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na85さん のコメント

 よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、今週も執筆・編集・配信ありがとうございます。もはやライジングは全体主義に負けない唯一の言論の府となった感があります。

 今回の「ゴー宣」では、新聞・ニュースを流し見しているだけでは判らない原発事故後の状況を知ることができ、また国際条約した汚染水対策の不可能性もハッキリ判りました。ありがとうございます。これを問題視しないのであればまさに「見たいものしか見ない」であり、(五輪の)ナショナリズムによる空気や政府の(原発安全コントロールという)大本営発表を批判すれば「非国民」だという戦前そっくりな全体主義の胚胎が見て取れます。私は今回の東京五輪開催決定に至るプロセスを見ていません。大嫌いな安倍と猪瀬の顔を見たくなかったからですが。五輪開催中も新聞やニュース以外の中継は見ないという作法としてのボイコットをしようと構えています。東京に決まったと聞いたときも、「あーそう」「これで被災地の復興が遅れるな」という反応が思わず口に出てしまいました。というわけで、私も「非国民」に名を連ねたいと思います。
 1964年は東京を始めとする都市大空襲の焼野原からの復興の象徴として首都東京での五輪開催でしたが、2020年は東北3県に起こった東日本大震災(11年)からの復興を(一時的にでも)掲げた上で東北から遠く250kmも離れた東京での五輪開催ですから、最初からアプローチが間違っているように思います。すでにアベノミクスによる公共事業拡大のせいで建設に携わる人やモノが被災地から引き揚げられている現状で、さらに湾岸を始めとする東京改造・五輪インフラ整備が加わって引き揚げが加速するのですから、五輪が東北3県の復興の妨げとなるのは間違いありません。また現在でも大工事になればなるほど公共事業の海外企業への開放が進んでいるのに、TPP参加で開放上限金額低下と入札書類英語化が実現した暁には五輪のためのインフラの建設サービスや物品供給の国内シェアはどれだけあるでしょう。そして五輪開催中増加する東京の人口の腹を満たす食料の大部分はTPPで流入する外国産になるでしょうし、英語を話せる人材の需要が高まるわけですからo・mo・te・na・shi教育を受けた外国人の雇用ばかりが増えるでしょう。つまり人・モノ・カネの東京一極集中の加速とその供給元の多くが外資にすり替わった状態で五輪開催の果実が被災地に届くはずがないのです。
 もはや被災者だけでなく日本国民全体にとってもノーリターンだと判りますが、その上安倍がスピーチで安全宣言した汚染水漏れには対策なしという状況による超絶ハイリスクまであるのですから、一体何のために招致したのかと怒りがこみ上げてきます。どうせ安倍の頭にあるのはゼネコンからの献金と招致成功による支持率回復、さらに「景気の気」だけ受け取った国民の消費で景気回復を演出して増税のための論拠としたい、そのような数字ばかりでしょう。
 IOC委員がトーキョーに決定した背景も陰謀論的に想像したくなります。TPP参加や原発維持推進というグローバル企業群にとって都合の良い政策を遂行する安倍政権が長期政権となるように追い風を吹かせているのではないかと。7年後までの最悪のシナリオとしては、五輪インフラ整備で日本国が借金を積み上げながら米国企業がたっぷり儲けを確保し、それを待っていたかのようなタイミングで破局的な汚染水漏れなどが明らかとなり、日本国の国際的な信用を失墜させながら1940年のように開催辞退を迫られるという運びでしょうか。もうここまで来ると財政破綻してIMF管理下に入るでしょうし、この上南海トラフ地震が起これば列島全体が国連(旧戦勝国)軍の統治下に置かれるかもしれません。

