菊地成孔さん のコメント
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浜松でのペペトルメントアスカラール公演も終わりーーそもそも馬体の大きさから動きの悪いオルケスタは、東名阪という業界のプライムサーキット以外では高崎しか公演経験がないので、地方公演には格別の味わいがある。静岡県は蔓延防止法も緊急事態宣言も適応されておらず、国道沿いのファミレスなどが22時を過ぎても普通に客を入れていて、 SF 小説の様だったし、ホールいっぱいの観客が全員マスクをして、叫べずに静かにしている光景にも、雅やかに見える程度には慣れた。お越し頂いた皆様に於かれましては暖かいご声援に感謝しますーー6月になった。高い確率で、「人前に出ない6月」はプロになって初めてだと思う。短いトークイベントすらない。
演奏という天職一筋で暮らしているジャズミュージシャン達がどれほどダメージを受けているか、現在の状況が、鬱的な素質を持つ人々にどれだけ辛いものかは、僕なりにはわかっているつもりだが、何か、夏休みの様な気分しかない。
それは素晴らしい。最近は歌舞伎にもとんと行かなくなっちゃっているので羨ましい限りです。大河内は戦前の丹下左膳が国民的な当たり役ですが、「姿三四郎」と「虎の尾を踏む」は、黒澤が大・大河内を戦後的に蘇生させた好例だと思います。あの弁慶の格好良さは半端ないですね。
戦前はもとより、昭和の40年代ぐらいまで、好事家でなくとも、床屋の親父から、飲み屋の大将から主婦まで、国民は皆、古典芸能へのリテラシーが高かったですね。談志はモダン志向と古典志向に引き裂かれ続けた悩める名人ですが、特にマクラのモダン志向は、僕もわからないところがあったりします笑。
というか、ソシュールの共時性とか言い出さずとも、言語は全てそうなるんですよね。僕も室町時代まで行ったら暗号ですし、僕の文章も、そろそろ現代の若者には危ないな、と思っています笑。
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