菊地成孔さん のコメント
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ブルーノート公演の現場にお越し下さった方、配信をご覧になった方全てに感謝します。まあ、配信の歴史は始まったばかりだから模索中だと思いますが、要するに「ハイブリッド凄く良い。でも今のブルーノートのやり方じゃダメ」つうことですね笑。
なので、現場のブルーノートの配信にダメ出すとするなら
1)あんなダサい「オープニング映像」1個作って、「よし!コレでロゴ出来た」みたいにひと安心し(あれ金かかってるし笑)
2)中継の画像にイマジネーションが無く、むしろ(1)に金かけちゃって、中継にかける金をケチっている限り
非常に正しいご指摘だと思います。演奏動画には必ずキーパンチフェチの人が多くいますし、中継と現場鑑賞は繋がっていながら別物なので、同じ営為から全く違ったものが見える。僕は、「誰かがソロをとってるとき、メンバーが楽しそうに見つめる」と言う絵があんまり好きではなくて、なぜなら、演奏家が、本当に自然にそうなるなら良いんですが、多く、もう「写りを考えている」結果、だからなんです。
ミンガスのバンドにドルフィーが帯同した、ドルフィー最後のライブ動画がありますが、とんでもない望遠を使って、ホールの一番後ろのカメラ位置から、立ってバスクラ吹いているドルフィーや、隣に座って出番を待っているプレイヤーがアップになるんですが、撮られてると思ってないので、もう、めちゃくちゃ表情が自然なんですよね。隠し撮りもとても重要ですね。
僕は、オーディオコメンタリーで解説をつけて別売すれば良いとも思っています。「今、そんなに客は湧きませんでしたけど、地道にエグいことしましたね、ベース」とか、「はいここまでは手グセ、まだ手グセが続きますね、、、あ、今、手グセ抜けた!」とか、解説すればいいんですよ。僕できます笑。
ただ、昭和の「中継」は、放送権料を巡る、各団体とテレビ局の大商売だったんですよね。今からそこには一足飛びには戻せません。一回、デジタル力と、引退した人の技術力、つまり、新旧の力を使った、新たな「令和中継」を一回作り上げて、それが売れるコンテンツになる。と言うことを、金が欲しい人々にプレゼンしないといけないんですよね。
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