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菊地成孔さん のコメント

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菊地成孔
>>17

 *santafede33さん、僕はカソリシズムの典礼等々に関して大変に不勉強なので、もし僕の思い違いや記憶違いなどがあったらご指摘ください。


 閲覧者の方々に一応の補足をさせて頂ければ、今回santafede33さんがレポートされているのは、「灰の水曜日」(調べてみたら、今年は2月17日でした)のミサ(礼拝)、および、その日に向けて行われる謝肉祭=カーニヴァル(これはメキシコに限った話ではありません)のレポートだと思われます。

 灰の水曜日は数多くの映画に描かれており、その日に読まれる祈祷書には「汝はもともと土から生まれたので、まもなく土に返る(以下は忘却)」。とあったと記憶しています。オーソンウエルズがメキシコで撮影した「ドンキホーテ」に出てきたので記憶しています。

 メキシコには有名なカーニヴァルがいくつかあるのですが、どれのレポートまではわかりませんでした。また、文中にある<200年前の20年代>は<第一次メキシコ帝政の崩壊による、メキシコ「合衆国」の成立>、そして<本当の射程は、500年前を見据えております>というのは、<スペイン人コンキスタドール、エルナン・コルテスの上陸から、彼らがアステカ帝国を滅ぼし、「ヌエバエスパーニャ(新スペイン)」の名の下に、スペイン帝国の副王領(「副王領」は植民地ではなく、国外県に近い存在で、帝国の<副王>が統治することが名称の由来です)になった>という、つまり、中米史上、「19世紀、16世紀、それぞれの20年代」を示していると思われます。メキシコの歴史については(おそらく)詳細なものが検索でお探しになれるかと思われます。

 因みに僕の「記憶喪失学」ジャケットは、メキシコに於ける壁画運動のパスティーシュで、イマジネーションはディエゴ・リベラ(フリーダ・カーロの夫)の作品であり、リベラに作品を書かせたのはメキシコ最初の文部大臣、であり、哲学者、詩人でもあり、有名な「宇宙的人種」というアジテーションを書いたホス・バスコンセロスです。「壁画運動」はメキシコ革命下のメキシコ「合衆国」で始まったメキシコルネッサンス運動の一翼で、一度中断しますが、バスコンセロスが再開させます。彼は公共建築の壁面を若い芸術家に開放しました。リベラが参加したのは1920年代、すなわち、アメリカ「合衆国」が馬鹿騒ぎをしている時です。

 海外在住者会員の方は幾名かおられますが、santafede33さんからのレポートは常に僕を鼓舞して下さいます。

 お名前の由来に関して推測を巡らすのは如何なものかと思いますが、僕は勝手に、イタリアの画家、ファブリツィオ・サンタフェーデに由来しているのではないかと推測しており、その根拠は、僕が好きなミケランジェロ・メリージ・ディ・カラヴァッジョも描いたテーマである「羊飼いの礼拝」(このテーマによる宗教画が、一体何枚あるのか、僕には憶測もできません)も、サンタフェーデは描いており(カラヴァッジョと、時代は大きく違いますが)、大変に感銘を受けた。という個人的な記憶が、santafede33さんのレポートと繋がっているからですが、何れにせよ妄想に近い憶測です。詳細は分かりかねますが、親戚の方のご冥福をお祈り申し上げます。

 
No.24
39ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 ディナー時間の生活支配力はただならぬ物があり、生活時間が一向に夜型に戻らない。「大恐慌のラジオデイズ」の収録だけが0時からでないと気が乗らないので、0時から早朝にかけてやっているが、コレもその内21時ぐらいから始めるような気がする。    ここ最近はメールボックスに届くファンメールが増えている。2000年代のファンメールを数えてみたら、年間3通とかいう年さえあり、それはこのブロマガを始めても変わらなかったのだが、「拾った CD をかけっぱなしにして質問に答える」の影響もあってか、今年に入ってから急増している。    そのほとんどが長文である。人々は長文に飢えているのだろうか。そしてその多くが、ライブの感想とかではなく、人生相談に近い。時代の推移を感じる。「スペインの宇宙食」を出したばかりの頃(もうそろそろ刊行20周年である)は、長文しか来なかった。過日「10年ひと昔」という言葉があったが、やはりコロナ禍の影響か、「ひと昔」は20年になったのだろうか。  
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