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magomeさん のコメント

先週、ついに槌田敦 著 「『地球生態学』で暮らそう」を読了しました。本書は気象や地学に特化した環境学の入門書ではなく、農業、漁業、気象、地理、人類史、経済、政治と人類と地球の関連全ての真実を纏めた入門書と見たほうが正解だと思います。
本年、私は旧掲示板で岩澤信夫 著「不耕起でよみがえる」や畠山重篤 著「森は海の恋人」の書物をna85さんから紹介されて読み漁り、時には農業塾に入塾しては現在でも健全な土地づくりの実践の機会を伺っています。しかし、これら書物を我が國の行く末においてすべての視点からまとめて科学的、かつ人文学的に分析して解説して説明したのが「『地球生態学』で暮らそう」でした。

印象に残った内容としては
1.本来、海の生態系は健全な陸の土壌と海流による海底の栄養塩の海面への上昇によって保たれている。
2.この健全な土壌とは鎮守の森と不耕起、または自然農法によって保水能力が保たれた健全な土壌から湧いた湧水が染み出す土壌の事である。
3.海やほか地域の栄養分を運ぶ役割を果たすのが鳥類であり鳥類が魚や昆虫、木の実を食べれば、その分を陸上に持ち運び、森林を育てる土壌となる。
4.森林が育てば生物の活動が活発になり更なる生態系豊かな森林へと発展する。
5.耕さない自然農法、不耕起農法は森林と微生物の活動を停止させず、柴などの追肥などを行えば同じ役割を果たす
6.動植物が遺体や排泄物が腐敗しアミノ酸やフルボ酸などを生成し、これが土中の岩石と結合して安定したキレート鉄となり、このキレート鉄が含まれる豊富な養分が植物プランクトンを育成し、生態系が活動する源となる。
7.沿岸にこのキレート鉄が流れると沿岸にも藻場が生育して豊かな漁場となる。
8.しかし、キレート鉄は海洋や湖に散布してもすぐに沈殿し、分解してしまうので効果が期待できない。海洋の場合、動植物は分解して海溝におち、やがて海面に上昇したときに栄養塩となる仕組みだからである。
9.降雨量も健全な森林の有無によって決まるものであって、砂漠にダムを造っても森林を育成しない限り、貯水は塩害に悩まされるばかりで長持ちしない(例:アスワンハイダム)
10.自由貿易は恫喝貿易(買わなければ戦争、輸出差止めで息の根を止める)であって輸出すれば国内の生産量が落ち、失業者が増える。輸入の物を買っても関税をかけない限り、税金の行き先は国外なので国内の生産高に繋がらない
12.人糞や生ごみも有益な資源であり、地球生態学の原理を再現したBMW(Bacterial Mineral Water)技術によって養分を含んだ水とし、このため池を利用して養分豊富な農業用水とする。水槽に岩石などの砕石を吊るし、そこに排水と入れて曝気して浄化していけばこれが活性水となる。
13.石油や原子力などの化石燃料は「地球生態学」に含まれない地下資源の者であって起こしてはならない。よって化学肥料やウラニウムはもってのほかであり、石油には税金を欠けるべし。
14.自由貿易でも各国に最低限の関税自主権を設けて技術向上と独立性を出させる。また関税で経済的賄えるようにすることが一番の解決策
15・古代文明は砂漠化してほろび、河川があっても砂漠化による衰退は免れない(例:ナイル川)
16.この地球生態学を成功させて平和な時代を築き上げたのが偶然にも江戸時代であって
17.温暖化は人為的な二酸化炭素の排出で発生するのではなく、気温が上昇するから二酸化炭素が排出される。よって温暖化防止は詐欺であり、原発販売の宣伝に過ぎない
18.この先、気象を安定させるならば間違いなく森林の復活、そして人間を含む生物活動の活性化が必須となってくる。
19.水上の浄化、生ごみ、排泄物の浄化ではなく、地中に上手く戻せる自然分解、自然浄化をしなければならない。
20.最終的には一個人、一家庭、一自治体による自給自足と独立性を目指すことが最終目標となる
21.現行の環境問題は西欧の人間悪玉説が主流となっており、自然とともに生きてきた日本には馴染むことがない

そして最終的に
