菊地成孔さん のコメント
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「粋な夜電波」の第一回をお聞きいただくと瞭然とするかと思いますが、僕は世が安定しているよりも、世が混乱している時の方がワクワクする一種のキチガイです。夜電波は、ああいった国難があったのにも関わらず、というか、あったからこそ、ですが、躁状態が抑えきれないまま番組が始まりました。
昨年20周年のツアーを敢行した DC/PRG も、ファーストアルバムのリリパから3日後に合衆国で同時多発テロが起こり、そのままガツガツに活動し、イラク戦争で米軍がバクダードに侵入した時に活動を一旦やめ、半ば騙されるような形で笑、活動を再開したら震災が起こり、国難をバックグラウンドにインパルス!と契約し、気がつくと昨年20周年を迎えました。
コロナ禍も、僕には困窮や辛苦は与えていません。ペペトルメントアスカラールの15周年の特別公演は、予定はされていましたが、まさかサントリーホールで行うことになるとは思ってもいませんでした。フライングになりますが、「今週の1曲」の次回と次々回は、サントリーホールの公演からカッティングした曲をお届けします。
楽器を手にすることは非常に素晴らしいことで、途中で飽きてやめてしまったとしても大変貴重な経験です。打楽器は管楽器よりもストレートに音が出るし、全身運動としての屈折がないので、腰さえ気をつければ(カホンは腰を壊しやすいので)演奏の喜びに近い位置にあります。古い楽器であればあるほど(打楽器はおそらく、声に次ぐ最初の楽器だったでしょう)、そうなります。プリミティヴであればあるほど人との親和性は高くなります。しかし、楽器を使わなくとも、放っておけば常に聞こえてくる音楽と一体化すること、それが出来れば(出来ない方がまだまだ多いです)その人は音楽家です。神の加護を。
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