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菊地成孔さん のコメント

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菊地成孔
>>30

 「躁鬱 SOU・UTU」ですね笑。あれもマジで素晴らしいです。「サルトルで眠れない」とか、要するに、「フレンチ好きでもない癖に」あれが書けるので、そこがすごいです。大貫妙子さんが書くとか、高橋ユキヒロ(当時)さんが書くとかじゃなくて、「フレンチロリータ歌謡」として秋元康が書いてしまう。というのが、後の「一番偉い人へ」とか、「川の流れのように」とか、全部が本業じゃないし、全部が本業。という感じで、数少ない、日本の、本物の職人だと思いますね。

 48グループへの提供も、演繹的/巨視的に「アイドルグループが本業じゃないのに(以下同文)」という言い方も出来なくもないですが、単なる作詞家ではなくGP&CEO業兼。「アイドル」というカルチャーの、マーケットを超えた文化的な肥大。という係数を入れると、秋元康は単純に「変わったのだ」ということができます。何でも演じられる天才だった渥美清が、生涯を車寅次郎役に捧げた、という形式に似ていると思っています。もう「奇跡の職人芸」は見れないし、引き継ぐ者も見当たりません(僕も無理)。

 セシルとセシルだけではなく、当時、一つのコンテンツとしてカウントされていた「擬似フレンチロリータ/アニュイ」という枠があって、まあ、好景気熱病みたいなもんですが笑、僕の青春というか、気が緩むとアレになっちゃうんで笑、自分のルーツの一つとして大切にしながら、エモい物や技巧的な物を書いています。


No.33
50ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 あんまりにも忙しいので(忙しい時に、「これこれで忙しい」って公表できないの、ものすごく辛いですね笑)、初の試みで、ここ数日で思ったことを箇条書きにしてみます。    1)「今年からこの連載、写真が戻ってきます」と言っておきながらスンマセン。今、スマートフォンを持たない、僕のような人間に対する差別が手酷いことになっていて、完全に、最新型の差別だと思います。「スマホさえ持ってりゃすぐじゃん」という事が多すぎる。断固戦います。写真はスマホを使わずに何とか安定供給します。    2) WACK の代表の渡辺淳之介は、坊主頭しか知らなかったんだけれども、髪伸ばして金髪に染めたら、何とカートコベインにロレックスだなあ。と思っていて、「もしや、、、、」と思っていたら、やっぱりだった(ニルヴァーナ聴いて高校中退したそうです。テレビで言ってた)。    3)キングヌーは、音楽的には、ブルーハーツ型の音楽の教養主義型だから、物凄く図式的に現代的で、大変素晴らしいと思いますが、音楽そのものより、「ウルフ(単独行動)」から「ヌー(群棲行動)」の時代へ、という移行のセンスが素晴らしく、ヴォーカルの人が aiko と愛し合っても大好き!(僕、あんなことしたら、、、、っていうか、そもそも出来ないけど笑、、、、即死しちゃうと思います。脳の動脈瘤が破裂して笑)ただ、「クラシックやってた人は普段はクールで、ステージだとトランスする」という、見飽きたヨーロピアン・ヒステリーは是非モンで超克して欲しかったのでそこだけ残念。タバコを吸うところも藝大っぽい。藝大じゃない組はジャズ組っぽくて、そのミクスチュアもカッコ良いよね。  
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