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  • [Q&A]出生率低下の原因をどう見るか?(2,200字)

    2025-07-09 06:0022時間前会員無料
    [質問]
    こんな記事がありました。


    ここでは死亡率の低下が出生数の低下につながったと述べられていますが、ハックルさんはどのように思われますか?

    [回答]
    記事を読みました。確かに医学が進歩して出生数が下がると子供を生むことのモチベーションは下がるのだろうなというのはよく分かります。今では七五三の由来を知らない人も多いですが、昔は六歳、四歳、二歳で死ぬ子供が多かった。だから、その壁を越えたことを祝う儀式として、七五三は生まれました。つまり、どんな子供も七歳になるまでは、いつ死ぬか分からないという世の中だったのです。

    いつ死ぬか分からない子供に愛情を抱かないというのは、非常に合理的で人間らしい行動と言えるでしょう。ぼく自身も、思えば子供が生まれるまで「子供は絶対に生まれない」と考えるようにしていました。期待して外れたときのショックが大きいからです。
  • 本質的に生きる方法:その38(1,854字)

    2025-07-08 06:00会員無料
    唐突だが、物事は相対化していくと本質に近づく。相対化とは「メタ的な視点で見る」ということである。より分かりやすく言うと「離れて見る」ということだ。

    これの逆が「近視眼」である。人は対象となる事物に近づけば近づくほど本質が見えなくなる。表層ばかり気になる。逆に、離れれば離れるほどその真相が見えてくる。そうして冷静冷徹に本質を見極められるようになるのだ。

    誰かが喧嘩をしていたとする。見知らぬ他人同士なら冷静に見られるし、「どっちが悪いか」も文字通り客観的に判断できる。ところが親しい人が喧嘩をしているとそうはならない。どっちかに必ず肩入れしてしまう。

    だから世界中の裁判では、裁く人が裁かれる人と必ず無関係であることが重視される。アメリカの陪審員制度では、陪審員が被告と無関係であるかどうかが必ず綿密に調査され、少しでも関係があると選ばれないようになっている。

    これは我々の肌感覚とも合致する
  • 石原莞爾と東條英機:その92(1,575字)

    2025-07-07 06:00会員無料
    東條英機が憲兵を上手く使えたもう一つの理由は、彼の中に特殊な「カリスマ性」があったことである。

    憲兵は俗に「犬」と呼ばれていた。警察官も「犬」に比喩されることがよくあるが、これは「犬のようにボスのいうことに忠実」だからである。また逆に、ボスのいうことしか聞かないという側面もある。これが犬最大の特徴である。

    そして憲兵は、この傾向が極めて強かった。彼らはボスだけに忠誠を誓い、それ以外には絶対になつかない。むしろ敵視する。そうして徒党を組み、一糸乱れぬ統率の元で動く。それが犬――すなわち憲兵なのだ。

    こういう犬の群れには、必ずリーダーがいる。猿の世界にもリーダーはいるが、それは犬とは大きく違う。なぜなら下剋上があるからだ。
    猿の社会で、下位の猿は常に上位の猿を追い落とそうと狙っている。それはどこか人間社会にも似ている。このことからも、猿は人間と近しいということが分かる。

    対して犬は、人