森口尚史ブロマガ NO.3 2013/5/8
ヒトiPS細胞利用の創薬(Vol.1)
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2013年、日本ではGWの真っただ中、また「iPS細胞」実用化に関するNewsが各報道機関から報道された。「止血剤:iPS細胞から作製、生産へ」(毎日新聞2013年05月02日 19時23分)、「iPS細胞で創薬 京大・東大VB、止血剤18年にも量産」 (2013/5/2 2:01日本経済新聞)などなどである。
たとえば、毎日新聞の記事の「見出し」だけを見れば「えっ?、もう、ヒトiPS細胞を使って新しく有効な止血剤ができたのか?、そして、それが当局に承認されたのか?」と勘違いしそうだ。
しかし、記事をよく読めば、京大と東大の研究グループによるバイオベンチャー企業が、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から血液成分の血小板を作製し、外科手術や出産時などに使われる新たな止血剤の生産に乗り出すとのこと。そして、(うまくいけばだが:筆者注)iPS細胞から医薬品を大量生産する世界初のケースとなり、早ければ2015年から臨床試験を開始、2018年にも日米で販売に乗り出す計画だそうだ。
・・・な~んだ、まだまだ、これから「開発する段階」ではないか・・・(笑)。
新薬の開発は、ここからが「真の難所」なのに…。もちろん、患者さんのために、うまくいくことを願っていますが。
今回の報道のような若干、スポーツ紙並みの「飛ばし記事」的な「見出し」のつけ方は「まさにHypeの典型」であり、あまり好ましくないのではないか?・・・と思う。報道機関としては新聞を買ってもらうための「戦術」として「刺激的な見出し」をつけるのだろう。
また、各社の記事も上述のベンチャー企業が利益(株などでの経済的利益)を得るための「提灯記事」なのかな?(笑)。
総じて、いつぞやの「騒動」でマスコミが得られたはずの「教訓」は、もはや胡散霧消したかのように見受けられた。
皆さん、「ぎりぎりの線」で相変わらず、いろいろとやるのだね(笑)。本当に「お金」のこととなれば、人間は「頭の回転」が光速になるようで・・・(笑)。