
Photo:A.Kawasaki / masa
9月30日に自身初のホールワンマンを開催し、10月8日にはフルアルバム『CRY MORRY』をリリースしたMAMA.
今作を引っ提げたロングツアーも決定したが、ここから先は恐らくバンドにとっても重要な分岐点になるだろう。
今回はそんなバンドからミステリアスな存在感を放つ、かごめにこれまでの経歴と今思うことをきいてみた。
一番最後に彼が残した言葉がとにかく印象的だった。
--10月8日にフルアルバム『CRY MORRY』がリリースされました。今年を象徴する快作で、感想としてはさすがMAMA.だなってところに尽きます。
かごめ:でしょ?俺らとしても手応えは相当ありますね。バンドの形っていうか方向性が定まってきて、MAMA.ってこういうバンドだぞってものになったと思う。ある種ジャンルを確立した気がします。
--『ANIMISM』も『NOPE.』も鮮烈だったんだけど、より明瞭になった気がしますよね。MAMA.っていうバンド自体がシングルとか1曲で判断できるものではないんだなってことも改めて感じさせられます。
かごめ:今まではたとえば10曲あるとしたら、それぞれに色をつけてたと思うんですよ。それが『CRY MORRY』では収録されている12曲すべてに色をつけてる感じ。だから曲調は違っても統一感がある。それがそういう感想に繋がるんじゃないですか?今まではちょっと飛びぬけてるカラーの曲もあったけど、今回はすごくまとまってる。自分たちがどういうバンドかを見つけたと思います。
--今年入ってから急激に方向性が見えてきた印象はたしかにあって。「WITCH??」あたりからすごく顕著で。
かごめ:うん。
--正直「WITCH??」のデモを聴いたときにずいぶんワケわからない曲作ってきたなと思ったんだけど、メンバー全員が曲に対してすごく自信を持ってたじゃないですか?結果的にそのあと出た「僕は宇宙のゴミ」で、なるほどって腑に落ちたんです。どんどんワケわからなくなっているんだなって。
かごめ:自然に向かっていった感じなんですけどね。狙ったのは2割ぐらい。とにかくこのバンドは世界観がすべてだなって答えに辿り着いてからは、やるべきことがハッキリしたんですよ。小文字mama.時代だと「業」がそういう存在なんだけど、ああいう世界観をもっと今の自分たちで深めていこうってなりだしたのはちょうど「WITCH??」のタイミングだったかも。
--9月30日のホールワンマンはどうでした?
かごめ:バンドとして世界観も表現できたし、今出せるベストのライヴだったと思います。でも、やりたいことはいっぱいあるし、まだ俺らも進化の途中だからこんなもんじゃないぞって気持ちも同じくらいあるかも。ホールってバンドもお客さんもすべてがひとつになって臨場感を生むものだなって感じたんですよ。ライヴハウスはバンド対baby.(MAMA.のファンの呼称)みたいなアツさもあるけど、ホールはもっと俺らとbaby.で一緒になってエネルギーを生み出せたらいいなと思った。もっといけると思う。ホールのライヴはまたやりたいですね。
--今日はかごめさんっていう「人」についても詳しく伺っていきたいと思ってます。
かごめ:やめてください。
--やめません(笑)。休みの日って何して過ごしてます?
かごめ:えー、最近そもそも休みがない。
--じゃあもし3日くらいオフがあったら?
かごめ:えー。まぁゲームとかしたいけど。『ARC Raiders』ってゲームが出るのは楽しみ。
--それはどんなゲーム?
かごめ:えっとね、自分のキャラクターがフィールドにいて、アイテムを集めて帰還するんですよ。それで、次のステージにまたそのアイテムを持っていってどんどん強くなっていくっていうゲーム。すごい簡単に言うと。トレーラー見た感じめっちゃ面白そう。
--オンラインで知らない人とやるんですか?
かごめ:そうそう。
--今までで一番ハマった作品も教えてください。
かごめ:『NARUTO-ナルト-激闘忍者大戦!』ですね。NARUTO-ナルト-のキャラがストリートファイターみたいな感じで戦うんですよ。格ゲーですね。必殺技とかあって、あれはハマってましたね。ゲームキューブってわかります?
--任天堂の機種ですよね。たしか四角くて箱みたいなやつ。
かごめ:あれ、コントローラーを挿すところが4つあるんですけど、コントローラーだけ買って友達の家で遊んでましたね。ゲームキューブが家になかったから(笑)。俺の家にあるのはスーファミでした。兄ちゃんと姉ちゃんが使ってたんですけど。子どもの頃からめっちゃインドアっすね。
--三人兄弟の末っ子なんですか?
かごめ:そうっすね。お兄ちゃんは家から追い出されました(笑)。お姉ちゃんはギャルっすね。子どもが3人いるんですけど、今でもたまに連絡くれます。俗に言うブラコンなんでしょうね。ほら、俺可愛いじゃん?
--自分で言わないで。性格は子どもの頃から変わってないんですか?
かごめ:今、見てもわかるとおりのヤツですね。人見知りで引っ込み思案で何も喋んなくて物陰に隠れてるヤツ。全然変わってない。別に友達がいなかったわけじゃないんだけど、ずっとそういう性格。あ、野球のリトルリーグには入ってましたね。でも、俺全然野球好きじゃなくて。友達に誘われてノリで入ったらなかなか辞めにくくなっちゃって、結局中学を卒業するまで野球やってましたね。グローブも買ってもらっちゃったから、ちゃんとやらないと悪い気がして。小学校はリトルリーグ、中学では部活で。
--最初から辞めたかったんですか?
かごめ:そうっす。筋肉だけがついた(笑)。
--ポジションはどこを守ってたんですか?
かごめ:ライトですね。打順は五番…とか?
--じゃあ結構、長距離砲だった?
かごめ:うーん、いや、なんか。わかんないです。どういう意図でその順番になっているのかもわかんない。
--五番は長距離砲ですよ!
かごめ:それ四番じゃなくて?
--いや、三・四・五は打てるバッター。
かごめ:ふーん。そんな知識レベル。人数が少ないから試合に出ざるを得なかったけど、実際はそんなに活躍してないですよ。
--中学時代はバンドに興味はなかったんですか?
かごめ:いや、中学の文化祭でバンドやってます。代々、バンドが体育館でライヴする流れがあって、友達にやろうぜって誘われるんです。
--誘われると断れない性格ですもんね。
かごめ:そう。楽器の経験もないんだけど、この曲やりたいんだよねって聴かされた曲が「風の日」。
--かごめさんのルーツになってるELLEGARDENですね。
かごめ:そうですね。あのとき聴いた「風の日」がELLEGARDENとの出会いですね。それでギター持ってた他校の友達に借りて練習しましたね。俺、昔からフレーズって目で見て覚えるんですよ。ELLEGARDENのライヴ映像を観ながら、コードとかを見よう見真似で覚えていきました。だから初ライヴは中学校の体育館ですね。生徒も200人ぐらいはいたんじゃないかな。
--池袋EDGEぐらいだ。