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週刊アスキーの完全デジタル化は21年前から決まっていた-仰天の資料発掘
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週刊アスキーの完全デジタル化は21年前から決まっていた-仰天の資料発掘

2015-04-07 18:00
     週刊アスキー(以下週アス)の完全デジタル化を予告するかのような過去記事を発見し、ネットで話題にしてもらおうとがんばっている人がいることが明らかになった。

     記事を発見したのは週刊アスキー、および週刊アスキーの前身だったEYE・COM(以下アイコン)のバックナンバーを読み漁ることをお仕事にしている週刊アスキー社史編纂室のメンバー。彼は「これが事実なら、週刊アスキーの完全デジタル移行計画が四半世紀にも渡る一大プロジェクトであったことの裏付けになる一級品の資料に違いない」と鼻息も荒い。
     

    週刊アスキー完全デジタル化の軌跡


     編纂室によると、該当記事は1994年8・15/9・1合併号の『EYE・COM』の総力特集『夏休み自由課題大作戦 絶対つくれる!!』内にある『オリジナル小説をデジタルブックにしちゃおう』という記事。タテ27.5ミリ×ヨコ20.6ミリという非常に広大なスペース(だいたいEYE・COM1ページ分)を存分に活かしたレイアウトで、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4種類のインクをふんだんに使用した贅沢なつくり。それに加えて、戦後まもない1949年に一部上場を果たすほどの日本を代表する一流企業が印刷を担当していることから、並々ならぬ意気込みで作成された記事であることは誰の目にも明らかという。

     記事は「読書の新しいカタチ"デジタルブック"。実は、作品を読むだけじゃなく、作ることもできるのだ。さぁ、キミも作ってみよう!!」という扇情的な導入でスタート。肝心要の原稿については「ワープロで文章を書こう。イラストもあると、なおグッド。」という必要最低限のシンプルな記述にとどめる一方、原稿内に出てくる単語の解説を別ウィンドウで表示させるしかけのつくり方を紹介するなど、昨今の電子書籍端末で当たり前のように実装されている辞書連動機能を激しく先取りしているともいえなくもない内容に仕上がっている。
     

    週刊アスキー完全デジタル化の軌跡


     驚くのはまだ早い。

     この記事を掲載しているEYE・COMの表紙をご覧いただこう。
     

    週刊アスキー完全デジタル化の軌跡


     余談だが、表紙の男性はパシフィック・データ・イメージ社のカール・ローゼンダール社長(当時)で、この会社はマイケル・ジャクソンの『Black or White』のミュージックビデオのモーフィング(曲の後半でいろんな人の顔が次々と変化していく、あのシーン)や、映画『ターミネーター2』のT-1000のモーフィング(液体金属のアイツがヘリコプターの割れたガラスからにゅ~ってコックピットに侵入するところとか)、ワイヤーリムーバブル(スタントマンを吊り下げているケーブルをCGで除去する技術のことで、大型トラックが放水路に飛び込むシーンなどで使用)などを担当していたという。余談終わり。

     ご覧いただきたいのは表紙の右上部分。
     

    週刊アスキー完全デジタル化の軌跡


     おわかりいただけただろうか?

     このEYE・COMは通巻103号。完全デジタル化の週刊アスキーは、奇しくもこの103という数字に1という数字を足しただけの1031号からはじまるのだ。
     

    週刊アスキー完全デジタル化の軌跡


     当時のEYE・COM編集部は、1031号からの完全デジタル化を念頭に入れ、103号のEYE・COMにデジタルブックの記事をこっそり忍ばせた、とでもいうのだろうか…。

     

     週刊アスキー社史編纂室が発掘した資料はこれだけではない。お手元にある1999年6・2号の週刊アスキー36ページをご覧いただこう。『デジタル リーディング入門』という聞きなれない単語の特集が掲載されているが、「電子テキストとリーディングソフトがあれば、きみのパソコンは電子図書館になる。新しいスタイルの読書をはじめよう。」という序文からもわかるように、電子書籍の楽しみ方を紹介する特集であることは火を見ることよりも明らかだ。
     

    週刊アスキー完全デジタル化の軌跡


     タテ27.5ミリ×ヨコ20.6ミリという非常に広大なスペースを4つ(週刊アスキー4ページ分)も使用したこの特集は、『本の将来 出版の未来』というコラムがトリを飾り、MP3プレーヤーの登場で音楽鑑賞の幅が広がった例をあげ、"デジタルの本は、紙の本とはまったく違った読書体験を与えてくれるはずだ"という文章で締めくくられている。そう、まるで、週刊アスキーの完全デジタル化時代を予見していたかのように…。

     この特集が掲載されている週刊アスキーは1999年6・2号。空から恐怖の大王が降りてくるとノストラダムスが予言した1999年、7の月のわずかひと月前のことだ。
     

    週刊アスキー完全デジタル化の軌跡


     驚くべきことに、現状の火曜日発売スケジュールが続くと仮定した場合、週刊アスキー完全デジタル化の最初の号は2015年6月2日の発売となるのだ!!

    週刊アスキー完全デジタル化の軌跡


     週刊アスキー社史編纂室は「電子書籍という言葉が一般的ではなかった時代から定期的に電子書籍をテーマにした特集を作成していたという事実を見逃すことはできない。21年前から読者に電子書籍の存在を印象付けようとしていた編集部の明確な強い意志がヒシヒシと伝わってくる。当時から完全デジタル化のロードマップが描かれていた可能性すらある」と主張して、周囲を困惑させている。

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