批判の天才、故太田龍氏が主幹をしていた週刊日本新聞には、
日本では滅多に入らない英語関係の文献が多数紹介されている。
国際金融軍事権力と日本の実体を考える上で参考になった記事
を紹介する。
4回目の今回は前回の続き。
資本主義経済批判の本家であった中国共産党が統治する中華
人民共和国で、2007年にロスチャイルドなどの国際金融財閥
と通貨発行権問題の研究を行った始めての本を著した宋鴻
兵についての紹介記事。
「平成19年10月21日 週刊日本新聞 第509号 から転載と抜粋」
■宋鴻兵著「貨幣戦争」の現物を入手して読む
当時事寸評で、宋鴻兵著「貨幣戦争」について
ファイナンシャルタイムズ北京特派員リチャードマクレーガー
の記事にもとづいて紹介評論した。
本日、その現物を入手できたので、更に引き続き
紹介論評していく。
<中略>
巻頭に推薦文の如きもの5件あり。
・除林、国家発改委財政金融司司長
・楊帆、経済学家
・張字燕、中国社科院研究員
・林永青、价値中国網CEO
・徐東勝、北京未来巨人投資有限公司執行董事
第一章の巻頭に
メイヤー・ロスチャイルド
これはもちろん有名なロスチャイルドの言葉
我に一国の通貨発行権を与えよ。
さすれば、その国の法律を誰が作ろうと、そんなことは
どうでもよい。
である。
本章は全10章からなる。
そして、それぞれの章に英語で引用文献が示してある。
これを読むと
(1)デス・グリフィン著「奴隷への転落」
(2)ユースタス・マリンズ著「FRBの秘密」
(3)ユースタス・マリンズ著「世界権力」
(4)W・G・カー著「将棋のコマ」
(5)アントニー・サットン著「ウォール街とFDR」
(6)アントニー・サットン著「FRBの陰謀」
この6冊が主たる参考書である。
<中略>
著者の見るところでは、本書の出版は、
明らかに中共中国政権の承認のもとに成されている。
そして、著者の知る限り
この本は中国史上最初の
ロスチャイルド世界金融王朝についての全面的暴露の書である。
この本の出版の持つ、歴史的意味は、いくら大きく評価しても
過大ということはないであろう。
(転載終了)
21世紀になるまで中国共産党政権でさえ、マルクス・レーニン・毛沢東主義によって
通貨発行権の問題から目を逸らされてきた。
ソ連や中共の政治経済理論を受け入れていきた欧米や
日本の左翼勢力も同じように目を逸らされた。
その結果、第二次対戦以降の冷戦構造は、体制側も反体制側も
通貨発行権の問題が社会から「無意識化」してしまった。
上記の太田龍氏の文章で紹介されているアントニーサットンが描いた
著書「ウォール街とボルシェビキ」では、ウォール街がロシア革命を
全面的に資金面で支援したことが書かれている。
また中共政権の誕生も西側の意向だったという。
その理由は、東西冷戦を意図的に演出し、西側も東側も政治経済学から通貨発行権の
問題をすっぽりと抜いてしまう。
そうすることで世界から通貨発行権の問題を「無意識化」させてしまうマジックを仕掛ける
のが目的だった、と考えられる。
ここで注目するべきなのは21世紀になるまで人類は、
資本主義経済の仕組みについてよく知らなかったという
驚くべき事実だ。
21世紀にリチャード・ヴェルナーによって信用量に基づいた
資本主義経済の理論が登場することで明らかにされた。
全体像を理解できていなかったという事では、資本主義経済と
ともに自由民主主義を構成するのもう一つの体制である、
民主主義政治についても同じことが言えるのである。
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参考記事
<リンク>国際金融権力によって、自由・平等・友愛の人権と民主主義を掲げる社会において人間と人民が消える理由
<リンク>国際金融軍事権力の民主主義の二重の操作 世論誘導と三権(行政、立法、司法)への直接的な利益提供
<リンク>国民主権の民主主義の実現に必要なモデル図 気概のある魂と民主の原理の融合