はじめに

皆様、まずは北海道胆振東部地震で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
BSC24管理者一同で、今回の地震に関するBSC24としての振り返りを
ブロマガにまとめてみました。
管理者に道民もいますので当時の様子の画像などを共有しました。

BSC24として

テロップレベル

今回、BSC24では最大震度6強(当時)でかつ、都市部の札幌市が近くにあったことから
本年は2回目の紫テロップを使用しました。平成30年西日本豪雨以来です。
対応は間違っておらず適切なレベルであったと思いますが、最大震度7の予測の時点でテロップレベルは、6も視野の範疇(はんちゅう)でした。
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画像はテロップレベルを5+に上げた直後のBSC24第一放送

BSC24の災害警戒放送では

今回の地震でBSC24では即座に放送画面やコメントにて緊急地震速報・震度速報・震源速報をお伝えしました。
ニコニコでは、リアルタイム視聴者数はピーク時で1,352人(3時25分)、累計来場者数は19,709人となりました。
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画像はニコニコの視聴者数推移(2018年9月5日23時~2018年9月6日23時、横軸は累計時間、縦軸は視聴者数)

地震概要(気象庁発表)

地震名 :平成30年北海道胆振東部地震
発生日時 :2018年9月6日 03時07分59.3秒
震央 :胆振地方中東部(北緯42°41.46′、東経142°00.42′)
深さ :37km
規模 :Mj6.7(米国地質調査所はMw6.6)
津波 :観測なし(北海道太平洋沿岸西部に津波予報[若干の海面変動]を発表)
[震度]
-7- :厚真町鹿沼(あつまちょうしかぬま)
-6強-:厚真町京町(あつまちょうきょうまち) 安平町(あびらちょう) むかわ町
-6弱-:札幌東区 新千歳空港 日高地方日高町 平取町(びらとりちょう)
その他、震度5強~1を北海道宗谷地方~埼玉県・新潟県で観測

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画像は震度7を記録した3時07分ごろに発生した地震の震度分布

尚、今回の地震は発震機構は逆断層型となっていますが、
その後の地震活動では横ずれ断層型も発生しています。

今回の地震による被害状況

地震発生により苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所の発電機が自動緊急停止しました。これにより需要と供給のバランスが崩れたことにより周波数が乱れてしまい、発電機が故障してしまうことを防止するため、全て自動緊急停止し、北海道全域に及ぶ停電が発生しました。
この管内全域が停電する現象をブラックアウトと呼びますが、この事象は東日本大震災でも起きず、今回史上初となる惨事でした。

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画像はブラックアウトの影響で光らなくなった信号(撮影:モトちゃん)
※写真撮影時、旭川の一部地域ではすでに復電済みで、ちょうど境目のような状態。信号は光ってないものの街灯が光っているのはそのため。

また、震度7を観測した厚真町では大規模な土砂崩れが複数箇所に渡って発生し、多数の死者が出るなど大きな被害が出ました。テレビの映像を見てもわかる通り土砂災害が顕著に起きていました。筆者自身もあれ程までになるのかと衝撃を受けています。

札幌市清田区では液状化現象が発生し、家が傾いたり道路の舗装が大きく剥がれたりするなどの被害が出ました。

また、地震活動が活発ですでに100回を超える有感地震を観測しています。
震度7の地震の後に発生した最も震度が大きかった地震は当日6日、午前06時11分に発生したM5.4の地震で、速報では震度4でしたが精査の結果、厚真町とむかわ町で震度5弱を観測していることが明らかになりました。
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画像は9月6日3時07分~9月10日22時30分の累計地震回数

また、今回の地震では死者41人となっています。(9月10日20時55分現在)

