菊地成孔さん のコメント
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真夏が来た。 NHK が「いだてん」を集中放送している。とても良い。残念なのは、オリンピック直前の集中放送だという点である。僕は、メディアで言っても言っても全然使って貰えなかったので、仕方なくここに書くが、今年の大河は「いだてん」の再放送が一番良いと思っていたし、もし大河枠の再放送が無理だったら、3ヶ月ぐらいかけて全話を集中再放送するのが良いと思っていた。
有名なリーフェンシュタールの「民族の祭典」のを引き合いに出すつもりはないが、国民に政治的な偏向を与えたかったら娯楽が一番だ。ゲッペルスのいうとおり。「いだてん」は本放送当時、国民が落ち着いてゆったり鑑賞できる状態ではなかったし、今となっては振り返る(想起)するのにも鬱陶しい何かがへばりついてしまっているが、近代日本史の勉強になるし、歌舞伎俳優がテレビに出た時のスキルと演技プランが同じすぎて(大人計画も、ちょっとそう)、画面中の演技群
オリンピックの開会式のことは、マジで収録中に忘れてたんですよね笑。でも、そういうことです笑。何で世界中でこんなに英語が通用するのか?スペイン語もかなり通用します。フランス語も(ラジオデイズで申し上げた通り)すごいですよ。
一方で、日本語とドイツ語とイタリア語が通用する国が少ないのは何故なのか?そして料理と音楽ではイタリア語がベーシックになり、医学と登山ではドイツ語がベーシックになり、日本語はどのジャンルでベーシックになっているのか?と言ったことは、詰まらない、面倒くさい話じゃないんです。
僕はもっと、青年期の人々が世界史を学ぶべきだと思います。インターネットは、恣意的に使えばかなり便利な道具ですが、受動的に使うと、誰かの、何らかの目的によって、「今」しか知らなくなり、「今」の堆積だけが歴史となってしまいます。そして「今」は、何も知らないのに、何でもわかってると思ってしまっている人々が集団化して力を持っている、恐ろしい時代です。この時代を楽しみながら乗り越えないといけない。世界史を学ぶのはその有効な方法の一つだと思います。
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