2026年1月3日アメリカのトランプ大統領が実施した
ベネズエラへの大規模攻撃とマドゥロ大統領夫妻を拘束し
米国へ移送したマドゥロ大統領の拘束は
世界中に大きな衝撃を与えました。

米国側は麻薬犯罪の掃討やテロ対策を公式な大義名分として掲げていますが
その背景には世界最大級の石油利権の確保や
南米における中国・ロシアの影響力を排除する狙いがあるとの
分析がなされています。

現地では停電や物流の混乱が発生し
日本を含む国際社会では主権国家への直接介入に対する是非や
この行動が台湾情勢などの世界秩序に与える
甚大な影響を懸念する声が広がっています。
過去のパナマ侵攻を上回る「力による平和」の強制であると指摘し
第三次世界大戦の火種になりかねない
危うい国際情勢の変容を浮き彫りにしています。

この軍事介入の背景には、表向きの理由から地政学的な野心まで
複数の要因が絡み合っています。


なぜアメリカはベネズエラに軍事介入したのか?


アメリカが主張する主な理由と
専門家が分析する「真の狙い」は以下の通りです。


麻薬密輸の撲滅(表向きの最大名目)

トランプ政権は、マドゥロ大統領を
「ナルコテロ(麻薬テロ)組織」の首謀者と断定しています。
米国で深刻な社会問題となっている合成麻薬フェンタニルやコカインの流入を防ぐため
刑事手続きの一環として大統領を拘束したと主張しています。

石油権益の奪還と確保

    ベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を誇りますが
歴代の反米左派政権が石油産業を国有化し、米国企業を排除してきました。
トランプ氏は「彼らに奪われた石油権益を取り戻す」と明言しており
米国の石油メジャーを再び参入させ、インフラを修復・管理することで
巨大な利益を得る狙いがあると見られています。

「モンロー主義」による西半球の支配

トランプ氏は、19世紀のモンロー主義(欧州勢力の西半球干渉を拒む外交指針)を強化した
「モンロー主義」を提唱しました。
トランプ氏曰く「われわれはモンロー主義をはるかに超えた。
今はドンロー主義と呼ばれるくらいだ」。
トランプ大統領は1月3日の記者会見で、冗談めかしながら
自身の外交手腕を誇ってみせた。
「ドンロー」とは、19世紀の米外交の基調となったモンロー主義と
自身の名前の「ドナルド」を掛け合わせた造語。

これは、南米を米国の「裏庭」=勢力圏として再定義し
この地域で影響力を強める中国、ロシア、イランを排除して
米国の優位性を決定づけるための戦略です。


不法移民問題の解決

 経済崩壊したベネズエラからは約770万人が国外流出し
その多くが米国へ流入しています。
マドゥロ政権を解体し、親米政権を樹立することで
移民問題の根本原因を取り除こうとする意図があります。



今後の世界情勢はどうなる?


今回の軍事介入により、国際秩序は極めて不安定な局面に入っています。

大国間の緊張激化

ベネズエラの最大の後ろ盾である中国とロシアは
この攻撃を「主権侵害」として強く非難しています。
特に中国は、ベネズエラに対して巨額の債権(石油担保ローン)を抱えており
利権を失うことへの激しい怒りを示しています。
米中露が南米を舞台に直接衝突するリスクも懸念されています。

「力による解決」の常態化への懸念

  国連や中南米諸国からは、主権国家の元首を武力で拘束する行為は
「国際法違反」であり、「危険な前例」になるとの批判が相次いでいます。
この出来事が、中国による台湾侵攻やロシアによるウクライナ侵攻を
正当化する口実に利用される可能性が危惧されています。

ベネズエラ国内の泥沼化リスク

 マドゥロ氏排除後の統治が失敗すれば
ベネズエラは「南米のイラク」のような混乱状態に陥り
テロやゲリラ活動が活発化する重いリスクを孕んでいます。


原油価格や株価への影響は?

市場は突発的な地政学リスクに敏感に反応していますが
その影響は二極化しています。

原油価格への影響

短期的
供給不安から一時的に上昇し、ブレント原油が一時69.3ドルまで値上がりしました。

中長期的
米国企業がベネズエラの油田開発に再参入し、生産能力が回復すれば
供給量が増えて価格は下落方向に向かうとの予測もあります。

株価への影響

石油・エネルギー関連株
ベネズエラへのアクセス期待から
シェブロンやエクソンモービルなどの米石油大手の株価は急上昇しました。

 全体市場
過去のパナマ侵攻(1989年)の例では、侵攻直前は不確実性から下落しましたが
作戦が明確になり不確実性が低下すると、株価は反発する傾向が見られました。
今回の事態も、短期的には混乱を招きますが
米国の経済自体が堅調であれば
中長期的な成長シナリオを壊すまでには至らないとの見方もあります。

日本経済へのリスク

原油価格の上昇と円安が同時に進行した場合
日本の貿易収支が悪化し、ガソリン代や電気代の上昇を通じて
消費者物価指数(CPI)を押し上げる「二重苦」となる可能性があります。


今回の事態を例えるなら、「町内(西半球)のルールを地主(アメリカ)が強引に書き換え
気に食わない隣人(マドゥロ政権)を力ずくで追い出した」ような状況です。
一時的に家(ベネズエラ)の管理体制ははっきりしましたが
町全体の平和が保たれるのか、それとも他の有力者(中露)との大喧嘩に発展するのか
世界はその行方を固唾を飲んで見守っています。