シルバーウィークで気が抜けたら、スケジュールがいろいろ詰まってきて、結局あわただしい毎日になっています。秋からアニメ映画もまたいろいろ出てきますが、どれだけリアルタイムでフォローができるか……。ちなみに今回の不定期アニメ日記は実写『進撃の巨人』の感想です。合間をみてなんとか見てきました。 では、いってみましょうか。
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『超人幻想 神化三六年』(會川昇、早川書房)
10月放送開始アニメ「コンクリート・レボルティオ」の前日譚
人間以上の力をもつ〈超人〉が存在する神化36年の日本は戦後復興にわいていた。テレビ視聴者が増えるなか、ディレクターの木更嘉津馬が担当する生放送人形劇の開始直前、スタジオに元GHQの男らが乱入し、謎の獣が現われスタッフを惨殺。その様子がお茶の間に流れると思ったそのとき、気づくと嘉津馬は放送開始40分前に戻っていた――アニメ「コンクリート・レボルティオ~超人幻想~」の前日譚にしてもう一つの昭和史
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1.最近のお仕事紹介
2.Q&A
3.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
4.不定期アニメ日記
最近のお仕事
1.朝カル講座「アニメを読む」(東京)
10月以降は次のラインナップです。
10/17 『機動戦士Vガンダム』
11/21 『ゴルゴ13』
12/19 現代アニメのターニング・ポイント ポスト『涼宮ハルヒの憂鬱』の10年間
https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/25963ded-7f56-7c17-5f4f-559a10b99a70
2.NHK文化センター青山教室「アニメを読む」
10月から新たにNHK文化センター青山教室で講座を担当することにしました。開講日は第二金曜日19:00~です。
10/9 『機動戦士ガンダム』歴史編
11/13 『機動戦士ガンダム』表現編
12/18 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
※12月だけ第三金曜日です。
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1088222.html
NHK文化センター青山教室では11/29の原恵一監督トークの聞き役も務めます。
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1051651.html
3.SBS学苑パルシェ校「アニメを読む」
10月25日10:30~のSBS学苑パルシェ校での講座は『耳をすませば』を取り上げます。こちらも公開から20年ですね。
http://www.sbsgakuen.com/gak0130.asp?gakuno=2&kikanno=169676
4.栄・中日文化センター「アニメを読む」
半年に1回のペースで行っている名古屋での講座。次回は11月14日15:30から。 『ルパン三世 VS複製人間』&シリーズ諸作を取り上げ、「ルパン三世」というキャラを考えます。
http://www.chunichi-culture.com/programs/program_161132.html
Q&A
「なぜなにアニ門」で質問を募集しています。「件名」を「なぜなにアニ門」でpersonap@gmail.comまで送って下さい。文面にハンドル(名前)も入れてください。 あるいは、アニメの門チャンネルの有料会員は、アニメの門チャンネルページの掲示板サービスが使えますので、そこに質問をしていただいてもよいです。メルマガの下にあるコメント欄でも結構ですよー。
よろしくお願いします。
連載「理想のアニメ原画集を求めて」
文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)
第5回『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星 原画集』<監修:小西賢一 押山清高>
今回取り上げるのは、『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』(通称『ミロス』)の原画集。『ミロス』それ自体が動きの魅力に満ち溢れた作品なので、原画集としても見応えがある1冊となっています。この本は、スクウェア・エニックスから出版されたBONES関連作品の原画集3冊のうちの1冊。シリーズ化されているというわけではないけど、基本的なフォーマットは統一されており、この時期にはまだ珍しかったオールカラー原画集の先駆けでした。また、当時はガイナックスから出版された原画集と同じA4サイズが多かった中、それよりも一回り小さなB5サイズ。その3冊の中でも、特におすすめなのが、この『ミロス』原画集です。
『ミロス』は、ベテランはもちろん、20代から30代のいきのよいアニメーターが中心となって作画されています。中でも注目したいのは、突出した才能を持ったアニメーターであり、今回は「アニメーションディレクター」として参加されている押山清高さんです。役職自体は前回の安彦良和さんと同じ。実際にどんな作画作業をされていたのかは、この本に大量に掲載されている押山さんの絵によって分かってくると思います。
アニメが複数のチェック工程の行き来によって作られていることは、これまでにも何度か触れてきました。この本では、掲載されている修正や原画それぞれに担当者が明記されているので、一つの画面でもいろいろな人達の手をわたってアニメの完成画面が形作られているのが理解できると思います。
この本で取り上げられている最初のカット(C-14)では、そうした過程がより分かりやすい形で示され、1枚の絵を完成させるために描かれた、監督、演出、アニメーションディレクター、原画、総作画監督それぞれの絵が集約して掲載されています。実際には作画工程だけで、もっと複数の人の手を経て完成するものだと思いますが、映画1本のすべてのカットがこうしたチェックの工程によって成り立っているのかと思うと、それだけでもめまいが起きるような大変な仕事ですね。
この本を見ると、激しいアクションでも、細やかな芝居でも、アニメーションディレクターの押山さんがレイアウトの時点で動きを作り上げることに関して、大きな役割を果たしていたことがよく分かります。前回の安彦さんも超人的な仕事量が本の中から見て取れましたが、こちらの押山さんの活躍もすさまじい。掲載されている押山さんの修正は、絵だけでなく、文章でも細かく色々と書かれた伝達事項を読めるのが良いですね。自分が今まで見た原画集の中でも、ここまでこうしたやりとりが目に見える形で残っている原画集は無かったと思います。
原画集自体の監修にも押山さん、それからキャラクターデザイン・総作画監督の小西賢一さんがついているので、原画のチョイス自体も良いです。多くの原画集で掲載が省かれてしまう、エフェクト関連の作画もたっぷりと掲載されているのがとても嬉しいです。『ミロス』はアクション、芝居だけでなくエフェクトにも劇場大作ならではのスケールの大きな様々なシチュエーションがあるので、それを原画の状態で見られるのは見応えがあると思います。
「原画集には、エフェクトをちゃんと載せてほしい!」これとても重要なことなので、ここに書いておきます。皆さんにも覚えて帰ってほしいことです。
本文でもそれぞれのカットに押山さん、小西さんのコメントが添えられているし、アニメーターによる座談会なども掲載されているので、読み応えもありますね。『ミロス』は映像ソフトにもアニメーター中心のオーディオコメンタリーが特典で入っているので、それを聞きながら副読本として手に取ることで、よりこの原画集が楽しめるかもしれません。
こうして原画だけでなく、その制作過程のやり取りが原画集の形で残ることによって、そこにあったものづくりの空気と、アニメが人間の力で作られている事実を伝えてくれる気がしました。
『ミロス』に参加していた人達が、今後の日本の作画アニメ界を支えていく人々になっていくことだろうと思います。そういう意味では、この本の本当の価値が分かるのは、10年、20年経った時に、この作品に参加していた人達の活躍を振り返った時かもしれないですね。掲載されている原画の内容やコメントを今楽しめるのはもちろんとして、この中に掲載されている人達の活躍がこれからも続いていくことで、末永く価値のある1冊になっていくと思います。
(『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星 原画集』<監修:小西賢一 押山清高>/スクウェア・エニックス/2,880円)
不定期アニメ日記
アニメではないですけれど、実写版『進撃の巨人』について。賛否両論ある映画ですが、ちらちらそうした反響を見ても、ちょっと違和感があって、その感想をここに書いてみようと思います。
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