
--今日はお仕事終わりですか?
misuji:仕事終わりです。
--えっと、最初に。このVISUNAVIニコニコちゃんねるのインタビューはお酒飲んだり、タバコ吸いながらで全然オッケーなんでご自由に。
misuji:やったー!
--さて、最近の色々な十字架の活動としてはいかがでしょう。昨年の東京キネマ倶楽部ワンマンがソールドアウトで大成功だったり、ヴィジュアル系界隈で非常に受け入れられてきてるなという印象があるんですけど。
misuji:なんですかねえ。tacato.くん以外ヴィジュアル系バンド自体をやるのも初めてで“こんな状況あるんや”みたいなことにはじめは驚きつつやってたんですよ。いや~自分たちみたいなもんが…みたいなスタンスでやってたんですけど、2023年にはリキッドルームでワンマンやったりですとか、MUCCさんの「LoveTogether」ツアーやバグサミに呼んでもらったり、自分たちのワンマンもキャパが上がっていったりとか、徐々に受け入れられてるんだなと思えるようになってきましたね。昨年のキネマ倶楽部ワンマンのソールドアウトもですし、ヴィジュアル系を始める前から知ってたようなバンドさんから気に入ってもらえるのはめちゃめちゃ嬉しいですね。ビックリしてます。僕はヴィジュアル系を通ってきてないんですけど、ちゃんとヴィジュアル系バンドとしての自覚を持たなきゃなってなったのがここ2年くらいですね。他のメンバーもそうやと思います。
--元々、色々な十字架のお客さんっていわゆるヴィジュアル系界隈の方が中心ではなかったですよね?
misuji:えっとね、それが実はあんまりお客さんの層をちゃんと把握してたわけじゃないんですよ。昔ヴィジュアル系が好きで、なんかで色々な十字架を知って、懐かしくなって通うようになってくれたっていう人だったり、そんなにヴィジュアル系として捉えず面白いことやってるバンドがいるなっていうので来てくれた人が多かったんじゃないかなとは思います。
--DIR EN GREYのShinyaさんが注目されていたことは知ってます?
misuji:知ってます!しし者(色々な十字架のファン)の方が“ディルのファンクラブの会報に載ってたよ!”って教えてくれたりして。あとShinyaさんのYouTubeの配信で“最近気になるバンドは?”って問いに色々な十字架って言ってくださってて、その時は僕らのスタッフとかも含めたグループLINEでめっちゃ盛り上がりました。なんかもう冗談ですよ?本当冗談ですけど、俺も気になってるバンド誰?って訊かれたらDIR EN GREYって言おうとかって思いました(笑)。大失礼すぎて絶対ご本人に伝わっちゃいけないジョーク言ってましたね。
--いや、でもDIR EN GREYですからね。それぐらい舞い上がるのがむしろ自然だと思いますよ。
misuji:まぁDIR EN GREYですからね。ヤバすぎますね。
--大きなイベントでいうと、この前「バグサミ2025」もありましたね。
misuji:なんか味方がめっちゃ多くなってましたよね。十字架を楽しみに来てくれてる人というか。おそらく以前だったら、色々な十字架を好きな人が前の方にいて、後ろの方は次のバンド待ってるみたいな感じの状況になってたんだろうなって思うんですけど、今年は至るところで「GTO」のコールアンドレスポンスが起きてて、すごい嬉しかった。あと「GTO」がやたら知れ渡ってきてるんだなってのも感じます。
--これまでは色々な十字架ってバンドなんか面白そうだけど、どう楽しんでいいかわかんないっていう感じだったんですかね?
misuji:あ、そうですね。それこそたくさんのお客様の前でやった時で言うと、2023年の大晦日の「V系って知ってる!」のEX THEATER ROPPONGIのときは全然違う景色でしたからね。
--たしかに。懐かしいですねぇ。
misuji:もちろん十字架のお客さんがいるなっていうのも見えたんですけど、初めて見たであろう他のバンド目当てのお客さんがすごい気まずそうな顔で下向いてて(笑)。
--あははは!
misuji:一緒に来てる隣の友達と“あれ?笑っていいの?”みたいな顔でいるのが見えて、それはそれでね、めっちゃ嬉しいんですよ。なんか逆にブチ上がるんですよね、こっちは。
--tinkさんもよく言ってますよね。受け入れられてない時の方が燃えるって。
misuji:味方がいるのも超ブチ上がるし、敵なんてもちろんいないですけど、十字架の楽しみ方はまだわかんねえな~みたいな人がいる状況っていうのは燃えますよ。「バグサミ」だって最初に出させていただいたときは秩父で、2ステージあるうちのキャパ的には小さい方のステージだったのに、その2年後(2024年)には2番目に広いところに入れてくださって。それがさらに広がったのが今年の「バグサミ」でしたね。BugLugさんには頭上がらないですよ。
--セットリスト的には最後「LOST CHILD」だったと思うんですけど、旧来の色々な十字架イコール「凍らしたヨーグルト」であったり「TAMAKIN」っていうイメージの二歩先三歩先が今描けてますよね。フックが増えたというか。
misuji:そうですね。
--十字架はずっと上り調子だと思うんですけど、きっかけになったポイントってやっぱ2ndアルバム『1年生や2年生の挨拶』なんですかね?
