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アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第114号(2017/5/26号/月2回発行)
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アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第114号(2017/5/26号/月2回発行)

2017-05-30 21:57

     26日に映画『夜明け告げるルーのうた』のティーチインが行われ、『フラッシュバックメモリーズ3D』の松江哲明監督と湯浅政明監督の対談などを司会しました。会場からの質問も、細部を突くものが多くて、来場いただいた方は楽しんでいただけたのではないかと思いました。
     いくつかのWEBサイトに記事も載っていますので興味のある方は是非。
     では、いってみましょう。

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    1.最近のお仕事紹介
    2.Q&A
    3.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    4.不定期アニメ日記
    5.連載一覧


    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     6月17日 『おそ松さん』【6月予約】
     7月15日 『聲の形』
     8月19日 特別講座「編集の仕事を知ろう」
          講師:平木大輔(『NEW GAME!』『船を編む』『月がきれい』等編集)
     9月16日 アニメは戦争をどう扱ったか
          『桃太郎海の神兵』から『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』まで       【7~9月期受講申込】

    2.6月の中日文化センター講座『誰でもアニメ監督になれる!』
     6月10日、1day講座「誰でもアニメ監督になれる!」好評受付中! 大ヒット作『コードギアス』の谷口悟朗監督とアニメ評論家の藤津亮太さんによる特別対談。作品制作の裏側も語ります。【受講申込】

    3.7月の中日文化センター講座 アニメを読む『交響詩篇エウレカセブン』
     7月22日、秋より公開される新作『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』三部作の原点となった『交響詩篇エウレカセブン』とは、どんな作品だったのか。改めて考えます。【受講申込】

    4.7月と8月のSBS学苑
     7月は『王立宇宙軍 オネアミスの翼』。8月は「アニメの魅力」と題して、お試し版の講座を静岡と沼津で開きます。内容は『逆襲のシャア』『秒速5センチメートル』『おそ松さん』の3本を90分でギュッと紹介します。8月は学割アリ。
     ※まだサイトは申込みできないようです。


    Q&A

     「なぜなにアニ門」で質問を募集しています。「件名」を「なぜなにアニ門」でpersonap@gmail.comまで送って下さい。


    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第42回『TOKUYUKI MATSUTAKE ANIMATION DRAWING』

     近年、アニメ関連の業界を舞台にしたアニメ作品や、アニメファンが登場するアニメ作品が増えるにつれて、よく目にするようになったと思う表現が「劇中劇」です。
    実在する作品に似せたパロディ的な劇中劇が多い印象ですが、中にはそれ自体が見どころとなる作品もあります。

     松竹徳幸さんは、ゲーム『テイルズ』シリーズのOPやアニメーションパートのキャラクターデザイン・作画監督を長年手がけており、それは松竹さんの作品歴の中でも代表的なお仕事となっています。
     松竹さんが劇中劇を手がけられた作品は、『それが声優!』内でのゲーム「Kuroneko OF Eternya2」のOPアニメパート。そして、『ガーリッシュナンバー』内の「九龍覇王と千年皇女」のアニメPV。どちらも、声優業界を描いた作品の劇中劇です。
     『それが声優!』の劇中劇は、タイトルからしても『テイルズ』シリーズを意識して作られたものだと思います。『ガーリッシュナンバー』の劇中劇も世界観的に近いものがあり、こちらも『テイルズ』シリーズを意識したお仕事なのではないでしょうか。

     『それが声優!』の「Kuroneko OF Eternya2」のOPアニメパートは、劇中のライブシーンの一部として画面に映る使われ方だったので、OP全編分の尺はなかったのですが、『ガーリッシュナンバー』内での「九龍覇王と千年皇女」は新作アニメの先行PVという設定の映像全編が劇中で公開されました。映像自体の尺が1分以上あり、アニメのOPと同等の長さの映像で、これだけ観ても見ごたえがあります。劇中ではイメージ的なBGMが付いていましたが、音楽を歌に変えるだけでそのままOPに使えそうな完成度です。

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    今回紹介する同人誌は、この『ガーリッシュナンバー』内での「九龍覇王と千年皇女」のアニメPVの資料をまとめた原画集です。

     松竹さんはキャラクターデザイン・絵コンテ・演出・作画監督・原画を担当されており、他の作画スタッフも第二原画に記載されている吉成鋼さん、小堤遥香さんの2名のみ。
    吉成さんの作画パートは、第二原画とは言うものの、その個性を全開にしたものでセル画的な絵とは質感の違うペイントソフトで描画されたものとなっています。それ以外のカットは、基本的に松竹さんが描かれていると思うのですが、小堤さんがどのパートを担当されているのかはよく分かりません。
     原画集には、基本的に吉成さんが担当されている以外の資料が掲載されているので、もしかすると小堤さんの絵も掲載されているのかもしれません。しかし、原画集のほとんどが松竹さんの描かれた絵なのは間違いありません。基本的に作画監督である『テイルズ』シリーズのお仕事よりも、松竹さんのお仕事の濃度としては濃いものと言っても良いでしょう。

     原画集には、タイムシート以外のキャラクター表から、絵コンテ、レイアウト、原画と一通りの資料がまとまっており、吉成さんが担当している以外の全てのカットの資料が掲載されています。
     映像で点描されるファンタジー世界独特の風景のカットまでしっかりと掲載されており、描き込んだ美麗なキャラクターの止めの絵も見ごたえがあります。
     アニメOP風の映像なので、BGオンリーのカットから、アクション、サービスシーンと、カットの内容や構図のバリエーションが多いのも良いところですね。

     アニメのOP尺相当のPV一本分の資料をまとめて見られる充実した資料集でもあり、なかなかまとまった形で見ることのできない松竹さんの絵を集中して見ることのできる贅沢な画集でもあります。
     以前に取り上げた『ルパン三世』のOP原画集等もありましたが、こうした短めな映像の資料が1冊にまとまった時に、取りこぼしもなく、資料的に充実した本になっているのを見ると、OPやEDの原画集等が増えていってくれるとファンとしては嬉しいところです。

    『TOKUYUKI MATSUTAKE ANIMATION DRAWING』/はちのこの里&プロポリス/1080円)


    不定期アニメ日記

     5月3日にNHK BSプレミアムで『みんなで選ぶベストアニメ100』が放送されました。で、このランキングがいろいろ物議を醸しました。
     物議の醸し方は大きく2つあって、ひとつは作品に偏りが大きいことから「組織票云々」という指摘をする意見。もうひとつは「ベストという名前にふさわしい精選された(歴史的に意味のある)作品が並んでいない」という意見。

     
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