 坂の上の三丁目で五輪の雲を探しながら黄昏ているうちに破滅が忍び寄る na85
No.82
136ヶ月前
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第53号 2013.9.10発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※2020年オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まった。今週の「ゴー宣」はお祭り騒ぎで浮かれきっている大衆に、冷や水をぶっかける!安全を保証?状況はコントロールされている?汚染水はブロックされている?健康問題はまったく心配ない!?オリンピック東京招致の「希望的同調圧力」に負けない批判精神は、小林よしのりにだけはある!! ※大好評の「よしりんウィキ直し!」。今回から、いよいよ『ゴーマニズム宣言』の項に突入!本文の添削に入る前から、早くも大荒れの模様!インターネットの「集合知」に未来はあるのか!? ※『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて、一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」!今回のお題はこちら!おぼっちゃまくん、電波ジャックして何を訴える!?     【今週の目次】 1.ゴーマニズム宣言・第55回「PART1.汚染水問題はコントロールされていない!」 2.しゃべらせてクリ!・第15回「ぽっくん、メディア・ジャックぶぁい!の巻」 3.よしりんウィキ直し!・第5回「ゴーマニズム宣言『ノートページ』編」 4.Q&Aコーナー 5.新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6.読者から寄せられた感想・ご要望など 7.編集後記 第55回「PART1.汚染水問題はコントロールされていない!」  2020年オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まった。  スポーツが好きで、お祭りが好きで、取らぬ狸の皮算用が好きな人は、はしゃぎたまえ。  プレゼンテーションとか言うらしいが、日本人のしゃべり方がグローバリズムに合わせて、表情もジェスチャーも異様に感情過多になってる姿が、気味が悪いと思うのは、わしだけだろうか?   高円宮久子さまは自然体でさすがだが。  中でも「汚染水対策」に関する安倍晋三の口から出まかせには、あきれてしまった。あれで説得力があったなどと騙される国際社会も日本人も、相当な馬鹿である。 安倍「 私が安全を保証します。状況はコントロールされています 」 わし(おいおい、コントロールされているのか?) 安倍「 汚染水による影響は福島第一原発の港湾内の0.3平方キロメートル範囲内で完全にブロックされています 」 わし( たった0・3平方キロメートル範囲内で、完全にブロックだと?よくも言ったものだ! ) 安倍「 健康問題は今までも、現在も、将来も、まったく問題ありません 」 わし( まったくないものにするとは、なんという悪魔だ! )   原発事故に関する知識と、人間的な誠実さがひとかけらでもあったら、決して口にできないことを安倍は全世界に向け、笑顔で言ってのけたのである!  安倍は「 ヘッドラインだけではなく事実を見てほしい 」と言った。要するにネトウヨの言う「 マスゴミの言うことを信じるな 」と同じ意味だが、全世界に向かって、公式の場で日本の首相が「 日本のマスコミも、世界のマスコミも信じるな 」と言ったのだから、こんな非常識な発言はない。  だが日本のマスコミはこの侮辱にも抗議一つしない。本当に事実を見れば、安倍の言ったことこそ嘘八百であるにも関わらず。    安倍が言ったように、「福島第一原発の港湾内の0.3平方キロメートル」は、確かに堤防や水中カーテンで仕切られている。  だが、たとえ「0.3平方キロメートル」で「完全にブロック」されていたとしても、 地上タンクから漏れた高濃度汚染水の全てが、その「0.3平方キロメートル」のエリア内に流出しているわけではない。  汚染水漏れを起こした地上タンクからの排水路には水の流れた跡があり、高濃度の放射線が観測され、その排水路から水が流れた可能性があることは東電も認めている。   そして、その排水路は「0.3平方キロメートルの港内」ではなく、外の海と直接つながっているのである!   さらに堤防や水中カーテンで汚染水を「完全にブロック」などできるわけがなく、東電も「港湾内と外洋を水が行き来している」と認めている。   福島沖の海底には40カ所の放射能のホットスポットが見つかっている。   「0.3平方キロメートルの港内」では1キロあたりのセシウムが74万ベクレルのアイナメが見つかっているが、その港の外の20キロ先で捕れたアイナメからも2万5800ベクレルが検出されている。 また、東京湾でも原発20キロ圏内と同じレベルの汚染箇所が見つかっている。   汚染水については「打つ手がない」というのが現実で、これほど大量の高濃度汚染水が長期間漏れ続けている事態は過去に例がないのだ。  また、「健康問題は今までも、現在も、将来も、まったく問題ない」という発言も、そう言った後に安倍は「 完全に問題のないものにするために、抜本解決に向けたプログラムを私が責任をもって決定し、すでに着手している 」と続けている。   つまり、今ごろ「完全に問題ないものにするための対策に着手した」に過ぎず、 過去はもちろん現時点でもまだ「まったく問題ない」状態ではない。 発言が完全に矛盾、破綻しているのだ。  そもそも、安倍晋三は9月3日、IOC総会のたった4日前になってやっと原子力災害対策本部会議を開き、汚染水流出に対処するための基本方針と総合的対策を決定したのだ。  安倍はこれまで汚染水問題をほったらかしにしておいて、 開催地決定の直前にこの問題が浮上し、東京の招致に深刻な影響を与えそうになってから、泥縄式に「基本方針と総合的対策」を決め、「政府が全面的に責任を持つ」と見栄を切ったのである。  もともと、誰も本気で被災地のことなんか考えていない。  東京都の招致委員会は当初、開催理念の中心に「東日本大震災からの復興の象徴となる五輪」を掲げていたが、海外コンサルタントから「復興、復興と言うと、放射能問題など不安を思い起こさせ逆効果になる」と助言され、招致活動で「復興」をアピールしなくなり、今年1月の立候補ファイルでは「復興五輪」の文字が消えた。   ところが、6月に公表されたIOCの評価報告書で電力供給の回復や津波対策が肯定的に記されたのを見て、再び「復興五輪」を持ち出したのだ。   結局被災地のことなど、五輪招致に利用できるかできないか以外は何の関心もないのだ。  だからこそ招致委員会理事長「旧皇族詐欺師の父親」こと竹田恒和も「 東京は水、食物、空気についても非常に安全なレベル 」「 東京は福島から250キロも離れているから安全 」と、 東京が安全ならばよい という本音を漏らしたのである。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!