12日(日)にネイキッドロフトでイベント「『声優語』のできるまで」を開催しました。おかげさまで特別なゲストもいないのに、20人を超えるお客様にご来場いただきました。どうもありがとうございました。それもあってメルマガ発行が遅れました。申し訳ありません。
『声優語』は、20日にもイベントを行います。ジュンク堂書店池袋本店でトークをします。ゲストは『風の谷のナウシカ』『らんま1/2』などを手がけられた音響監督の斯波重治さんです。『声優語』のボーナストラック的なお話です。以下、リンクから予約を是非!
2/1発売『声優語』刊行記念 音響監督から見た「声優」
是非、よろしくおねがいします。
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1.最近のお仕事紹介
2.Q&A
3.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
4.前回のアニメの門チャンネル
最近のお仕事紹介
1.1月期の朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
2月18日は『アニメとリアル「リアル」とは何か編』。日本のアニメの重要キーワードである「リアル」の系譜を探ります。
3月18日は第二期が放送中の『昭和元禄落語心中』です。第一期を中心に、作品の魅力に迫ります。
2.2月25日朝日カルチャーセンター新宿教室「僕はこんな作品を見てきた。1995年とメディアの変遷」
幾原邦彦監督を招いての講座第三弾。今回は1995年をキーワードに、90年代以降を振り返ります。いつも満員なので気になる方はお早めに是非。
【講座詳細|申し込みページ】
3.1月のSBS学苑パルシェ校「アニメを読む」(静岡)
1月29日10:30からは『ロボットアニメの歴史』を取り上げます。日本のアニメ史の中でも独特の地位を占めてきたロボットアニメというジャンルが、どんなふうに変化してきたかを追いかけます。
【講座詳細|申し込みページ】
4.2月の栄・中日文化センター(名古屋)「アニメを読む」
2月4日15:30より「3DCGアニメの歴史」と題して、最近増加している3DCGアニメはどのように発展してきたかを振り返ります。ピクサーの創設から始まり、国内の『レンズマン』から『アルペジオ』に至るまでの取り組みを振り返ります。
【講座詳細|申し込みページ】
5.3月のNHK文化センター青山教室(東京)
3月18日13:30からNHKカルチャー青山教室で開催の「アニメを読む」は『アイアン・ジャイアント』です。ブラッド・バード監督の初監督作品、『アイアン・ジャイアント』の魅力をいろいろな角度から考えます。
【講座詳細|申し込みページ】
Q&A
「なぜなにアニ門」で質問を募集しています。「件名」を「なぜなにアニ門」でpersonap@gmail.comまで送って下さい。今回は、アニメの門チャンネルでお答えした質問です。
Q)「ガルパン」の英語版を取り寄せたら、ロシア語の歌が別の歌に差し替えられていました。また別のアニメでも、原作での洋楽が邦楽に変えられているなどしています。個々のケースバイケースだとは思いますが、アニメにおける邦楽と洋楽の権利問題の違いについて、なにかご存じでしたらお教え下さい。(匿名希望さん)
A)まず前提として、TV曲はJASRACと包括契約を結んでいるため、TV放送に限っては、JASRAC契約曲は使いたい放題です。ただ、パッケージ化となると別契約になるため、既成曲の多くは差し替えになることが多いです。TVで洋楽を使い、パッケージで差し替えられた例というと『ヴァンドレッド』の「What a Wonderful World」と『鉄人28号』(今川版)の「Space Oddity」(デビッド・ボウイ ※配信では勘違いして別曲をあげましたがこちらが正解です)が思い出されます。
また、映画などでかける場合、洋楽は権利料が高いため使いづらいという話は聞いたことがあります。『ガルパン』英語版も、おそらくアメリカにおける楽曲の管理の問題があって、曲を差し替えたのかなと思いました(正解はわかりませんが)。
連載「理想のアニメ原画集を求めて」
文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)
第35回『Suite 向田隆原画集2』
2016年冬のコミケで頒布された『Suite 向田隆原画集2』は、向田隆さんの2冊めの原画集。向田隆さんは、動画工房出身のアニメーターです。
今でも動画工房に席を置いて作業されているようですが、どちらかというと動画工房以外での作品での活躍が目立っています。
ここ10年ほどの仕事歴をざっと一望してみても、『時をかける少女』『サマーウォーズ』『天元突破グレンラガン』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』等々、十数本の劇場作品に参加されています。それらのタイトルを見ても、実力派アニメーターであることが伺えると思います。
