菊地成孔さん のコメント
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あんまりにも忙しいので(忙しい時に、「これこれで忙しい」って公表できないの、ものすごく辛いですね笑)、初の試みで、ここ数日で思ったことを箇条書きにしてみます。
1)「今年からこの連載、写真が戻ってきます」と言っておきながらスンマセン。今、スマートフォンを持たない、僕のような人間に対する差別が手酷いことになっていて、完全に、最新型の差別だと思います。「スマホさえ持ってりゃすぐじゃん」という事が多すぎる。断固戦います。写真はスマホを使わずに何とか安定供給します。
2) WACK の代表の渡辺淳之介は、坊主頭しか知らなかったんだけれども、髪伸ばして金髪に染めたら、何とカートコベインにロレックスだなあ。と思っていて、「もしや、、、、」と思っていたら、やっぱりだった(ニルヴァーナ聴いて高校中退したそうです。テレビで言ってた)。
3)キングヌーは、音楽的には、ブルーハーツ型の音楽の教養主義型だから、物凄く図式的に現代的で、大変素晴らしいと思いますが、音楽そのものより、「ウルフ(単独行動)」から「ヌー(群棲行動)」の時代へ、という移行のセンスが素晴らしく、ヴォーカルの人が aiko と愛し合っても大好き!(僕、あんなことしたら、、、、っていうか、そもそも出来ないけど笑、、、、即死しちゃうと思います。脳の動脈瘤が破裂して笑)ただ、「クラシックやってた人は普段はクールで、ステージだとトランスする」という、見飽きたヨーロピアン・ヒステリーは是非モンで超克して欲しかったのでそこだけ残念。タバコを吸うところも藝大っぽい。藝大じゃない組はジャズ組っぽくて、そのミクスチュアもカッコ良いよね。
松本先生のご発言はまあ、松本先生なら通る。と云う話ですが、しょうがないよね。日本語で最初にリリックのスキル。と云うものを出した人なんだから笑。今の「アーティスト」の歌詞は、いい加減に行を埋めてるんじゃなく、切実なだけです。切実しかやることないんですよ。凄い時代ですよ。ジャズをディスったからお返し、とかじゃ全然ないですけど、あいみょんとか聞いてられないですよ。切実なだけで、かつすごい内圧なんで。
僕はラッパーは本当に言葉に向かい合って頑張ってるけど、あれが形式や様式の音楽であり、なおかつ競技だから。と云う理由で、構造的な頑張りだと思います。僕が「ああ、歌詞があるなあ」と思うのは、最近だと文中にあるハンブレッダーズや、冒頭にある渡辺淳之介とかですね。アイドルにはリリックがありますよ。70年代と逆転してる。
作詞家としては、僕は、不倫で潰されちゃったけど僕はゲスの極み乙女と、つんくと秋元康が好きですね。でも、一番好きな作詞家は菊地成孔です。「普通の恋」とかはスキルに偏ってるし、切実さ頼みなんで、作詞としては中程度だと思っています。「背景ミスインターナショナル」とか、「DRIVE」とか、「フロイドと夜桜」とか「インターナショナルクラインブルー」とか「大人の唄」とか、「フォーエヴァーモーツァルト」とか、我ながら作詞の汎用スキルあるよなあ。とか思うんですが、マジで全く売れないんで笑、逆にわかります。キングヌーやヒゲダンスが売れることが(やっかみやディスじゃないですよ。「ああ云うのが売れるものだな」と明確になります。本当に)。
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