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うにさん のコメント

聴くのにある種の集中力を必要とする音楽と、何の気負いもなくただ楽しめる音楽は私の中でなんとなく分かれていて(生と死を同時に肯定するというフロイト的なモチーフとジャズとの間に共通するのはある種の理性や集中力かと思いますが、それが仮にジャズの敷居になっているとして、そのことと、フロイトが音楽を楽しめなかった?ことと何かしら関係があるのかな?と漠然と考えています)、菊地さんが様々な媒体で音楽を紹介される時、ジャズ的なものとポップス、両方に跨る音楽を紹介されるので、その跨りっぷりがカッコいいなぁと思っていました。

私はMy Little LoverのYESという曲がめちゃくちゃ好きなのですが、植木等さんの訃報に際して菊地さんがあの曲が何故か頭の中に流れるとラジオで語っておられたのがずっと記憶に残っています(ゼロ文を見てからYESのバンドスコアを買って見てみたら、メジャーキーなのになんとなく青い、暗いイメージなのは、メロディがブルーノートスケールになっているからなのかな?と思いました。)。同じ時期の第一期DCPRGのライブのアンコールではDCPRGのSを植木等さんに捧げておられて、その2曲とも私は特別に好きだったので、植木さんを通して結びついています(植木さんのことは小さい頃にテレビで見た漠然とした記憶しかないのですが、その2曲の印象とは全く関連性を見いだせません)。

「キスのやめかた」を聴いた時も、跨ぎ越えた感があったのと同時に、盲点に気付いた感じというか、これが欲しかったとは夢にも思わなかったけど、聴いた今となってはこれが欲しかったとしか思えない、という感じが強くありました。浮気、というイメージでポップスに対するスタンスを語られていますが、私にとって菊地さんがポップスを出してこられる時には、盲点を突くような跨ぎ越え感が伴うことが多いように思います。
No.19
37ヶ月前
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 今、坪口のトリオが演奏を始めたところだ。僕はピットインの控え室にいる。さっきまで、藤井さんと坪口と菊地雅章くんと三人で旧交を温めていた。菊地(雅)くんと藤井さんは喫煙者なので、控え室がモクモクである。一昨日のオーチャードホールが実は今年最初のライブだったので、今日が2回目になる。開口一番、藤井さんは「猛烈に久しぶりだねえ」と笑った。「藤井さん良く生きてましたね笑」「オレも菊地がどうしてるかなあと思ってたよ」「ポンタさんがねえ」「あいつ、オレより一つ上なんだけだから」「まあもう」「誰が死んだっておかしくないよな笑」「そうですね笑」「オレ、ずっとスティックも握ってなかったから、、、、、叩けないよダッハハハハハ」「オレもそうですよ笑」「え。菊地、またタバコ始めたの?」「はい笑」「一本、、、」    藤井さんが手を伸ばしたので、箱から一本だけ飛び出させて渡し、藤井さんが咥えるタイミングで150円
ビュロ菊だより
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