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中庸左派さん のコメント

 警官に射殺されたのはアルジェリア系フランス人だった。

 となると、暴動の背景には移民問題や、その問題の延長にある貧困、格差だろうか?そのことにより、フランスは社会統合に綻びがあり、白人多数派の偏見や抑圧にさらされる移民層という構図をイメージしてしまう。

 それでも、フランスは比較的移民に寛容なイメージであった。

 ここでちょっと目先を変えるのだが、イタリアは極右と目されているメローニが首相。移民に厳しい政策を掲げ、EUの雄、フランスとの対立も辞さない。

https://forbesjapan.com/articles/detail/52137/page2

 メローニは、首相になる前、3年前くらい前に演説した内容が、首相就任後ネットで世界的に拡散して話題になったという。

 メローニが演説で指摘したことは、次のようなこと。

 ①セーファーフランの発行権はフランスが握っている。これはユーロに固定されていて、アフリカ諸国の発展を阻害している。

 (※この点は、次の記事が分かりやすいので、リンクを貼り付けるhttps://forbesjapan.com/articles/detail/52137/page2)

②アフリカの最貧国ブルキナファソは金が採れるのだが、その利益の50%をフランスに吸い上げられている。

 メローニはこういうやり方は、フランスの新植民地主義だ、と批判している。

 メローニの主張は、そもそも移民受け入れではなく、アフリカの経済発展を阻害する要因を取り除く、即ち搾取しないことが重要で、アフリカの経済発展に協力することにより、移民が欧州に来る必要性がなくなるようにすることだ、というものだ。

 この主張自体は一理あると考えている。

 フランスの暴動はブリュッセルに飛び火したとのことだ。

 EUの雄、フランスでの暴動、EU本部のあるブリュッセルでの暴動。移民をキーワードにした政情不安は、EU各国共通なのではないか?

 そこに、ウクライナ難民も加わる。EU崩壊の序章なら、それはそれで良いのではないか、と考えてしまう。

 欧州は植民地主義の発想から抜けきれていないなら、自滅してやり直すくらいのことは必要ではないか。

 ロシアの特別軍事作戦により浮き彫りになったのは、西欧文明や西欧的価値観の欺瞞、みたいな印象をもっている。
No.6
16ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。