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アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第146号(2018/10/12号/月2回発行)
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アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第146号(2018/10/12号/月2回発行)

2018-10-19 18:59

    このメルマガが届くころには終わっていますが、13日から昨年同様、京都国際映画祭のお手伝いのために京都に入りました。『ドワーフのこま撮りアニメーション』『PEACE MAKER鐡 前篇』『じゃりン子チエ(TV)』の上映に伴うトークの進行役を担当しました。
     それではいってみましょう。

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    1.最近のお仕事紹介
    2.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    3.前回のアニメの門チャンネル 4.お蔵出し原稿
    5.連載一覧


    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     10月期は以下のラインナップでお送りします。
     10月20日『宇宙戦艦ヤマト2199』(含む劇場版)
     11月17日『宇宙よりも遠い場所』
     12月15日『この世界の片隅に』
     【10月期受講申込】

    2.10月のSBS学苑(静岡)
     9月30日に予定していた『コードギアス 反逆のルルーシュ』を10月28日に行います。総集編映画も公開された本作をTVシリーズをベースに読み解きます。【受講申込】

    3.10月のオタクの学校(東京・浅草)
     10月のオタクの学校は10月27日の15時から開催です。僕は「(アニメ)ライターの仕事 その1」と題して、アニメライターの仕事のあれこれを語ろとう思います。専業ライター志望者の方はもちろん、社会科見学的な興味のある方もどうぞ。【受講申込】


    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第74回『阿部邦博アニメーション原画集』

     『阿部邦博アニメーション原画集』は、ガンダムシリーズなどで活躍されていた阿部邦博さんのお仕事がまとめられた本です。本を横にして、パラパラとめくりながら見るタイプの原画集となっています。
     パラパラ形式の原画集の場合、1ページに1枚ずつ原画が掲載され、全体としては掲載数が少なくなりがちですが、この本では1ページに2枚ずつ別々のカットの原画を掲載することで掲載数を増やしています。
     本には清書された原画だけでなく、ラフな素材も数多く掲載されています。ラフ段階のメカにはパース線が大量に引かれており、正確な描写を目指している様子がうかがえます。人物のラフなどはよく見かけますが、メカやロボット等のラフを見かけることはないので新鮮です。
     この原画集はラフ自体の掲載の比重が大きく、そうした清書以前のアニメーターの試行錯誤を見たいと考えている人たちにはおすすめの内容です。

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     実際に見てみると、ガンダムのような複雑な形状はこうして描いていたのかと驚きを感じます。これを1枚描くだけでも大変なのに、アニメとして何枚もの絵を費やして動かしている。改めてそうした作品がTVで毎週放映されていることを考えると、実に凄いことです。
     この緻密な描写はキャラクターにも活かされており、阿部さんはメカアニメーターとしての印象が強いですが、原画集にはキャラクターの原画も数多く掲載されています。
     キャラクターの作画で掲載されている資料は、かなりラフなものから清書されたものまで色々ですが、こちらもアニメーター志望者の方などにおすすめの内容となっています。
     キャラクターはもちろん、キャラクターに関連した背景の椅子などの原画も掲載されています。ガンダムなどのSF作品の椅子などはコクピット内のモノなども含めて形状も複雑になっており、こうしたモチーフを描くのも正確な画力を必要とします。一般的なパースの知識はもちろん必要ですが、実際にどのように描かれているかを見ることのできるこうした資料は貴重なものです。

     ラフ原画として掲載されているものも、日常芝居的なものや、車でのアクションなど、色々なシチュエーションの作画を見ることができます。
     自分も原画集で見るまでは、阿部さんをガンダムでのお仕事でしか意識できていませんでした。そのガンダム作品の中でも『機動戦士Ζガンダム A New Translation -星を継ぐ者-』等では、クライマックスのアムロのシーン一連を担当されていたと、この原画集で知りました。メカはもちろん、空中でなびきながら動くアムロも阿部さんの描かれた原画が掲載されていました。こうして原画集で見るまで知らなかったお仕事の方向性などを知ることができるのも原画集を見ることの楽しみです。特に、個人で出している同人誌の原画集はそうした傾向が強く、アニメーターの意外な一面を知ることのできる数少ない機会とも言えると思います。

     阿部邦博さんは残念ながら今年8月に亡くなられてしまいました。そのお仕事は、アニメ作品の中に残り続けていきますが、アニメーター個人の仕事が1冊の本としてまとめられていくことは、アニメーターの仕事が作品の中で残り続けるのとはまた違った価値があると思います。『阿部邦博アニメーション原画集』は、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ と続けて頒布されていますが、今後また続巻などが出ることを期待しています。

    (『阿部邦博アニメーション原画集』/ふぁみりー阿部/¥?)


    前回のアニメの門チャンネル

     前回のアニメの門チャンネルは、映画『若おかみは小学生!』と『エウレカセブン』のお話をしました。
     『若おかみ』は、プレス資料・パンフレットのために行った高坂監督のインタビューをもとに、全体の整理をするような内容。
     『エウレカセブン』は『交響詩篇』だけでなく劇場版『ポケットが虹でいっぱい』、続編シリーズ『AO』、そして継続中の『ハイエボリューション』まで、シリーズ全体の関係を総覧した上で、各作品のワンポイント解説的なことを行いました。


    お蔵出し原稿

    この再録コーナーではおなじみ「アニメ喜怒哀楽」からの再録です。

    生まれいずる喜び

    『ふしぎなメルモ』のインパクト

     吉野弘の詩に「I was born」という詩がある。教科書に載ったこともあるから知っている人も多いだろう。この詩は、少年が身重の女とすれ違った瞬間、「生まれる」が受け身であることを諒解する一場面を切り取ったものだ。少年は一緒に歩いていた父に言う。「正しく言うと人間は生まれさせられるんだ。自分の意思ではないんだね」。

     
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