鷲音モーさん のコメント
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第115号 2015.1.6発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、小林よしのりに関するWikipediaページを徹底添削「よしりんウィキ直し!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…映画『紙の月』では、夫に「承認」されない妻の虚無感が描かれている。日本の夫婦関係あるいは恋愛関係は、未だに微温な「男尊女卑」に貫かれ、「男が支配し女が支配される構造」が主流であるが、本物の「承認」を得ていない虚しい女たちの行き着く先は、果たしてどこなのか!?
※「ザ・神様!」…元の世界に帰ったヤマサチに突然の来訪者!それはワタツミの宮殿で結婚した妻・豊玉姫でした。しかも子を宿していた彼女に、突然の陣痛が襲う!出産の間は「絶対にのぞくな!」と言われたヤマサチ。しかし「ゼッタイにダメ」と言われると逆に気になって仕方ないのは神の世も同じで…!?
※「平成26年度 ライジング版 流行語大賞の発表」…コメント欄で始まった、読者の皆さんによる企画、ライジング版・流行語大賞。「ウンコ色」「可憐乳」「床ドン」「IKEAに行けや!」「松本清張ですな」「小保方さんはおぼこい」「こばやしよしのりーっ!」「犬やったーーー!!!足やったーーー!!!」…等々、数々の名言・珍言は如何にして生まれたか!?爆笑必至のライジング版・流行語大賞で初笑いを!!
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第113回「映画『紙の月』、夫に承認されない妻の空虚感」
2. しゃべらせてクリ!・第75回「新年特別企画・よしりんたちをしゃべらせてクリ!の巻〈前編〉」
3. もくれんの「ザ・神様!」・第48回「だって『のぞくな』って言うから……」
4. 平成26年度 ライジング版 流行語大賞の発表
5. Q&Aコーナー
6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
7. 読者から寄せられた感想・ご要望など
8. 編集後記
第113回「映画『紙の月』、夫に承認されない妻の空虚感」 宮沢りえ主演、大島優子好演の映画 『紙の月』 の夫婦関係は、隠してはいるが微温な「男尊女卑」に貫かれていて、夫の妻への侮蔑感覚はまったく無意識である。
銀行で働き始めた妻が、最初の給料で夫に時計をプレゼントする。だが夫はそれを薄ら笑いを浮かべながら受け取り、外ではめることはしない。
その後、今度は夫が妻に、平然と高級な時計をプレゼントするのだ。
妻はそのときに、夫に対する違和感の正体に気づくのだが、この夫の心理を言葉に表すとこうである。
「 お前の暇つぶしのお遊びの仕事で買ってくれた時計なんか、まあ、あんなものだろう、オモチャだな。恥ずかしくて男が外で腕に巻くモノではないのだよ。 」
「 男の仕事は女の暇つぶしとは違う。俺が本物の仕事で買ってやる時計は、ほれこういう高級なモノだぜ。俺とお前の社会的ステータスの差がわかったかい?ありがたく頂戴して、腕に巻くがいいよ。 」
「 ところで俺さまは転勤だ。当然暇つぶしのアルバイトなんか、さっさと辞めて、俺さまについてくるよな。 」
こういう「 男尊女卑 」は産経新聞や、自称保守の男どもに、脳髄まで浸透していて、確実に無意識になっている感覚である。
だから彼らは皇統の「男系固執」を主張するのだ。
日本国の象徴は「男系」でなければならない。それが「男尊女卑」の男どもの信念である。
その頂点に安倍晋三がいる。
天皇陛下はそうではない。そういう因習には縛られていない。
だからわしは尊敬できるのだ。
驚くべきことに自称保守メディアで活躍する女どもも、また無意識のうちに「男尊女卑」を受け入れる「 準男性 」である。
そういう女、あるいは妻は、こう反応するだろう。
「 やっぱり旦那様のくれる時計は高級品や。あたいの安月給で旦那様に時計をプレゼントするなんて、非常識やった。ごめんなはい。男の本気の仕事で買ってもらったこの時計は本物や。ありがたく頂戴いたしますばい。 」
この卑屈さ!
これが自称保守論壇で禄を食み、えらそうに男の主張を口真似している馬鹿女どもの深層心理である。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
はははっ、妻に昼顔されるよりネトウヨ化が無難だと目をつぶっている器が御猪口のダンナどもって笑うわ。
意識の高い俺としてはそんなお連中を憐れでミジメな存在だと嘲笑してこまそうと思った。
でも何故か笑えなかった。
それどころか、何だか心が苦しくなった。
それはネトウヨ化する者を自己責任だと笑っていても何の解決にもならないからだ。
自分を高みに置いてニヒリズムに浸り、他人を嘲弄して溜飲を下げていても何も変わらない。
現実に向き合い、日本の社会構造の歪みを正すことを真剣に考えていかねば、肥大した承認欲求からおぞましい差別に走る者が続々と増えてゆく一方だ。
しかし何の力も持たない俺がクソマジメに考え込んだところで何になるのだろうとも思う。
そんな時は「花燃ゆ」の伊勢谷友介のモノマネをして考えを改める。
「知りたいからです。学びたいからです。変えたいからです。今までの学問じゃ、もう日本国は守れん。本当にこん国を思う者は知っとる。死に物狂いで学ばんにゃ、こん国は守れんと」
てな訳で、ただ暗い気持ちになるだけのルポタージュを知る為、学ぶ為に読みましてん。
鈴木大介という人が書いた『最貧困シングルマザー』ちうのを読みましてん。
もう俺の心がぐらぐらに揺れました。
自分の周りにいる人間の現実がそこにまざまざと描かれていて胸が痛くなりました。
頭が激烈且つ劇的に悪い俺では言語化・文章化出来なかった最底辺に生きる者の肉声を見事に拾い上げている本でした。
「女手ひとつで福祉の力も借りずに立派に子供を育て上げるというワケの分からない立派な母子家庭幻想がなぜか日本の風土に定着」
「女は自力のみで子育て出来る存在ではありませんという価値観を堂々と言う人をあまり見たことがない。言えば叩かれる。もしかすると叩くのは、むしろシングルマザーで、自力のみでバリバリ子供を育て上げてしまった母親かもしれない。私に出来たのに、なぜ出来ない」
「育てられないなら、子供を施設に入れるのも手ではないかという声もあるが、これこそ現場感覚を知らないとしか思えない」
「社会の裏を見れば見るほど、そこには泣いている子供の顔がある。泣きはらした顔の子供のまま、大人になってしまった人々がいる」
「苦しいと叫ぶ母を助けられない世の中ならば、苦しいと叫ぶことが憚られる世の中ならば、それはあなた方が間違っているのではなく、世の中の側が間違っているのだ」
「心から望むのは、福祉を含め、社会全体の力で子供を育てていくことが当たり前に感じられる世の中になって欲しいということだ」
胸を抉られるような言葉の数々に、知ること、学ぶことって、つらいなぁと思いながら、どんな問題も安易に自己責任論で片付けることなく、真剣に向き合っていかねばならないなぁ、しんどいけど。
などと考えたりして、晩酌して、バラエティー番組を観ながら早くも気分転換している鬼畜な俺。
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