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M.Oさん のコメント

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M.O
今週も配信ありがとうございます。
中村哲医師の事件、数年前に発生したバングラデシュのダッカで発生したテロを思い出しました。
バングラデシュも親日国家として知られていたのですが、日本人のJICA関係者がテロで惨殺され、その時に『ライジング』で「対米従属が先人の財産を食い潰した」と批判していましたよね。
結局つながっていたんですね。
マスコミでは中村医師の功績を称えるのみで、ダッカのテロや本文で触れられている伊藤和也氏の事件と関連付ける報道は見受けられません。
ただただ、「中東は野蛮で怖い、理解不能」というイメージが膨らんでしまうだけの内容。
そういうスタンスが、「相手を理解しようとしない」という「分断」を引き起こしてしまうのに。
中村医師が「9条護持」を訴えておられて、正直な話「う~~ん……」と思っていましたが、現場で命懸けで「無私の精神」で行動をする人間と、口先だけの護憲派とは違うというよしりん先生の主張に納得がいきました。
「誰がどういう立場で物を言うか」によって、価値は全く異なりますよね。

木蘭先生の記事、新井紀子氏の新著『AIに負けない子どもを育てる』を読了したばかりなので、非常に興味深く読ませていただきました。
前著『AI vs. 教科書が読めない子供たち』は世間に大きな衝撃を与えたようで、新井氏が考案したRST(リーディング・スキル・テスト。記事内で引用されているAlexやアミラーゼの問題もその一部)に準じて独自に作成した読解力テストを、毎日のように生徒に解かせる学校が急増したそうです。
新井氏は「それはやめてくれ」と声を上げています。
RSTはあくまで診断ツールであり、これで高得点を獲ることが目的になってはいけない、と。
根本的に読解力を養うことが先決である、と。
そのために新井氏は、学校の授業の一部改革を提案しています。
具体的には、板書の方法論や国語の教科書内容の見直し、グループワーキングの重視などに言及し、特に初等教育においていかに「論理的思考力」「主観と客観の区別」「相手に伝える技術」などを学ばせることが重要であるかを説いています。
その他、国公立大学(特に旧帝大)の二次試験でどのようなことが起こっているのか、その現状についても述べられていますが、薄ら寒くなってきます。
もっとも、数学者として大成された新井氏の提言は、論理を重視しすぎていると感じる読者も多いのではないかとも想像しますが、当の大人が読解力を欠いているケースも多いわけですから、ある程度は真摯に受け止めるべきだと思います。
また、木蘭先生の記事にもデータが引用されていますが、「本を読んでいる」から読解力があるとは限らないということは、本書でも述べられています。
「自分と異なる立場・視点」の意見について、それを理解することが出来るか、そしてそれに対して論理的なコメントや批判を加えることが出来るか、という能力は、無自覚に読書するだけでは育たないし、ましてや同調文化のネット界では自覚することも出来なくなるでしょう。
よしりん先生が『ゴー宣』やブログの内容に対する批判について、よく「読解力がないのか、あるいはわざと曲解しているのか」という表現を用いられますが、恐らく十中八九「読解力がない」のが正しいのだと思います。
虫ケラのようなアンチも、ビッグネームの知識人も。
語句や字面だけを拾う読み方を、新井氏は「スワイプ読み」と称して批判していますが、彼らが揚げ足取りに終始するのも「スワイプ読み」しか出来ないからでしょうね。
そういうのは放っておくしかないですが、読解力を欠いたままに東大を合格した官僚になる人間がこれからさらに増えていくとするならば、それは非常に恐ろしい状況だと思います。
No.54
60ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
号外 2019.12.10発行 【目次】 1. ゴーマニズム宣言・第352回「中村哲を従米ポチはどう見るか?」 2. 泉美木蘭の「トンデモ見聞録」・第149回「子どもの読解力を崩壊させているのはなにか?」 第352回「中村哲を従米ポチはどう見るか?」  いまの日本人で、わしが心から凄いと思えて、文句なく尊敬できる人など滅多にいない。  そんな数少ない人物だった、ペシャワール会現地代表の中村哲医師がアフガニスタンで何者かに襲撃され、死亡してしまった。  本当に残念で、惜しまれてならない。  中村氏は九大医学部を卒業後、国内の病院勤務を経て1980年代半ばからアフガニスタンに近いパキスタンのペシャワールで、ハンセン病治療を主に扱う医療奉仕活動を始めた。ペシャワール会は、そんな中村氏を支援するため1983年に福岡で設立されたNGOである。  その後、政治情勢からパキスタンでの活動が困難になった中村氏は、拠点をアフガニスタンに移し、ハンセン病だけではなくあらゆる病気を診療するようになる。ハンセン病を特別扱いするのは先進国の発想であり、マラリア、赤痢など「伝染病の巣窟」であるアフガニスタンで、そんなことはやってられなかったのだ。  そしてさらに中村氏は、アフガニスタンに伝染病が蔓延している原因から正さなければならないと、ついに医療活動を超えた支援に乗り出した。  自ら陣頭指揮をして井戸を掘り、さらにアフガン伝統のカレーズという地下水路も修復。すると赤痢などの感染症は激減したのだった。  ところが2000年ごろからアフガニスタンを大旱魃(かんばつ)が襲い、地下水も枯渇してきた。そこで次に中村氏は用水路を建設して川から水を引き、砂漠の土地を緑化する事業を始めた。  そしてやがて砂漠は緑に覆われ、パキスタンなどで「旱魃難民」となっていた人々が戻ってきて、再び農業をするまでになったのである。  わしは雑誌「わしズム」7号(2003年7月25日発行)で中村哲氏と対談したことがある。  当時はイラク戦争の真っ最中で、アフガニスタンの現状がイラクの今後を占うと言われており、米軍の攻撃でタリバン政権が崩壊した後のアフガニスタンの状況は安定していて、イラク戦争も同様に成功するだろうという予測がメディアにはあふれていた。  だがそのとき中村氏は、メディアのアフガン報道は嘘とインチキだらけで、アフガンの治安はここ20年で最悪だと断言したのだった。   (SAPIO 2003.8.20/9.3)  対談の中で、中村氏はこう語っている。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!