向田さんの名前を知らない人でも、アニメファンなら一度はスクリーンでその仕事を観ているのではないでしょうか。分かりやすいところでは、『サマーウォーズ』でラブマシーンとキングカズマが再戦するシーンの原画を担当されていました。芝居にもこだわりを感じる方なのですが、アクションも得意とされていて、個性の強いお仕事をされています。
この『Suite 向田隆原画集2』では、そんな向田さんが「アクション監修」として参加された『ミカグラ学園組曲』でのお仕事がまとめられていました。
ちなみに、1冊目は『Panty & Stocking with Garterbelt』『天元突破グレンラガン』の作画監督回の修正集でした。
「アクション監修」がどういう役割なのか、よく分からなかったんですが、この同人誌を通して具体的な仕事内容が分かりました。アクションパートに関わる部分の絵コンテを調整するところから始めて、レイアウトで上がってきたラフ原画を修正する仕事が中心だったようです。他の作品でなら「アクション作画監督」と表記されることもあるかもしれません。
「作画監督」の役割で目にするのは、元々は「作画監督」「メカ作画監督」くらいのものでした。時代が進むに連れ、段々と細分化されていき、「総作画監督」「エフェクト作画監督」「銃器作画監督」「レイアウト作画監督」等々、どんどんと増えてきています。昔なら一話数で作画監督が1人の体制が普通でしたが、今ではほとんど見ません。
アニメを観ている受け手側からすると、細分化されていく作業の向こう側がどうなっているのかを知る機会はなかなかありませんが、こうした原画集を通して、その一部を知る機会を得ることができます。
ましてや、向田さんのような劇場大作に次々と参加するような凄腕アニメーターの仕事が見られるわけですから、コミケで手に取れる原画集は文化的な価値の高いものになってきていると思います。
この原画集に掲載されている資料は、大きく分けて3つです。
1)絵コンテマンから上がってきた絵コンテを向田さんが整理して、新たに描き起こしたもの。
2)担当原画マンから上がってきたレイアウトラフ原画を修正したもの、新たに描き起こした背景原図。
3)原画マンが描き起こした原画に修正を入れた作画監督修正。
本来なら、絵コンテ、演出、作画とバラバラに作業されるものを、アクションパートに絞って、向田さんが一手にまとめて監修するという作業工程だったようです。
原図、レイアウトの修正などはかなり細かく、「なびき」や「走り」から細かくチェックしていた様子が絵から伺えます。また、文字でも、どうしてそう動くかという、担当原画マンへの原画ごとの細かい指示の書き込みも、絵と共に見ることができます。
単純に、向田さんのラフ原画集としても見られるだけの量がまとめられていますので、作画志望の方にも興味深い内容となっていると思います。
また、一度出来上がった絵コンテから、作画コストを考量した上で新たに描き直された絵コンテという珍しい物が掲載されているので、演出的な興味が強い人にとっても、見るべきものがある本だと思います。この点に関しては、作画のコストを抑えるために、レイアウトの段階で更に向田さんの絵コンテから構図を変更しているカットもありました。
作画の領分に限定されない、アニメ制作者の試行錯誤を見ることのできる、貴重な原画集だと思います。
(『Suite 向田隆原画集2』/鉛筆房/1500円)
前回のアニメの門チャンネル
前回のアニメの門チャンネルでは、海外の長編アニメーションを追いかけている映画ファン・小泉正人さんをゲストに招きました。以下、配信で紹介したタイトルになります。これらの作品については小泉さんがご自身のブログでも紹介されています。
海外のアニメーションに興味を持つきっかけとなった作品
・『Chasseurs de dragons (Dragon Hunters)』(2008年 フランス)
※ドラゴンハンター
【予告編】
・『千年狐ヨウビ ( Yobi, The Five Tailed Fox)』(2007年 韓国)
【予告編】
これまでに見て面白かった作品3つ
・『Jack et la mécanique du cœur(Jack and the Cuckoo-Clock Heart)』(2013年 フランス)
※ジャックと機械じかけの心臓
【予告編】
・『Mune Le gardien de la lune (Mune Guardian of the Moon)』(2014年 フランス)
※ミューン ザ・ムーン・ガーディアン
【予告編】
・『ウリビョル1号とまだら牛 (The Satellite Girl and Milk Cow)』(2014年 韓国)
【予告編】