■Fプロジェクト■
東日本大震災 証言アーカイブス

第0話「ごあいさつ」



 はじめまして。
 このブロマガは、東日本大震災の証言記録を残すために開設されました。

 2011年10月、『自由報道協会が追った3.11』(扶桑社)という書籍が発行されました。当時、自由報道協会に所属していたメンバー達が、東日本大震災からの半年間、日本の姿をどう捉えていたか、25人の執筆者のそれぞれの視点をまとめた一冊です。この本こそ、「Fプロジェクト」を実現するために発行されたものでした。
 以下、この本の書籍の巻末にかかれた言葉の引用です。

* * * * *
自由報道協会有志による
東日本大震災被災地支援プロジェクト
 東日本大震災に対して報道に携わる立場の人間として何ができるのか……。
 体力に自信のある者も少なく、重機を操れるなどのスキルもない私たちにとって、被災地で復旧活動をしても足手まといになるだけかもしれない。それよりもこれまで培ったノウハウを利用して、被災地を支援することはできるはず……。
 私たちが培ったノウハウとは何でしょうか?
 それは見て、聞いて、伝え、記録することです。そこで現在、自由報道協会有志は次のような支援プランを考えています。

○ワークショップ:取材の作法、ビデオ撮影の方法、文章の書き方、文章やビデオ編集のコツなど我われが培ってきたノウハウを伝え、被災地の人たちがその場の声を記録し、広められるように支援する。

○公開討論会:被災地の問題を現場で公開の場で議論・情報交換し、被災地の人びとの思いを全国に発信する活動をする。

○被災地アーカイブ:被災地で話を伺ったさまざまな人たちの証言、街の記憶、郷土の歴史をまとめ、後世に伝える。


 これらの活動は、「公的記者会見のオープン化」「パブリックアクセスの公平性」を目的にした自由報道協会の主旨とは異なるため、それまでご支援いただいたみなさまからの寄付金を充てることはできません。そこで、支援プロジェクトの活動資金のために、この本を上梓いたしました。本書で執筆した全員が、この趣旨に賛同し、無償で文章や写真を提供しています。そこで得られた印税は、同プロジェクトの予算として全額プールされ、有志たちによる支援プロジェクトの実現に活用することにしました。
 また、この活動は、あくまでも自由報道協会の諸活動とは切り離し、「有志の会」として独立し、その予算や活動についても、独立したものとして進めて行くことになりました。
 震災からこの間、ある者は被災地に行って災害の状況をその目で捉え、ある者は被災した方々の話を聞き、ある者は東京電力や政府という権力を監視し、ある者は復旧・復興の希望を伝えてきました。
 しかし、いまだ震災は現在進行形で続いています。これからも、長い時間をかけて、それぞれの「現場」で見たことや感じたことを報じていくことでしょう。それと同時に、刻一刻と変わる復興・復旧に合わせ、“私たちらしい支援”というものを通じて、別の側面から震災と向き合っていきたいと考えています。
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 現在は自由報道協会に残っているメンバー、協会から去ったメンバー、それぞれの立場で取材活動を続けていますが、購読者の方々とのお約束であるこれらの活動は、それぞれの責任で果たしていきたいと思っています。

 そこで、この一連の活動を「Fプロジェクト」と名付けました。
 そして、その「Fプロジェクト」の一環として、ブロマガ「東日本大震災 証言アーカイブス」を立ち上げた次第です。

 前述の通り、このブロマガは『自由報道協会が追った3.11』の印税を予算にして運営されています。寄稿者の中心は同書の筆者達ですが、それと同時に、「Fプロジェクト」に賛同してくれ、東日本大震災を取材し続けている我々の仲間のジャーナリストやライターも記事を提供してくれます。

 不定期刊行となりますが、毎月少しずつ、皆様の元へと記事をお送りいたしますので、「Fプロジェクト」の活動を末永く見守っていただければ幸いです。
 そして、こうした証言記録を残し、皆様が読んでいただく事によって、震災が風化しない一助となればと考えている次第です。

 よろしくお願いします。

自由報道協会 有志の会 被災地プロジェクト 賛同者一同



【追記】
「自由報道協会 有志の会 被災地支援プロジェクト」解散のお知らせ

 2012年12月末日をもって、「自由報道協会 有志の会 被災地支援プロジェクト」は解散され、この活動は休止となりました。ただし、当証言アーカイブは、このまま公開しておく予定です。「自由報道協会 有志の会 被災地支援プロジェクト」についての詳細につきましては、当該ブログをご参照ください。

 なお、今後、「自由報道協会 有志の会 被災地支援プロジェクト」に関する問い合わせにつきましては、下記のメールアドレスまでご一報いただければ幸いです。
[メールアドレス]information_project●mail.goo.ne.jp(●を@に変更してください)

 これからも私たちは、取材や支援ボランティアなど、個々の活動の中で東日本大震災に関わっていくことと思います。また、そこで私たちが見た被災地の様子は、様々な方法でアウトプットされ、被災地以外の皆様にも届けられると思います。
 今後とも、私たちの個々の活動を見守っていただけますよう、よろしくお願いいたします。

  2013年2月
  自由報道協会 有志の会 被災地支援プロジェクト 有志一同
  http://blog.goo.ne.jp/information_project