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Dr.Uさん のコメント

>>47
やギさん。そうじゃないんです。
たしかに私は、男系固執派の理屈を正確に理解することは不可欠だと思い、その理屈をこのコメント欄で自分の言葉で説明してきました。でも、それよりも、もっと言いたいことがあるんです。

🐇🐇🐇…

男系固執派は、少なくとも「男系」が何を意味するかを明らかにしたうえで「万世一系」を主張しています。

それに対して、小林先生も高森先生は「男系」の定義を変更して、その変更したことを明らかにしないままに「ほら、元明→元正は『女系』の継承じゃないか、万世一系なんて破綻してるじゃないか」と主張されているように、私の眼には映ります。

それは、言論のルールに反していませんか? 

何度も繰り返しますが、男系固執派の定義では、男系の人間とは「自らの血筋を父子関係のみを遡って神武にたどりつく男性・女性」のこと。その定義に基づく限り、その枠組みにしがみつく限りでは、「元明→元正」の継承は「女系」ではなく「男系」。

それに対して、小林先生や高森先生は、別の定義を持ち出します。そこでは基本的に、男性の天皇からその子(B)へと、つまり父子間の皇位継承がなされた場合、それは「男系」の継承であり、Bは「男系天皇」とされます。逆に母子間で継承がなされた場合は、「女系」継承であり「女系天皇」とされます。

そんなふうに、相手の定義と異なる定義を自分たちは用いているということを、きちんと断らないままに、相手の議論は破綻しているなどといって勝ち誇るのは、おかしいでしょう?

そういうことを、言いたかったんです。

🐇🐇🐇…

 あとは、蛇足かもしれませんが、素朴な疑問が。高森先生の定義では、父子間や母子間の継承はそれぞれ「男系」「女系」継承と呼べばいいとして、兄弟間、従妹間、伯父と甥の間、直系ー傍系間の皇位の継承は、なんと呼べばいいのでしょう。
 先のトッキーさんのブログには、高森先生のお考えが以下のようにまとめてありました。

1・男系継承とは、皇位継承者の資格を皇統に属する男系の人物に限定すること。
2・女性天皇でも、男→男→男→という形で皇室の血統を受け継いでいれば「男系継承」。
  歴史上の女性天皇の多くはこのケース。
3・女性天皇の血統を受け継ぐ人物Aが皇位を継承すれば、その人物の性別に関係なく女系継承。
  元明天皇→元正天皇がこのケース。
4・Aが男性であれば、その子Βの継承は厳密な概念規定では男系継承。
  Αが女性で、その子Вが継承すれば女系継承となる。
  元正天皇は独身なのでそうなっていない。
  次に即位した聖武天皇は文武天皇の男子なので男→男で男系継承。

 …この4のところに注目すると、元正天皇の後で、その甥の聖武天皇が即位したケースは、聖武天皇が「文武天皇の男子なので」男系継承、とされています。ここでさらに3に注目してみると、「女性天皇の血統を受け継ぐ人物Aが皇位を継承すれば、その人物の性別に関係なく女系継承」とあります。「女性天皇の血統を受け継ぐ人物が…」とあるので、女性天皇の子供だけでなく、その孫や曾孫が即位したような場合も、その即位は「女系継承」ということになるわけですね。
 ならば、武烈天皇のあとに傍系の継体天皇が即位したケースや、女帝・称徳天皇のあとに天智系の光仁天皇が即位したケース、さらにはもしも今上陛下のあとに悠仁様が即位するようなことがあれば、いずれも「男系継承」ということになるのでしょうね。

 …? ということは、高森先生の定義では、「元正→元明」のケースは、父子間や母子間の継承をそれぞれ「男系」「女系」とするという定義に基づいて「女系」継承とされたわけだけれど、上の「武烈→継体」のようなケースは「男系とは父子関係のみをたどる血のつながりという(男系固執派が用いる)定義に基づいて」それは「男系」継承とされるわけですね。

 ケースバイケースで、定義を使い分けるということでしょうか。「元明→元正」のケースでは、自分たちの定義を用いて、それを「女系」継承と呼ぶ。それ以外の「武烈→継体」のようなケースでは、男系固執派の定義を用いて、それを「男系」と呼ぶ。そういうことなのかな。

