橋川正人は父の初七日が終わった日の夜、母に野球部を辞めて、ついでに高校もちょうど一年生が終わる3月で辞めることを伝えた。すると母から、全く意外な答えが返ってきた。

「あんた、何を言っているの! あんたが野球部辞めたら、私がお父さんに天国で何と言われるかしれんやろ!」

橋川はびっくりした。母はずっと池高に入ることに反対だったから、まさかそんな答えが返ってくるとは思わなかったからだ。

「あんたが池田を辞めたらお父さんがどんだけ悲しむか分かってるの! あんたが池高に行くことが一番の楽しみやったんやないか。それもできんというのっ!」

それを言われて、橋川は深く反省した。正直、天国に行った父の気持ちまでは考えたことがなかった。死んだらもうそれで終わりと思っていた。

しかし確かに、父が生きていたら自分が池高を辞めるのを悲しむだろう。また仮に天国にいるとしたら、やっぱり悲しむだろう。

それに