22.地球生態学に近づけるには「里山資本主義」が必須となってくる

ついつい、印象に残った思い当たる本書の内容をざっと書いてしまいましたが、これでも大雑把に書いたもの、機会があれば、本書を手に取って読んでほしいと思います。ただし、本書の欠点はこの本が現在、容易に手に入りにくくなっている事であり、文庫本の出版が待ち望まれます。
そこが実に惜しいことです。今後は、なにか話題になる度に本書を参考に持ち出すことと思います。
生きとし生ける者、すべてに無駄はなし。これほど、生命の尊さ、人類の思い上がり、そして真の文明論を見つけるきっかけとなる書物はなかなかないのではと思います。
本書を紹介してくれたna85さんにこの場にて感謝いたします。
No.74
125ヶ月前
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第62号 2013.11.19発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※雅子妃殿下のご病気が徐々に回復の傾向を見せている今、雅子さまをバッシングしてきたメディアは手のひらを返し、次は紀子妃殿下のバッシングを始めた。皇族という「反論できない身分」の方々に嘘の情報で非難を浴びせる、いわば“言論テロリスト”を徹底的に斬る!! ※「ザ・神様!」すっかりヤチホコ♥モテモテ状態のオオクニヌシ。一方、それに対して激烈に怒り狂う正妻・スセリビメ。縁結びの神として知られる、あの出雲大社のご祭神に勃発した、まさかの離婚危機…!どうなる!? ※『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて、一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」。お父ちゃまが久しぶりの登場!ちょっとご機嫌斜めの茶魔を抱きしめて、滂沱の涙のお父ちゃま…さあ、しゃべらせてクリ!   【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第64回「雅子さまが回復なら、次は紀子さまを叩けという俗情」 2. しゃべらせてクリ!・第23回「お父ちゃま夕陽に号泣!の巻〈前編〉」 3. もくれんの「ザ・神様!」・第21回「夫婦の危機、ナニが救う!?」 4. よしりん漫画宝庫・第55回「『タコちゃん・ザ・グレート』②手を替え品を替えのお遊び実験作!」 5. Q&Aコーナー 6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 7. 読者から寄せられた感想・ご要望など 8. 編集後記 第64回「雅子さまが回復なら、次は紀子さまを叩けという俗情」  皇太子・雅子妃両殿下は今月2日、岩手県の被災地をご訪問。雅子さまにとっては、3年9カ月ぶりとなる泊りがけのご公務となった。   雅子さまのご病気が徐々に回復の傾向を見せていることは、実に喜ばしいことである。 また、雅子さまはご病状が思わしくなかった間もずっと被災地の人々に想いを寄せられていたことも、広く知られるようになってきた。   これまでさんざん雅子さまをバッシングしてきたメディアは、恥を知れ! …と言いたいところだが、どうせこういうことをやってる輩は、自分たちがどれだけ間違ったことを書き立て、どんなに人を傷つけようが、そしてその過ちがいくら明白になろうが、決して誰一人反省なんかしない。   皇族という「反論できない身分」の方々に、嘘の情報で非難を浴びせる、いわば言論テロリストのような連中なのだ。  しらばっくれて尊皇派のふりをするのがオチである。  現にかつて皇后陛下をバッシングして失声症にまで追い込んだ週刊誌の編集長が、最近はそんなことなどなかったかのように皇后陛下をほめ称え、「それに引きかえ雅子妃は…」という論調で雅子さまをバッシングした例もある。  今度も雅子さまが叩きにくくなったとなれば、連中はそれまでのことなどなかったかのように手のひらを返し、雅子さまを持ち上げて、それをダシにして他の皇族をバッシングし始めるだけなのだ。そして、その動きは既に始まっている。  