うさぎより
No.62
17ヶ月前
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第453号 2022.11.22発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…11月7日、財務省の財政制度分科会・増田寛也会長代理が記者会見を行い、コロナワクチンの全額国費負担について、廃止を検討すべきだと述べた。財務省は、コロナだけを特別扱いし、多額の国費を割いている現状に問題があると指摘しており、ワクチンだけでなく医療の面でも特例的な措置については見なおすべきだという「厚労省批判」ととれる見解を発表。ワクチン接種そのものに反対しているわけではないが、財務省が財政制度審議会に提出した資料は、なかなかの内容だったので、今回はそれを紹介する。 ※「ゴーマニズム宣言」…前回はGHQが占領下で行ったとされる「洗脳」について検証した。そもそも、日本人ほど洗脳されやすい国民っていないんじゃないか?なぜなら日本人は、とにかく「空気」に弱い。山本七平は「空気」と言ったが、もっと具体的に言うと、それは「世間」だ。さらにその空気を作る際には、「外圧」が影響力を発揮することもよくある。新コロの場合でいえばWHO、歴史認識の場合はGHQといえる。日本に「自虐史観」が浸透してしまった“日本人らしい”理由とは何なのだろうか? ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…マスク警察に遭遇することはある?コロナ感染者増加をどう見る?公明党がモデルナの工場を日本に作らせるらしい!?海外での高額な手術のためカンパを募るのも生命至上主義?統一協会が養子の采配までしていたことをどう思う?ウクライナ戦争でロシアが負けたら、ロシアが分割されることは有り得る?寺山修司をどう評価している?…等々、よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第276回「財務省、怒る。コロナ特別措置はいい加減にしろ!」 2. ゴーマニズム宣言・第482回「WGIPと世間の空気と自虐」 3. しゃべらせてクリ!・第409回「深まる秋、格調高く読書の秋ぶぁい!の巻【後編】」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 編集後記 第276回「財務省、怒る。コロナ特別措置はいい加減にしろ!」  11月7日、財務省の財政制度分科会・増田寛也会長代理が記者会見を行い、 コロナワクチンの全額国費負担について、廃止を検討すべきだ と述べた。  財務省は、コロナだけを特別扱いし、多額の国費を割いている現状に問題があると指摘しており、ワクチンだけでなく医療の面でも特例的な措置については見なおすべきだという「厚労省批判」ととれる見解を発表。  ワクチン接種そのものに反対しているわけではないが、財務省が財政制度審議会に提出した資料は、なかなかの内容だったので、今日はそれを紹介したい。 ●2022.11.7 財務省 財政制度分科会 議題「社会保障」配布資料 https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20221107.html  今回、財務省は、「ウィズコロナへの移行と全世代型への制度改革」を掲げ、社会保障の現状について精査している。  まず、現状の日本では、今後3年間で後期高齢者が急増する一方、 コロナによって少子化が加速したことで、人口減少が、推計されていたものよりも7年程度前倒しされている状況である と報告。    人に会うな、近づくな、人を見たらコロナと思えと喧伝し、経済はわざわざ悪化させる一方で、不安が膨らむばかり。おまけに、妊婦は強制PCR&帝王切開という扱いだ。躊躇する夫婦も増えただろうし、出生率が下がるのは当然だろう。    さらに、2番目のグラフを見ると、後期高齢者人口の増え方が、今年以降の3~4年間で急角度の右肩上がりになっているのがわかる。1947~49年の第1次ベビーブームで生まれた団塊の世代が、ごっそり75歳以上のゾーンに入るからだろう。  このうち一定の割合が、毎年寿命を迎えて死んでいくことになる。  コロナでは、他国に比べて死者の出なかった日本だが、これからは避けようのない寿命を迎え、毎年どんどん死者数が増えることになるわけだ。 「あれだけ自粛を強いて、経済を犠牲にし、一体なにを守ったんでしたっけ?」 という話である。  また、この後期高齢者人口の急増については、話題の「超過死亡」について捉えるとき、頭のなかに置いておかなければならない点でもあると思う。(※今回は超過死亡についての記事ではないよ!) 「コロナによって少子高齢化が、ますます加速したぞ!」「今後は後期高齢者が急増だ!」と印象づけたあと、財務省は、「新型コロナの重症化率等の推移」について独自に分析した結果を発表。 〇オミクロン株への変異により、感染者数は大きく増加したものの、重症者数は減少している。 〇直近の新型コロナの重症化率等については、季節性インフルエンザの比較も含め様々なデータが示されており、これらを踏まえて今後の政策を検討していくべきである。    出所は、厚労省のオープンデータだ。武漢株、デルタ株の時期よりも、現在ははるかに新規感染者数が増えているにもかかわらず、重症者数はそれに比例して増えているわけではないことがよくわかる。  さらに、東京における第7波の致死率をズバリ。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!