浜松でのペペトルメントアスカラール公演も終わりーーそもそも馬体の大きさから動きの悪いオルケスタは、東名阪という業界のプライムサーキット以外では高崎しか公演経験がないので、地方公演には格別の味わいがある。静岡県は蔓延防止法も緊急事態宣言も適応されておらず、国道沿いのファミレスなどが22時を過ぎても普通に客を入れていて、SF小説の様だったし、ホールいっぱいの観客が全員マスクをして、叫べずに静かにしている光景にも、雅やかに見える程度には慣れた。お越し頂いた皆様に於かれましては暖かいご声援に感謝しますーー6月になった。高い確率で、「人前に出ない6月」はプロになって初めてだと思う。短いトークイベントすらない。

 

 演奏という天職一筋で暮らしているジャズミュージシャン達がどれほどダメージを受けているか、現在の状況が、鬱的な素質を持つ人々にどれだけ辛いものかは、僕なりにはわかっているつもりだが、何か、夏休みの様な気分しかない。