やっと小さなものが１つ、結実してきたかもしれない。



2015年にスプラトゥーンをプレイし始めてから長いこと経ち、
その間に失ったものは多けれど、得たものは果たしてどのくらいあるのだろうか？

ここ数年はそんなことを考え続ける日々だった。

丸10年経ち、11年目に突入し、
もうやっても意味ないんじゃないかと思って、思い切ってしばらく適当にプレイしていたら
「お前まだやれるじゃん？」という内なる声が聞こえてきて。



オワタＰチームとの対戦企画である
4on4ガチマッチ アサリ編が今月末に本番を迎える。

４年前の2021年にスプラ２で始まったこの企画。

スプラ３になってから過去３回、ガチエリア・ガチヤグラ・ガチホコで開催し、
「絶対に全ルールでの4on4が見たい！」というご声援に後押しされて
ガチアサリ編を９月に開催する運びとなった。



今回の4on4メンバーは、とにかく熱い。

私は心の奥底ではまだ上達を諦めたくないらしい。
でも心の表層と身体はもう無理だろうと音を上げている……

「一生懸命やるつもりだけど、もうまともにプレイできないかもしれない」
チーム結成から間もない日にチームメンバーたちにそう打ち明けたことがあった。

しかし彼らは
「大丈夫あなたは絶対にまだまだ上達できます！」
「腕っぷしはかなり強いんだからそれを活かしましょう！」
「自分を負けさせている一番の要因と向き合うことが肝心ですよ！」
と、三者三様にストレートに言葉をぶつけてくれた。

とても熱いものを感じた。
よしやってやろうじゃないかと思った。



練習中にはその熱さが昂じて、衝突することも多かった。
これだけ衝突が多い4on4メンバーは過去になかったかもしれない。
でもそれは皆がそれだけ真摯に向き合っている証拠だ。

そしてその後は後腐れなくチームとしてやっていくのも皆さすがに大人だ。
世の中には少し強く自分のことを指摘されたり、チームのことで激論を交わしたりしたくらいで
「もうあの人とはやっていけない」
などという反応を示す人もけっこう多いと聞く。

彼らはそんなことはない。
むしろこのまま引き下がったら自分の１人負けだというくらいの気概で
時に激しく、時に静かに、確かに自分の存在を主張していく。

いいねえ。
それでこそ私のところに集まってくれた人間という感じだよ。



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これまで10年間の自分自身のプレイ経験で得たもの、
延べ18名の過去の4on4メンバーたちがくれたもの、
それが頭の片隅にけっこう多く蓄積されていたように思う。

ただそれを実際のスプラトゥーンの実力に昇華させるには、
私は人間的にあまりに未熟すぎたようだ。
多くの方々がせっかく時間と労力をかけてくれていたのに大変申し訳なく感じる。



今回の4on4練習期間、私個人としては
自分の人間的な未熟さを知り、それを可能な限り穴埋めしていくことに
かなりのウェイトが置かれている。



あなたが勝てない一番の原因は何だと思う？
キャラの操作が下手だから？ シューティング能力が低いから？
否！ 絶対に気持ちの問題。それしかない。

自分で自分自身を勝てるコンディションに持ち込む方法を知っていかないと
この先10年でも20年でも、いつまでも負け続けるぞ。

驕り高ぶって慢心するのもダメ、卑屈になって無力感に苛まれるのもダメ。
その間の、心の中道・心の中庸を徹底的に極める必要がある。

勝てるはずの試合を落としている自分の行動は何か？
その行動は無意識のものか？ 意識的なものか？
その行動は試合の序盤でもとる行動なのか？ それとも特定の局面でとってしまうものなのか？

嫌な負け方をした後に動きが単調になると言われるが、それはなぜなのか？
それを防ぐためにどんな行動をとるべきなのか？

練習している練習していると言うけれど、本当に何を練習しているのか？
それは試合の中で使えるテクニックなのか？

基礎練習をすればするほど体の中にリズムが刻みこまれて
そのリズムから逃れられない体になっていないか？
それは立派なドラマーには必要な能力だけど、
スプラトゥーンではリズムを崩すことが求められているんだぞ？



こういったことを１つずつ、仮説を立てながら検証していく。

二度と同じメンバー、同じシチュエーションがやって来ないスプラトゥーンの舞台において
正確な検証を重ねていくことは本当に至難の業であるけれど、
確度の高そうなものを頼りにやっていくしかない。



大変につらく、険しい道のりである。
しかし人間的な成長なくして、スプラトゥーンの上達は絶対にあり得ない。

「セピアは人に厳しいわりに自分に甘い」と指摘を受けた。
この10年間私のステップアップを阻んできたものの正体に肉迫する指摘だと感じる。

まず自分がそういう人間なんだと、事実をいくつか積み上げて冷静に認めること。
これは簡単なことではなく、相応の人間的成熟度を要するものだ。

そして甘い自分が見逃しているもの、見ないフリをしているもの、
修正せずに引っ張り続けているものとは一体何なのか？
それをどうやったら修正できるのか？

こうやってプロセスを経れば、論点は意外と単純なものであるかもしれない。



９月に入って、本当にうっすらとではあるが、
やっと小さなものが１つ結実してきたかもしれないなという感覚を得ている。

たぶん人によってはスプラトゥーンプレイ１年目、
いやそれどころかむしろゲームに関係なく
小学生か中学生くらいの頃に学んで身につけていることかもしれない。

それに少なくとも10年かかってしまっているというお恥ずかしい事実。
でも身につけないで一生を終えるよりはまだマシだっただろうと、
今はポジティブに捉えて進もうと思っている。
総括は4on4が終わった後でもできるから。



vsオワタＰ　4on4ガチマッチ アサリ編
9月27日(土) 21:00 開始予定

セピアチームの３ヶ月間の集大成を、楽しみにしていてください。





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