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菊地成孔さん のコメント

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菊地成孔
>>5

 大変なお褒めに預かり、望外の喜びです。ありがとうございます。近松は読みますよ。歌舞伎が好きですしね。驚いてらっしゃるのは、僕が近松を読んでいる、という事より、井上陽水の作詞の中から近松が召喚された。という事実それ自体にではないでしょうか?

 とにかく陽水さんは声と旋律が素晴らしすぎるので、「何を言っても自然に美しく聞こえてしまう」という力を持っていて、この力を何と呼ぶのか?マイルスは、ジョアン・ジルベルトの歌声を聴いて「奴ならレストランのメニューを読むだけでも、聞くやつをうっとりさせちまうだろうよ」と言ったとされていますが(実際は言ってません笑)、逆に言えば「伝わらない」側面もあるので、まあ色々とありますが「氷の世界」と「傘が無い」と「夢の中で」だけを取り上げて天才だ点差だというやつはバカだと決めつけています笑(あれはどんなにショッキングでも、ポエジーの中にちゃんと整合性があるので。「都会で自殺する若者が増えている」と「君のところに行かなくちゃ」と「でも傘が無い」の流れを大変な飛躍という人が多いんですが、全飛躍ではないです。ライオンとペリカンのがはるかに飛躍ですよ笑)。

 何せあのとり・みき氏をして、「今までの人生の中で誰がズリネタ(女性読者の皆様失礼)だったかと言われれば、自分は全おナニーの中で、半数以上を原田知世でした。と断言できる(大意)」とまで言わせしめた、オタクさんのベイブである原田さんですが(一度だけお目にかかって、お話をしたことがあります)、僕は「黒いドレスの女」では抜けますが「時かけ」では抜けないですね(女性読者の皆様失礼)笑。ブルマ姿は高い確率で抑圧だと思います。

 何れにせよ「君の名は。」という、実際に、正体も血筋も非常にわかりにくい映画が、結構モロに「時をかける少女」の子供であることは、僕も今回の大林追悼オンエアで身にしみました(文中ある通り、新海監督自身がどれぐらい意識しているか?とか、そういうリージョンの話ではないです。映画は乱婚の多産系なので)。津田ゆかりさんがお好きなのは大人なセンスですね笑。

 

 

 
No.10
49ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 こんなご時世、僕のゾーンである、飲食業、百貨店、何よりライブハウス、クラブ等々が実質上の閉鎖に追い込まれている中、「文筆家」としての仕事はむしろ活性化しておりまして、やたらとインタビューとかが多く、最近はみなさん疲れ果てていらっしゃるので笑、僕が紙媒体に記事書いたら何でも飛びつく。という程の体力ない方が多いと思うんですが、実際、読まなくてもいいような物も笑、絶対読んだ方が良い物もあって笑、まあまあ、あれは○、これは ✖️ みたいな事ぁ言いませんが、「 pen 」の陽水さんの特集は良いですよ(僕の記事も、他の方の記事も)。    最近感じているのは、新規の方の台頭ですね。アニメやってて助かった!!笑という感じですが笑、 SNS もやらない五十六のおっさんの事なんか誰も知らないだろうと思っていると、最近「発見」される事が多く、そのほとんどがアニメ経由なんですが、これはもうしょうがない笑。何が言いたいかっつうと、「そんなん、とっくに見てますよ」「オンエア時に観た」という大向こうの皆さんではなく、一見さん、ビギナーさん用に     こんな事 してたんですよね過去は。これ、井上陽水の「 妄想ハイウエイ 」っていう番組で、確か2007年かそこらだと思います。「情熱大陸バブル期」って言いましょうかね笑。    「 pen 」の編集者の方が、この番組を知ってのオファーかどうか、とにかく「こういう記事をやりたいんだよね」というこちらのツボに思いっきり入った企画と言いましょうか、統計的に年に1つないからね笑。2年に1個とかなので笑、是非お読みください。陽水さんの音楽を一切知らない。という剛の者でも、楽曲は全て楽曲名検索で聴けます。  
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