どうも、
管理者のNDです。
08月25日は、
明治17年8月台風(1884)から135年です。
この台風は、わが国日本が、"天気予報"という業務を開始した年に襲った、
自然の人間に対する挑戦状とでもいうかのようなタイミングでやってきました。
尚、この台風はこのまま明治史上で最大の台風として記録に残っています。
想定大災害の事例でもこの台風が年号順だと「ケース1」として紹介されています。
この台風による全国の死者は1992人で、西は九州から、東は東北に至るまで、
北海道・関東・東海以外の地域で、この明治最大の台風が日本列島を通過したとされています。
尚、沖縄から北東に進みということなので、沖縄県もこの被害を受けているようです。
また推定されるルートとしては、その後瀬戸内海西部付近を進んだ後に
秋田県に再上陸、そのまま三陸沖まで東北を横断する形になったようです。
岡山県では、高潮の被害が顕著で特に沿岸地域は722人もの人々が死亡しています。
更に広島県では「大津波来襲」という記録が残されていますが、
これは台風最接近時による高潮の被害であったと思われます。
尚、現在の広島県広島市内だけでも被害は甚大で死者は126人、
家屋が潰れたり崩れたりして全壊したものが4000戸近くに上っています。
愛媛でも潮の流れが速いことで有名な今治市周辺や香川県の丸亀などでも
同じく高潮の影響を受け、船舶の被害を始め多数の死者も併せて甚大な被害をもたらしました。
この台風の勢力自体は、風もすさまじく、鹿児島・宮崎・佐賀・高知は
今でいう暴風の特別警報の手前に当たるほどの「颶風(ぐふう)」、
更に、西は長崎から東は秋田に至るまで、大阪も含めて沿岸地域を中心に「暴風」となりました。
この年はどういうわけか、台風の当たり年でもあったらしく
他の台風では東京の大きな祭事も中止になったと言われています。
今回は、
「"絶対ない"はない」をテーマにお伝えします。
台風や地震のたびに、強めの被害妄想をされる方もいらっしゃいますが、
その被害妄想自体は限度はありますが、確率が0とは言えない事象であることがほとんどです。
もちろんそのような事態が実際に襲う確率は極めて低いことに変わりありませんが、
コメントなどを拝見している時、たま~に断定して"ない!"と言い切る人がいますが、
それもそれで間違った解釈になってしまいます。
不安を煽る可能性があっても、正しいことを言う方がここでの放送も含めて重要な事です。
嘘や曖昧な憶測による伝え方は、不安を煽ること以上にやってはいけません。
本来伝える側に求められるのは、いかに不安に煽らないようにするかという面も携わる為、
実際な所、コメントの仕方一つで同じ情報でも不安の程度は一気に変わります。
これは次ぐらいのブロマガで詳しく伝授しようとは思いますので今回は割愛します。
"絶対ない"と言えない事象は簡単に以下のものがあります。
・M6.0未満での1m以上の津波発生
→鳥島近海では火山性による津波地震で1.5mの津波を観測した事例があります。
通常、よく見られる震源での地域で起きることはまずないですが、
M6以上になったら一定の警戒は必要です。(緊急地震速報では情報の誤差もある為です。)
・深発地震で最大震度5弱以上の地震は起こり得る
→今では一つの安全神話とも言えたこの説は滅びましたが、2014年頃まではこの説が根強かった
ものになります。これも2014年の伊豆大島近海地震や、2015年の小笠原諸島西方沖地震が
実例で深発地震でも容赦ないものになりました。なお、このはるか前にも鳥島近海の深発地震で
死者を出す地震など、油断できない事例がいくつかあります。
・台風が日本列島まで来てから発達する可能性も
→温帯低気圧になってからの急発達など、台風としての定義を失っても災害を引き起こすクラスの
低気圧に発展することが稀にあります。また、伊勢湾台風などは日本のすぐ近くで急速に発達した
台風でもあるので決して油断できない面もあります。ある程度の予測ができるとはいえど、
被害を大きくする台風は、予測を上回る発達があった場合に多く、日本上陸の間際にも関わらず
前日の予報より気圧が下がっていたら特に注意です。
・975hpaより上になれば雑魚台風なんて言えもんじゃないです
→強い・非常に強いなどのカテゴリーがなくなっても台風は十分な勢力を持っています。
油断は絶対にしてはいけません。確かに空振りのような台風の通過の仕方も多いですが、