この地震で現在は北海道内は電力のひっ迫した状態が続き、2割の節電を求められたり
計画停電の検討がささやかれたりするなど、今も大きな影響が出ています。
更に携帯が繋がりにくくなるなどの影響も未だに残っています。
震源から離れているはずの標茶町(しべちゃちょう)では節電の影響で酪農に被害が出始め、
乳牛が死亡するなどしています。
函館市では五稜郭の石垣が崩落するなど、歴史的建造物にも被害が及びました。
札幌や北広島では液状化現象も確認されていて、全壊扱いになった家もあります。
そして影響は本州にもあり、
物産展など物流の滞りから品薄・提供不能に陥った所もあります。
このように、北海道の経済影響が全国に広がるなどした一面も見せ、
地震を受けていない地域も、被害の甚大さを考えさせられる震災になっています。

地震の防災や減災について

Ⅰ揺れたらまずは頭を中心に身を守る!

地震が発生すると当然ながら落下物の危険が出てしまいます。落下物が頭に当たったり重いものに挟まれたりすると生死を分けるような事態になってしまいます。室内にいるときは机の下に隠れる、机がないときにはなにか頭や体を守れるようなものに隠れるなどして身を守ること、また屋外にいるときは倒れやすいものから離れたり、カバンやリュックサック等で頭を守ったりすることが重要です。
また、「地震が起きたら火を消せ」ということが言われてきていたのですが、ガスメーターが揺れを感知すると自動でガス供給を停止します。また、新しいガスコンロは強い地震の発生で安全装置が作動し火が止まります。
地震が起きたら、たまたま火の元にいるとき以外は無理せず、
身を守る行動を第一にしてください。
また、予防として油料理などしている場合は絶対に火の元から離れないことが重要です。
灯油・石油ストーブなども、今のご時世では衝撃や傾きを検知すると、
すぐに止まるような機能が備わっていることが多くなってきています。
揺れが少し収まってから、行動するようにしてください。
また、初期消火には風呂の残り湯が活躍します。(油火災の場合もバスタオル濡らすために重宝します)

Ⅱ停電したら避難する前にかならずブレーカーを落とす!

「地震で停電したらブレーカーを落とせ」と聞いたことがある方も多いかもしれません。
なぜブレーカーを落とさなければならないかと言うと、停電が復旧した後につけたままだった電気ストーブ等によって火災が発生してしまうことがあるからです。実際に阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)で発生した火災は7割が当日発生した火災ですが、翌日以降に発生した火災のうちの大半は電気復旧の際に発生した「通電火災」によるものでした。
稀に「ブレーカー落としていたら復旧したかわからない」という意見もありますが、
その場合は近くの信号・街灯などを確認すれば大半は様子がわかると思います。
毎日点いている電気が窓から確認できないかチェックすると良いですよ。
(隣家では不在のケースもあるので複数棟を対象に)

Ⅲ事前に避難所を確認すること!臨機応変な対応を!

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例えばこのような地形の場合、一番近い避難所は「波本中学校」ですが、地震が発生し津波が来るとなれば波本中学校は浸水の危険があるので上の方にある「山上公民館」や「海見公園」に避難するのが妥当な判断となるでしょう。ただ、土砂崩れの可能性がある場合、「海見公園」が危険な可能性もあるので公民館への避難が妥当となる場合もあります。このような例のほか、川に近い土地などでは避難所を事前に決めておかないと適切な判断ができなくなるかもしれないのです。事前に避難所を確認しておき、かつ災害が起きたら冷静かつ臨機応変に命を守る行動をすることが大切です。

Ⅳその他事前にやれることは事前にする!

事前にできる防災/減災はたくさんあります。例えば「食料備蓄」。推奨されている備蓄の量は1週間分の食料ですが、1週間分の食料と言われてどのくらいの量か想像がつくでしょうか。平均的な成人男性1人の1日に必要なカロリーは2262kcal。タナカシンソー株式会社さんが発売している尾西のアルファ米は最もカロリーの高い「五目ご飯」が出来上がり量260gで1袋377kcal。乾パンは475gで1947kcal。缶詰パン(チョコチップ)は2個入り100gで380kcal。こう聞くと1人あたりだけでもとても多い量です。さらに水も必要になりますが、平均的な成人男性1人の1日に必要な水の量はおよそ2.5L(食事を含む)と言われています。その量を7日分にすれば17.5L。2Lの飲料水の本数に換算すれば9本必要な計算となるのです。これらの非常食や非常水が4人家族や5人家族などになるとさらに大変です。「うちは備蓄しているから大丈夫!」という方も今一度本当に人数×7日分あるかどうか確認してみてはいかがでしょうか。また、防災グッズでも備えることは可能です。食料の他にも様々な防災グッズの確認や購入もこの機会にしてみてはいかがでしょうか。

