菊地成孔さん のコメント
このコメントは以下の記事についています
なんか仕事日記みたいになるのはどうかなあとは思うんですが、年内の大仕事が昨日全て終わりまして
1) JZ Brat の新クインテットのライブ
2)サントリーホールのぺぺトルメントアスカラール15周年公演
3)ドスモノスのリミックス( JAZZDOMMUNISTERS 名義)
4)ファイナルスパンクハッピーの MV 完成(僕は監修)
5)「岸辺露伴は動かない」の劇伴納品
6)「次の東京オリンピックが来てしまう前に」のゲラと表紙デザイン打ち合わせ
と、我ながらよくやったなあ(「偉い / 頑張った」という意味ではなく、「よくこんなにも雑多なことを短期間に」といった)と思います。これ、周到な準備期間も含めたとしても2ヶ月で全部やったんで。
来月皆様と直接お会いできるイベントは
A )12月10日 JAZZ DOMMUNISTERS ライブ渋谷7 th フロア
B )12月14日 名越先生とのトークイベント 晴れ豆
C )新宿ピットイン3デイズ
19 菊地×林正樹
24 菊地×山下洋輔
25 菊地×大友良英
*申し訳ない。すでに3日とも完売です。満員御礼
いやまあペストの時もエイズの時も、言っちゃあ結核の時も、免疫による自己防衛がないがしろにされ、世界が夜警国家みたいになった時はあったんですよ。エイズなんて、免疫を無くしてしまうのだから最強ですよね。あれも世界を変えました。ゲイ差別の意義を根底から変えたし、コンドーム等々「セースティセックス」という考え方がリベラルと結びついて、現在のアンチセクシスト的な正義を培ったと思います。
ただ、現在は、ご指摘の通りSNSがあるので、相互監視システムでもあり、相互懲罰システムでもあるハンディオブジェクトが行き渡ったという事実ですよね。「SNSをやってる人たち」の名は、これは皮肉も含まれますが、「シチズン(市民)」で良いと思います。シチズンは書物がない時代には本なんて読まなかったし、新聞がない時代は新聞なんか取らなかったし、テレビがない時代はテレビを見ませんでした。、こうした旧来メディアは、今では自主的に拒絶ができる余裕を獲得しました(衰退によってですが)、僕はコロナよりも強力なウィルスはSNSだと思いますし、「SNSはやりたい人だけがやる」という自由を手にする日は、そんなに遠くはないんじゃないかと思っています。まあでも、まだまだ法規制が甘いので、まずは法規制ですね。SNSへの法規制の甘さが、コロナによる条例のあり方など、法規制の曖昧さに直結していると僕は思います。
ラジオデイズでも言いましたが、ツイッターに、僕がトランプ支持者だとして「取り返しがつかない悲劇が起こってからでは遅い。と菊地は肝に命ずるべきだ(ライク20ぐらい?」と書かれましたが、これは、典型的なミラーリングの例としてとりあげました。ツイッター使用者にいうべき言葉が、ツイッターから出てきているからです。これは恐ろしい状態、と言うか、最終段階であって、ホッブスの言う「万人の万人に対する闘争」の状態、つまりファシズム前夜ですが、今、SNSによって「政府の(コロナやオリンピックに対する)態度が曖昧である」と言う批判をしている全員は天に唾を吐いていると思います。SNSこそ、規制や緩和に関して曖昧であり、投票数よりもはるかに多くの人々が掌中握りしめてるわけなので。
これもご説の通り、トランプは開放系で、経済人だったことにより、スーパードラスティズムを体現したわけで、最初はフリーメイソンに票田があるとか、陰謀論的な視点が通用しましたが、もう、トランプはトランプでしかない。という状態まで行ったのがすごいと思います。バイデンによって古い陰謀論は復古すると思いますし、シチズンは濃淡は別として陰謀論者なので、安心はするでしょう。トランプを怖がり、嫌悪する人々は、陰謀論の使用を禁じられる恐怖と嫌悪によってアティテュードを決めたと思います。
Post