菊地成孔さん のコメント
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真夏が来た。 NHK が「いだてん」を集中放送している。とても良い。残念なのは、オリンピック直前の集中放送だという点である。僕は、メディアで言っても言っても全然使って貰えなかったので、仕方なくここに書くが、今年の大河は「いだてん」の再放送が一番良いと思っていたし、もし大河枠の再放送が無理だったら、3ヶ月ぐらいかけて全話を集中再放送するのが良いと思っていた。
有名なリーフェンシュタールの「民族の祭典」のを引き合いに出すつもりはないが、国民に政治的な偏向を与えたかったら娯楽が一番だ。ゲッペルスのいうとおり。「いだてん」は本放送当時、国民が落ち着いてゆったり鑑賞できる状態ではなかったし、今となっては振り返る(想起)するのにも鬱陶しい何かがへばりついてしまっているが、近代日本史の勉強になるし、歌舞伎俳優がテレビに出た時のスキルと演技プランが同じすぎて(大人計画も、ちょっとそう)、画面中の演技群
僕は、夏というものは太陽光線による浄化と、過去と未来からの時間が繋がる季節だと思っています。赤道直下の国々にゆくと、それをなおらさ感じます。人類は破滅に向かって悪く悪く進化しながら、ものすごくしぶとい生き物なので、直前までどんなにどんよりとしていようと(僕はしてませんが笑=非常に楽しみです)、オリンピックに素直に感動する可能性も持っていると思いますし、何か途轍もないひどいことが起こるかもしれません。人類の進化は、中間的であり、両義的である、宙吊りの状態に耐えられない状態に至っています。50歳であるならばモスクワ五輪はご記憶ですよね。あれは暗鬱な大会で下が、今ほど誰もが国際政治に興味がなく、「曖昧に」シカトしていたと思います。「テレビで見ます」とありますが、今回は原理的に全員がテレビで見るしかないので、そこも期待しています。
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