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つぼきちさん のコメント

>>43 na85さま


スピリチュアリズムの淵源は、実はヒンドゥー教なんです。
ヒンドゥー教の輪廻転生って、小林先生とも対談された橋爪大三郎先生の
『世界がわかる宗教学入門』という本を読むと
生きたままで行く世界なんです。
死んだら、次の六道に生きたまま生まれ変わると言う思想で
地獄道も修羅道も餓鬼道も生きている人間の行く世界です。
釈迦は初めて、この輪廻転生を停止させ輪廻外に出ることを
思いついた偉大な思想家なんですが、解脱されて涅槃に入られた。

苫米地英人氏の『スピリチュアリズム』を読むと
ヒンドゥー教の思想は、チベットに伝わり変遷するんです。
チベット密教というものになり、輪廻転生思想が危険思想になります。
オウム真理教が小林先生を暗殺しようとした思想「ポア」です。
例えば、私がこのまま生きていれば、悪いカルマを持つとなると
その悪いカルマを持つ前に、殺してあげたほうが、来世楽になると
チベット密教では考えられました。これが「タントラヴァジラヤーナ」
ことポアの思想です。ポアは殺される側にも殺す側にも善だとされまして
昔のチベット密教の高僧なんかは、「度脱」といってポアを呪詛で
行っていたようなのです。

このチベット密教は西洋に伝わります。
H・P・ブラバッキー夫人の「神智学協会」にです。
神智学協会は正式名称が「トランス=ヒマラヤ密教」と言います
彼女の書いた『シークレットドクトリン』は西洋世界に
衝撃を与えます。
だって、キリスト教圏では、死後の魂は最期の審判まで
墓所で眠りにつくとされていました。これを執行猶予(モラトリアム)
と言います。最期の審判で肉体のまま死者は黄泉がえり、
神の審判を受けて、生きたまま天国か地獄に落とされると言う
思想で、キリスト教でも天国も地獄も生きた人間の行く世界だったんです。

1847年アメリカのハイズビルで騒霊現象
(ポルターガイスト)がおこります。
所謂ハイズビル事件です。このハイズビル事件で人間と霊魂が
交渉することができるということが話題になり、イギリスやアメリカで
心霊研究が盛んになりました。
キリスト教圏では死者の魂はモラトリアムだと言うのに、死後の世界が
あったという話になったわけです。
それで、心霊ブームに火が付きます。
熱病のように当時、降霊会なんかが流行します。

ところが英国の心霊研究に神智学協会が関わるようになります。
英国の各種心霊研究団体は神智学の幹部を、
講師に招くようになったんです。
スピリチュアリズムとポアの思想はここで融合します。

輪廻転生思想はかならず、霊的なステージをつくります。
これを「霊的進化論」といいますが、
グルや聖者は、霊的にステージが高いんだとしたり、
賤民や障害者は前世で悪いカルマを持った結果だと
差別します。これがナチズムや有性論に繋がっていきます。

日本の場合、神道が強く、古代から霊魂があるという
思想がありました。
ところが、仏教が流入すると、本来霊魂を認めない仏教が
神道と融合して換骨奪胎して、突然霊魂を認めます。

ところが神道で、霊界観が固まるのは、江戸時代なんです。
江戸の国学者本居宣長は、日本人は「死ねば残念だが黄泉の国に行く」と
言いました。どんな善行を積もうが悪行をしようがです。

そこに服部中庸(はっとりなかつね)という学者が、それじゃあんまりだろうと
「天・地・黄泉」の三つの世界に行くと言う思想を発表します。
所謂「三大考」という思想です。それを宣長の没後の弟子
平田篤胤が、死ねば「幽冥界」に行くといって
霊界を細分化しました。それで平田は必死に、生まれ変わりの実像を
描くために、『勝五郎再生記』を書いたり、神隠しの実態を描いた
『仙境異聞』を書きました。また『稲生平太郎物語』など騒霊現象の
ルポルタージュまで取材して書きます。

日本には、そんな「神道」の影響があり、輪廻観も全く異なりました。
さらに、「万世一系」の「天皇」の存在がありました。
「一君万民」の思想が、「天皇」のもと、みんな平等だと言うような思想が
幕末に生まれ、幕府の敷いた上下関係を破壊します。
それで、日本には、ポアの思想が入らなかったのです。

オウムのような外来の思想が原液で入ってくると危険なんです。
No.46
111ヶ月前
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常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!