週刊新潮11月7日号に、 『ご不満「紀子妃」についた不敬なニックネーム』 という特集記事が載った。  記事は、秋篠宮妃紀子殿下の最近の態度に対して、周辺から批判の声が上がっているというものだ。  秋篠宮殿下と悠仁さま、家に皇位継承権者を二人も抱え、そのプレッシャーに対する気負いから、紀子さまが周囲の人にきつく当たるような場面が多く見られるとして、「宮内庁の宮務課関係者」がこう言う。 「 ご公務の際などは、にこやかでおっとりしたお話し方でお馴染みですが、実際の妃殿下は正反対です。宮廷に詰める職員に対しては、いつも早口で次々とご用件をまくし立てられ、指示が出される場には張り詰めた空気が漂っています 」   まさにデジャ・ヴュである。これは、20年前に皇后陛下を失声症にまで追い込んだ時のバッシングと全く同じ論旨なのだ。  あの時も、「現役宮内庁職員」を名乗る正体不明の者が、皇后陛下は「 普段は慈愛に満ちたお顔からも分かるように優しいお方なのだが 」としておいて、実際の皇后は「癇性」で、職員たちに対しては失敗を厳しく叱ったり、お気に召さないことがあると延々と小言を言ったりするので、緊張感が絶えないなどと書いていた。  まるで写したかのように、まるっきり同じなのである。  紀子妃殿下はご結婚以来、一貫して皇后陛下をお手本として振る舞ってこられたことは知られているが、まさかバッシングの論法まで一緒になるとは思いもしなかったであろう。  記事にはこの「宮務課関係者」による紀子妃バッシング発言がもう一つ載っている。 「 悠仁さまのご誕生前とは打って変わり、ご一家を警護する皇宮警察の担当者らにも、めっきりお声かけをなさらなくなりました。仰ることはご自身のご要望と苦情ばかり 」  そして、注目してもらいたいのはその続きである。 「 意外なことに、雅子妃の方が、まめにご自身の担当にお言葉をかけ、和やかに懇談されているほどです 」  こんな話は、今まで週刊新潮は決して載せなかった。別に雅子さまが最近になって急にお声かけをするようになったわけじゃないだろうし、急に週刊新潮が雅子さまに好意的になったわけでもない。   ただ単に「雅子さまにひきかえ紀子さまは…」と叩くダシに使えるから載せてるだけなのだ。  週刊新潮は、このようなことから疲弊した職員や皇宮警察の一部に、「紀子」を「のりこ」と読んで秘かに「 のりぴい 」と呼ぶ者がいるという、どうでもいいような話を載せて「不謹慎というほかない」とわざとらしく憤ってみせ、これを「 不敬なニックネーム 」と記事タイトルにまでしている。   自称保守雑誌の皇室バッシング記事は、必ず「自分は皇室のことを思っているからこそ、あえて書いている」という見え透いたポーズをとって書かれる。  これもそんないつもの手口だが、本当に不敬なのは「 雅子妃バッシングがやりにくくなったから今度は紀子妃だ! 」とばかりにこんな記事を載せている週刊新潮ではないか!!  しかもその半月後には、これと全く同じ趣旨の後追い記事が週刊現代11月23日号に載った。  今年6月に週刊新潮が「 雅子妃が皇后に不適格だから、皇太子が将来天皇に即位しても、短期間で秋篠宮、そして悠仁さまへと皇位を『禅譲』させるプランを宮内庁が進めている 」という完全事実無根の記事を載せた際も、週刊現代はすぐ翌週に後追い記事を載せている。  とはいえ週刊現代は必ずしも「男系固執・雅子妃バッシング」の週刊新潮と歩調を合わせているわけではなさそうで、11月9日号では女性天皇誕生の可能性にも触れつつ、雅子さまについて好意的に書いた記事を載せている。  記事を見ると、週刊現代編集部には皇室に関する知識を持っている人が全くおらず、外部から持ち込まれた情報をそのまま載せていそうな状況が窺える。おそらく週刊新潮と週刊現代を行き来し、無知な週刊現代を利用して皇室バッシング記事の拡散に努めている人物が存在するのだろう。  週刊現代記事のタイトルは『 日本の「国母」になる紀子妃の大研究 』である。紀子さまを「 将来の国母 」とする表現は週刊新潮にも見られるが、ここにとんでもない無知と不敬が表れている。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!