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秋元強真との次期王座挑戦者決定戦が目前に迫った元谷友貴インタビューです!(聞き手/松下ミワ)


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――
大晦日の秋元強真戦目前ですが、じつは元谷選手って今回で10回目の年末興行出場なんですよね!

元谷 えっ、そんな出てますか? いや、そんなに出てますかね?

――
2014年末のDEEP DREAM IMPACT 2014を含めると、今回でちょうど10回目です。不出場だったのは2017年のRIZIN大晦日だけです。

元谷
 「RIZINで出てない年があるよなー」とは思っていたんですけど、1回だけだったんですね。もっと出てないかと思ってました。

――
元谷選手は大晦日だけじゃなくてRIZINやDEEPでフル回転してますし、本当に凄いキャリアです(笑)。

元谷
 自分でも意外ですね。まさかこんなに長く続けるとは思ってなかったというか。

――
そうなんですか?

元谷
 RIZINに出始めたのが25~26歳の頃で、そのときは「やっても30歳ぐらいまでかな」と。まさか10年後の35歳までやっとるかな? って感じだったんですけど、時間が経ってみると意外とあっという間ですね。

――
正直、元谷選手が格闘技をやめるのは想像しづらいですもんね。

元谷 自分でもまだ大丈夫な気がしています。身体的にはぜんぜん大丈夫なんですけど、あとは気持ちですよね。気持ちがどこまでついていけるのか。やっぱり負けたときに「もういいか」となるのかどうか、そこだけですね。

――
年の瀬が差し迫っている中で、やっぱり大晦日独特のザワザワ感みたいなのはあるんですか?

元谷
 いや、今回はとくにないんですけど、大晦日はいつも「早く試合が終わってほしいな」と思ってます(笑)。

――
ハハハハハ! 聞くところによると、試合が決まる前に早々にアメリカにわたってアメリカン・トップチームで練習していたそうで。

元谷
 秋元選手に決まる前は、相手がずっとわからなくて。試合が決まるとも言われてないけど、決まるかもしれない思ってたので。一応、なんかありそうやなーという感じやったんで、一応練習しておかないとという感じでした。

――
対戦カードについては、最初はやはり井上直樹選手が候補だったんですかね?

元谷
 井上選手も打診されて、もしかしたら……となってたんですけど、結局二転三転して秋元選手になった感じです。

――
じゃあ、秋元選手に行き着くまでに意外と紆余曲折あったんですね。

元谷
 そうですね。「この選手かも」「いや、この選手かも」という中で決まりました。

――
最終的に秋元選手の名前が挙がってきたときはどう思いました?

元谷
 やっぱり注目度があって凄くいい選手だと思うんですけど、なんて言うんですかね、まだ誰も知らないというか、得体の知れないちょっと不気味な感じはありますよね。どんなもんなのかな、という。

――
いきなり元谷選手との対戦が決定して、俄然注目カードになってます。

元谷
 たぶん、それはRIZINが秋元選手を“激推し”なんだと思います。

――
ハハハハハ! “激推し”選手を当てられる気持ちってどんな感じなんですか?

元谷
 いや、でもそこで勝てさえすれば逆に自分がオイシイんで。これは、凄くいいカードだなと思ってますね。

――
元谷選手のコメント聞いていると、秋元選手のことめちゃくちゃ評価されてますよね。

元谷
 一応プロデビューした16歳ぐらいの試合から見たんですけど、凄いうまいですよね。めちゃくちゃうまい。「ああ、こんなうまいんや」と思って見てました。

――
それは、とくにどのへんがでしょう?

元谷
 やっぱり全部がバランスがいいし、打撃も強くて、テイクダウンもしっかり細かい技術があるし、「ああ、こんな取り方するんや」みたいな。寝技もグランドもけっこう丁寧なんですよね。やっぱりパラエストラ千葉ネットワークでしっかり鍛えた成果というか、凄くしっかりした技術があるなと思いました。

――
それに対して、元谷選手は公開練習とかでもまったく手の内を明かさないという(笑)。

元谷
 フフフフ……。

――
ファンに自分の選手カードを配るという謎の公開練習でした!

