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【No.73】使用済み燃料プールからの取り出しや海洋放出議論など
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【No.73】使用済み燃料プールからの取り出しや海洋放出議論など

2020-08-04 00:23
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    木野龍逸の「ニッポン・リークス」
                       2020/8/3(No.73)
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    【No.73】使用済み燃料プールからの取り出しや海洋放出議論など
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    <スケジュールの遅れを取り戻すために計画を前倒し>

    使用済み燃料プールからの核燃料の取り出しが、なかなか思うように進みません。建屋上部が吹き飛んだことやメルトダウンしていないために放射線量が低かった4号機は、なんとか完了しましたが、放射線量が高いうえに、建屋の爆発時にガレキがプールに落ちて核燃料の集合体が変形するなどした3号機は、かなり手間取っています。

    東電の予定では、3号機の使用済燃料プールからの燃料取り出しは、2020年度内に終了する計画です。ところが燃料取り出しのための設備に不良があったり、多くのガレキがプールに落ちていたりで、当初の計画からは大幅に遅れています。

    それでも東電は、今年春に作業再開してからは予定通りに進んでいると強調しています。作業に係る人員を増やしたり作業時間を延ばしたりすることで、スケジュールに間に合わせようとしています。

    一方で、東京新聞の作業員日誌が伝えているように、どんな作業でも、スケジュールを早めていくと作業員に負担がかかります。3号機も例外ではありませんが、東電は詳細を発表はしません。

    現場の実態はなかなか伝わりません。新型コロナの影響で、従来から使っていた作業員の防護服が不足し、質の低いものに変更されていた時期が長く続きましたが、透湿性や耐水性の違いについて、東電からあまり説明はありませんでした。東京新聞は質の違いについて、作業員から、汚染があるのではないかという不安の声が出ていることを伝えていましたが、東電は批判を正面から受けとめていないようでした。

    こうした情報発信は事故後から一貫しているので驚きはないのですが、作業の質に影響があるのではないかという不安はつきまといます。

    東電は福島県の「労働者安全衛生対策部会」で、2019年度の労働災害の発生状況を報告しました。6月17日のことです。

    報告によれば2019年度は18年度に比べて災害人数は45.4%増、人数は22人から32人に増えました。災害の重大性は全国平均に比べると低い状況ですが、人数の増加は見過ごせません。基本的には熱中症が多かったという報告でした。

    ところが東電は、この報告書を、定例会見では一度も説明していません。福島県に報告した時にも、定例会見ではひと言も触れませんでした。7月2日の中長期ロードマップの会見時に、記者から指摘があり、ようやく説明をしました。
     
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