僅かな事象の違いで被害というのは一気に変わります。前回の台風も大丈夫だったから――
という浅はかな考えは自然界では通用しません。
また、気圧だけで見ると思わぬ形で雨台風に発展する時に見逃すことがあります。
よく「白玉」という表現が使われますが、衛星画像で雲が突然湧き始めた台風も
中には存在します。その台風はそのまま温帯低気圧となって日本を襲うことも多い為、
気圧が1000hpaに近くても十分脅威になり得るのです。
・噴火警戒レベル1はあくまで活火山であることに留意すべき指標。
→先日の浅間山や、2014年の御嶽山で散々学んだ通り、レベル1の活火山だって噴火の可能性は
十分に考えられます。登山の時は厳重に注意しなければなりません。
また、レベル3の火山が突如レベル4の予兆に至らず突然の大規模な爆発を引き起こすことは
十分考えられます。富士山なども予兆が見られてから焦るので大丈夫とは思わず、
噴火のリスクを0にしないようにしてください。
・なんだかんだどうにかなるかは、あなたの行動次第です。
→よく災害の話をすると「来たらその時はその時だ」とあしらわれることも多いですが、
お世辞や興味ない話題を避けるために言うならまだしも、心の底からそれを信じていると
結構痛い目に遭います。窮地に突然追いやられた時の備えは少なからず必要です。
・ほとんど揺れがないのに津波が2時間以内に到達することもある
→明治三陸地震で例が挙げられるように、必ずしも津波の高さは規模や震度で決まるものでは
ありません。最近ではめっきり規模の割に高い津波という脅威事例がない為に、
安心しきっている人が多くいることに懸念を感じます。揺れの強さだけが津波の高さに
関係しないことを肝に銘じておいてください。
・気温25度でも熱中症のリスクはある
→熱中症は、気温だけではなく湿度でも関わってきます。また、室内で除湿にすると
逆に空気が乾燥して就寝中に脱水症状に陥る危険性があります。寝る時はなるべく
冷房をつけっぱなしということはせずに、オフタイマー・オンタイマーを駆使すると
節電にも繋がりますし、効果的な冷房の使い方になってくれます。
・コメに苦しむ世界は今世でも起こり得る
→今や世界貿易も豊富になって、備蓄技術もよりよくなったものですから大昔の大飢饉のような
事例はまず発生しなくなりましたが、それでもゼロというわけではありません。
パンが主体の食事になることがあるかもしれません。貧困な食生活に戻らされる日というのも
ゼロではありません。農作物・家畜などの状況に気を配って、高騰化している野菜や乳製品と
いった現状ですから、一たび冷夏や乾燥、逆に台風・日照不足などが集中して襲うと
日本もどうなるかわかりません。当たり前のように市場に並んでいるものが
永遠にあるものと思わずに生きていくことをたまには考えてみると良いでしょう。
・公園にいれば被災することはない
→確かに被災事例は見ませんが、それでも公園が広域避難所になっていて周囲で大火災が
起きている場合、関東大震災と同様に火災旋風が公園のまんなかに突如として出現するケースが
存在します。周りの状況に応じて必ずしも安全と言えず、しかもそれがゼロに近い程
起きた時の死者数や被害は破壊しれないものになりかねないものもあります。
このように、これはないだろうと思っても自然界は人の隙を突いて予想外な形で
襲い掛かってきます。今の内から全部気にする必要はありませんが、
常に最低限、ノーリスクということがないという点はもし被災したら
その時は考えておくと良いでしょう。
今日の記事は以上です。
皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。
明日もどうぞお楽しみください。
尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。
明日は新潟と山形で発生した、羽越豪雨(1967)を紹介します。
尚、8月末~9月は大きな災害が多く、今日の記事も1000人以上の死者が出た台風ですが、
明日も羽越豪雨は104人、同じく26日は仁和地震の推定日でM8.6の南海トラフ巨大地震が発生、
さぞこちらも死者は非常に多く出ていたことでしょう。
更に周防灘台風、寛保津波、戌の満水、キティ台風と割かし有名な自然災害が集中しています。
なお、当ブロマガはどうにか予定通り8月31日を持ちまして連載終了となります。
あと少しになりますが、最後までなんとか公開時間に間に合うよう努めてまいります。
明日も是非ご覧ください。