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りゃんさん のコメント

アビガンが耐性ウイルスをつくりにくいっていうのは、作用機序からの演繹、さらにはインフルエンザウイルスではin vitroだけでなく、in vivoの第三相試験でも観察されているってことは承知しています。

一方、チャイナ肺炎ウイルスにたいしては、in vitroの研究はあるはずです(具体的には自分は追ってはいませんが)。しかし、第三相試験は、まだ未了です(すでに日本でも着手しており数か月後には終わるはずです)。中国ではそれに匹敵する試験がなされているかもしれませんが、詳細なペーパーにはまだなってないのではないでしょうか。なお、中国は、チャイナ肺炎ウイルスに関する全ての学術論文は特別な審査を受け中央政府に承認されなければ公表できないという規制が3月からかかっていると聞いています。

もし日本の第三相試験の結果を調べる中で、耐性ウイルスが出現しなかったとしても、それは決まった用量用法を守った結果であり、全国民に配れとか、無症状のときからのめとか、だれでも(結果的に)好き勝手にいい加減な服用のしかたで内服できる可能性を許せば、どういう結果になるのかは臨床試験の外です。アビガンはインフルエンザウイルスに対しても今のところは最終兵器ですから、第三相試験の結果チャイナ肺炎ウイルスに対して承認されても、たとえ早期投与であっても医師のかなりの監督下でなければ内服できないようなかたちになるだろうと個人的意見としては想像しています。

薬の承認のしかたというのは、それなりに失敗の歴史を積み上げたうえで、今のかたちにおさまっています。大局的にみれば、それを維持するのが国民の生命身体を守る道です。もっともアビガン承認は緊急案件ですから、観察研究をひろげるとか、第三相試験を急ぐとか等のやり方をとるのは、むしろ奨励されるべきことでしょう。しかし、あまりにも手続きを無視した議論は、無理筋だとおもいます。


No.9
55ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
A-1  過去どの様な指針を出してきていたか。 2月17日「受診目安「発熱 37.5 度 4 日以上」など示す 新型肺炎」(朝日) 「政府の専門家会議(座長 = 脇田隆字・国立感染症研究所長)は 17 日、医療機関の受診の目安をまとめた。発熱など風邪の症状が 4 日以上続く場合は、各地の保健所に設置されている「帰国者・接触者相談センター」に相談し、センターが指定する医療機関で受診するよう求めている。目安によると、発熱など風邪の症状があればまずは学校や会社を休み、外出を控えるように求めた。そのうえで、風邪の症状や 37 ・ 5 度以上の発熱が 4 日以上続く時は、相談センターに相談する。強いだるさや息苦しさがある時はすぐに相談する。高齢者や、糖尿病、心不全、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患( COPD )などの持病のある人、人工透析を受けている人は重症化しやすい。このため、 2 日程度症状が続く場合にセンターに相談する。」   A-2  事
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。