厳の実現」=「人格不可侵の原理」となるのか?
以下の文章にあるように人間の尊厳の定義は、「自律的な自由(道徳法則を
みずからたて実践する事)」にあるのだから、その自由を万人に平等に与える、
ということが「個人の尊厳の実現」ということになる。
↓
(新倫理 清水書院 より転載)
P98
カントによれば、みずからが立てたこの道徳法則にみずからしたがうことこそ自由(意志の自律)であり、人間の尊厳はこの自律的な自由にある。
(転載終了)
これは、20世紀の米国の哲学者ジョン・ロールズが述べた
「人々に平等な自由を与える」、という、自由、平等、友愛の原理のことだ。
(プレップ倫理学 柘植尚則 弘文堂 より転載)
P134
第一の原理は、すべての人が基本的な自由を等しくもつべきである、というものです。それは「平等な自由の原理」と呼ばれます。ロールズの考えでは、基本的な自由は、他人の自由と両立する限りで、最大限認められるべきものです。
(転載終了)
平等に人格(自らが道徳法則をたて実践する自由)を与えるのだから、
「平等な自由の原理」という、自由、平等、友愛の権利が必要とされるのである。
何の自由なのか?
何の平等なのか?
何の友愛なのか?
これも全て人格の原理から導き出されており、人格を保障するための
自由、平等、友愛なのだ。
法律の全ての論理の出発点になる考え方を「根本規範」とよぶ。
民主主義の根本規範は、人格の保障=個人の尊厳の実現なのだ。
そのため人格を侵害する人権侵害の行為は犯罪行為として処罰される。
その一方で、人格を侵害し続ける凶悪な犯罪者や、一切の人格を発揮できない
脳死状態にある人、極度の痴呆状態にある人などでも一定の権利は与えられる。
なぜなら、人格の前提に、人間は存在そのものが尊いというヒューマニズムが
存在しているためだ。
(ここはカントの理論とは違い、現在の民主主義の法体系の話)
そのために人格とは無関係に、人間として存在している限り無条件に与えられる
権利が存在する。
このヒューマニズムの中で、最も尊い最高価値が道徳法則を自らがたてる「人格」
と定義されている。
ヒューマニズムそのものは民主主義を創りださないが、ヒューマニズムから導き出
される人格の原理は民主主義を作りだす。
人間は存在そのものが尊いというヒューマニズムの根拠は何か?と問われれば
「人間存在は無条件に尊いからだ」という答えになる。
つまりヒューマニズムとは「人間教」なのだ。人間は尊いという「信じる気持ち」が前提となっている。
これも「善の感情」に関わる部分である。
ヒューマニズムと融合しない人格の原理は、それこそナチズムのような優生学や、
人類の抹殺のような理論を排除できないだろう。
以上のような観点から民主主義の目的と手段の全体像を図にすると以下のようになる。
1 民主主義は、「ヒューマニズム(人間は存在そのもが尊いという観点)」が前提となる。
2 その尊い人間存在の中で、最高の価値として定義されているのが
自ら道徳法則をたて実践する「人格」である
3 人格を万人に保障することを、「個人の尊厳の実現」と呼び、これが民主主義の
目的として設定されている
4 その個人の尊厳を実現するために、国家によって個人の自由が干渉されるべき
ではないという「自由主義」が手段として作られている
5 その自由主義を達成するために、専制主義を否定する観点から全ての国民が
政治に参加する狭義の意味での「民主主義」が手段として作られている
6 この全てに、個人が等しく自由であるべきだという「平等主義」がかかっている
7 ヒューマニズムから人格の原理を作りだし、自由で平等な権利で人格を保障する
体制が、広義の意味での「民主主義となる。
このようなモデルで現在の日本や欧州の民主社会は作られているのだ。
人格の原理と融合した「人は自由で平等である」という言葉は、
「人同士では支配しあわない状況」を表している。
次回は人同士が支配しあわない社会を目指している民主主義のモデルが
どのように形成されるのか、それがフリーメーソンのシンボルマークとどのように
リンクするのかをお伝えする。
(記事終了)
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<リンク>5/12(土)民間が所有する中銀NY連銀の人事 自作自演による英米仏のシリア空爆の背景
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