misuji:いや、えっとね2ndアルバムよりちょっと前だと思います。明確にめっちゃ受け入れられた感覚っていうか、仲間が増えたなって思ったのは「LoveTogether」ですね。MUCCさんのツアーに呼んでもらったあたりがポイントだった気がします。ちょっとずつお客さんが増えてはいたんですけど、あそこでグッと変わった感じがしましたね。
--MUCCのお客さんってあれだけ多岐に渡る楽曲を浴びてるから耳も肥えているのに、なにより音楽の楽しみ方をすごく知ってますよね。感度がめちゃくちゃ鋭い層の方たちだと思うんです。
misuji:それはすっごい感じますね。受け入れてもらえるスピードもですし、このバンドはこうやって楽しんだら面白いなってすぐにキャッチしてもらえた気はします。
--ちなみに全然話変わるんですけど、misujiさんは会社勤めをされながらバンドをやっているじゃないですか?
misuji:はいはい。
--会社の方は、同僚の伊藤さんが色々な十字架のmisujiだっていうことは知ってるんですか?
misuji:あー、なるほど。嫌な漏らし方をしない人にだけ教えてます(笑)。別にサラリーマンをやりたくてやってるわけではないんですけど、バンド活動をやりすぎて仕事がおざなりになってんじゃないの?みたいな見方をしてきそうな人にはあんまり言わないですね。ちゃんと応援してくれるような人にしか言わないです。
--今ちょっと初めて聞いたんですけど、別にサラリーマンをやりたいわけじゃないってことは、やっぱりバンドを続けていくために会社員っていう形も守ってるって感じなんですかね?
misuji:あ、そうです。勘違いされやすいのが、“まあ趣味でやってるんでしょ?”みたいな風に思われがちなことで。いや、そうじゃないんだよなって。バンドやるために仕事やってるし。趣味や暇つぶしとか土日の余暇として色々な十字架をやってるつもりは全くないです。これは言っておきたいですね。
--そこはライヴ観た人なら納得するんじゃないでしょうか。実はtinkさんも歌がどんどん良くなってるし、演奏力に定評があるのにkikato様はSNSで“十字架で納得できる演奏をできたことがない”とか発信してるし。ストイックなバンドだってことは伝わってると思うんですけどね。
misuji:だからこそ、そういうところに気がついてくれて早いうちからライヴに誘ってくれた方たちは感謝ですね。Ashmaze.もBugLugさんも山内さんもね。
--ところで9月23日には明日の叙景と2マンもあります。
misuji:これ正直に言っていいですか?僕自身は明日の叙景を知ったのはメンバーに教えてもらってだったんですよ。あ、こんなかっこいいバンドいるんだと思って。楽しみですね。dagakiがすごい好きなんですよ、明日の叙景を。
--tinkさんもライヴを観に行ったりしてましたもんね。
misuji:そうですね。こうやって様々なジャンルのバンドと交われるのも十字架の個性だなと思っているので楽しみです。うちとしてもこの日は新しいものを提示できるように準備はしてます。
--公演タイトルが「合いがけカレーの真ん中のスペースに駐車したリムジン」とのことですが、どんなメッセージが込められているんでしょう?
misuji:えーっと、合いがけカレーってのがあるじゃないですか?その…ライス…まぁ米が真ん中にあってカレーで挟まれているような形なんですけど、カレーの印象が強い中、その、やっぱライスがちょっと浮いてるというか、あんまりそのライスの印象がないんですけど。なので、まぁそこに車が駐車したんですけど、それがたまたまリムジンだったっていう話なんじゃないかなって今思ってます。
--なるほど、よくわかりました。
misuji:実際のこと言うとね、6月のumbrella主催の路地裏サーチライト大阪BIG CATのステージでこれを発表したんですけど、tink以外のメンバーは誰もタイトルを知らなかったんですよ。
・路地裏サーチライトの経験
・恋人もいないし結婚願望もない
・ポルノグラフィティの「Mugen」で音楽に目覚めた
・中3で立ったBAYSIDE Jenny
・上京して住んだ読売ランド前の1K
・オリジン弁当で出会った“あの男”_____<会員ページへ続く>