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元谷
 本当にあのときは何も考えてなくて。ミットの相手もいないですし、「何しようかなー」と思ってたときに、控え室で自分の選手カードをもらったんで、じゃあこのカードを配ろうと。

――
秋元選手も少しでも元谷選手の動きからヒントを得たかったと思うんですけど、あんな感じだったので苦虫を噛み潰したような微妙な顔をされていた感じで。

元谷
 まあ、もう成り行きでしたね。1分30秒間シャドーをしても「なんやろうな」という感じになるんで、なんとかカードを配って30秒ぐらい潰れたらいいなと思いながら。

――
じゃあ、手の内を明かさないためではなく、切羽詰まってあの公開練習になってしまったということなんですね。

元谷
 そのとおりです(真顔で)。

――
でも、秋元選手って15歳から人生すべてMMAに振り切ってるわけですが、18歳でここまで来れるというのはやっぱり凄いですか?

元谷
 いや、相当凄いと思います、しかも、やっぱり頭がよくないとあんな感じで吸収できないと思うんで。

――
なるほど、考えながらやっていると。

元谷
 と思います。凄く頭を使ってしっかり練習してますよね。そう感じるぐらいテクニックが細かいんで。

――
そういう意味では、平良達郎選手や鶴屋怜選手、神龍誠選手など、いまの若い選手ってMMAファイターとして完成するまでみんな凄く早いなという印象があるんですけど。

元谷
 やっぱり若い頃からパッと始めたものは吸収がいいんですかね? いままでだと大人がMMAを始めるとか、柔術を始めた流れでMMAをやるとか、そういう感じの人が多かったと思うんですけど、やっぱり10代からそれに興味を持ってやるって……それに10代って時間あるじゃないですか。

――
たしかに(笑)。

元谷
 その時間を使えるのも大きいのかなと思いますね。

――
ただ、そこは元谷選手もMMA始めてDEEPのタイトルを獲るまで相当早かったですよね。

元谷 自分の場合はプロデビューして1年でベルトを獲ったんで、MMAを始めて2年ぐらいですかね。

――
それは、なんでそんなに早く獲れたんですか?

元谷 自分は運がよかっただけです。本当に。あと最初に通ってたジムの練習が凄くよかったんだと思います。ジムのシステムだったり、やっぱクラスでの追い込みもそうですし、全体的にMMAとしていい面を学べたような気はしてます。

――
当時、石川にいるときにYouTubeを見ながら研究していたということも話されてましたが、若い選手ってそのへんの情報がめちゃくちゃあふれてるというところも早く強くなれる一因だったりするのかなと。

元谷 ああ、やっぱりYouTubeはいまでも見ますし、そこで研究するのは凄くいいことだと思います。自分も最初は柔術のジムだったんで、柔術の技術はしっかり教えてもらったんですけど、競技としてのMMAを学べたかというとそうではなかったんで、やっぱり細かいところはYouTubeで見てましたね。

――いまの若い選手は、最初からそういう情報があふれている中で研究できるというのは、なんか羨ましく感じるところもあります?

元谷
 でもまあ、そんなもんじゃないですか? それに、自分はわからなかったからこそよかった面もありますし。簡単に情報が手に入らないぶん、自分の探究心というか「どうやったらできるのか」というのを、ずっと探して、探して、見つからなくて、いまアメリカに行って「こうやるんだ」という発見があったり、そこがつながってきてたりして、そういう意味での楽しさもありますしね。

――
自分で考えて探求することも大切なんですかね。

元谷
 それがつながったときが本当に面白かったりします。

――
そういう意味では、いまATTでの練習はめちゃくちゃ楽しいんじゃないですか?

元谷
 めっっちゃくちゃ楽しいです!

――
いや、それが凄く伝わってきます! 

元谷
 もう、めちゃくちゃ楽しい。やっぱり、なかなか日本じゃわからなかった技術とか、こんだけ長くやってても掴めなかった技術が、意外と「あ、こんな感じなんや」とか答えがわかりやすいですね。そこは世界王者が取り入れている技術やし、それを習得して試せる相手も世界トップレベルなんで。もう、何にしてもわかりやすいです。


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