Ⅴ震災後も絶望せず気をしっかり持つ、前向きに考えて!

実際に地震が起きてみるとわかることがたくさんあります。想定したのと違うことだって当たり前のようにあります。
例えば、地震で家具が倒れ、家電が地震で壊れてしまったからと絶望せずに明るく考えましょう。
例えば家電が古いものなら、修理せずに思い切ってこれを機に新しく買う方がいろいろ良いです。
お金がないのにとは思いますが、古い家電を使うよりも新しい家電を使う方が実はかなり節電になります。冷蔵庫・エアコンは特に重要です。今回の節電に一層協力できます。
炊飯器も、一人暮らし用なら電力も時間も節約できますし、機能重視しなければ安上がりです。
ポットは、魔法瓶タイプならガスだけで済み、電気を使用しません。
使い方を工夫すれば、温泉卵などを作ることだってできてしまいます。

照明はLEDに変えてしまいましょう。白熱電球は節電には不向きです。
ちなみにアルミホイルを電灯のかさにとり点けると、とても明るくなります。
明るさ調節ができるものであれば、一番暗くしても結構なものになりますよ。

不幸にも家が全壊してしまった方はお気の毒ですが、いつまでも愚図っていては
前に進めません。今回を機に新たに不動産を考えるのであれば、
地震に強い構造・地盤などをいろいろ考えてみると良いです。
ハザードマップなどで、その地域が危険か否かも見比べてみてください。
尚、避難所が近いと人がその付近にあふれかえります。治安が悪い地域や火事場泥棒が
出没して窃盗をされる危険性もあるので、セキュリティを強めに備える必要もあります。

また、今後もガソリンスタンドや携帯充電器、コンビニなどで長蛇の列に遭遇することも
多々あり、不快な気分に出くわすこともまだまだ多いと思います。
その際に暇をつぶせるものがあるといいですよ。携帯では余分に電力を食うので
パズル誌とかが意外に活躍したりします。
停電して寒い夜を過ごすときは、新聞紙を丸めて服の間に詰めるとすごく温かいです。
最悪の場合は、本の紙でも良いそうです。
電気○○等を使わずに済みますので是非お試しください。

余談

最近で感じたことですが、やはり多くの人がYouTubeを利用していることに
ニコニコ生放送の衰退を感じます。フォームからは以前に「YouTube拠点にしたら?」というご意見も頂いたほどです。一応、当チャンネルは飽くまでもニコニコ生放送発祥ですのでYouTube拠点にする予定は検討も含め、今後もないと思われます。ただ、はっきりと定めていませんがYouTubeは事実上のミラーポジションとしては扱わずに利用している次第ではあります。
読み上げについてはやはりニコニコ生放送以上にコメントが殺到することから、現状は見送りしています。厳選できればいいのですが、YouTubeのコメントビューアに関しては、今後さらに充実、機能性の向上を検討しています。
 
 
さて、地震から結構経ってもまだまだ落ち着かない状態が続いていると思います。
当ブロマガが少しでもお役に立てていただければ幸いです。
北海道の皆さん、本当に頑張ってください。
今後とも、当放送をどうぞよろしくお願いいたします。

本文編集:ND、ブラックSS、そうし、SC、kuma19
画像作成(本文内):SC、Bookman
写真撮影(本文内):mototyan
サムネイル作成:SC
サムネイル内写真撮影:mototyan、あやっち