菊地成孔さん のコメント
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昨日、 QN と JUA くんと3人でリハーサルしてきました。シンガーとバンドではあり得ないやり方ですけど、っていうか、そもそも「ラッパーがメンバーとして組み込まれてるバンド」というのが、どういうリハをやるかというのは、大げさにいうと、世界的に前例がないんですよ。なので、ラッパーでありジャズミュージシャンである、つまりお爺ちゃんであり、孫であるという自分の両義的な属性を生かしまして(笑)、ベストウエイを考えました。
それは、 MC とバンドをパーテしてリハをする、というもので、まあ二重手間なんですけど、一番良い。手順としてはこうなります。
1)細部を詰めずに、ザックリした作曲をする。
2)バンドだけでリハをやり、それを録音して、 MC に送る
3) MC がそれにリリックやフックを考える
と、ここまでなら、 DJ と MC の関係とそんなに変わらないですよね。(2)がデスクトップか、インダステュディオかの違いで。
実際に喧嘩腰になることはないでしょうが(「マネージャングル」のように。あるいは「フリースタイルダンジョン」のように)、だんだんと今「グッドミュージックをやろう。そのためにアンサンブルをちゃんとしよう」という若い人々が増えているので、元々黒人音楽が持っていた勝負の魅了は、コンセプトとしても、アティテュードとしても持ち込もうと思います。それがオーケストラではなくスモールアンサンブルの付加価値でもあるので。
オムスのあれはジャメイカではトースティングと言うのですが、レコードをかけて、ただその上で歌うことであって、バンド演奏によるトースティングであって、一番のびのびできるわけですね。既知の曲にラップが乗るとドキドキするので、スリリングに感じますが、トースティングはバンドもラッパーものびのびです。song-xxはラップとのスポンタニアスな凌ぎ合いがあるので、かなりスポーティーです。
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