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菊地成孔さん のコメント

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菊地成孔
>>10

 あの時は(掘り返しても全然構わないですよ笑、黒歴史でもないし笑、TBSさんにもなんの恨みもありませんし)ヤバかったですね。大儀見を呼ぶと決めたものの、ラジオ的にガンガン喋る(空間を埋めてしまう)ということが出来ないな今日は、と思っていたのですが、実際に演奏のようになりました。

 僕は、生徒さんに「先生」と呼ばれるのが平気になったのは、本当にここ数年です。50過ぎてからですね(ネットとか、あだ名で呼ばれるのは、大吉先生みたいでアレなので別に良いのですが、実際のペン大の生徒さんに)。それまでは結構律儀に、最初の授業の時に「それではこれから、長いと10年間お世話になります。菊地と申します。よろしくお願いします。先ず最初に、皆さんにお願いがあるのですが、僕を<先生>と呼ばないでください。授業中のご質問の際にも<菊地さん>と言って頂けるとありがたいです。<先生>と呼ばれると緊張するので笑」とアナウンスしていました。

 遠隔の生徒さんもだいぶ増えてきました。実際のペン大と違うのは、習っている方々の顔が見えない、というのと、カリキュラムが、生徒さんにとって、直線的に進むわけではない。ということですね。非常に興味不快です。

 音楽を学ぶことを、僕はエリート育成とか、専門教育だとか思っていません。スポーツ観戦のように、ルールを知れば、今よりも、もっと楽しむことが出来る。という事だけなんです。音楽だけではなく、食事も、セックスも、ダンスも、読書も、生きる事全ては、ちょっとのコツで、もっともっと楽しくすることが出来るんです。道を歩くだけだって、コツさえ知れば、もっと楽しくなります。どうせ人生は苦しいのだから、我々は、全員が、もっと楽しむべきです。僕が<先生>として教えられるのは音楽だけなので、そうしていますが、それはきっと、僕が、いつの間にか、ですが、生きることを楽しんでいるからだと思っています。
No.12
35ヶ月前
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 セネガル人のママドゥは、ルノアール渋谷店のソファに座り、スマホをいじっていた。色々な手配が必要だからだ。ミリ単位で綺麗にシェイヴされた髭、アフリカ人の特権である、どれだけ宝石を身につけても下品にならない茶褐色の肌、痩せ型でとても静かに話す。北米だったらゲイピープルと目されるだろう。ママドゥは足元の大きな袋を指差し、在日アフリカ人独特の無表情で「あ、この中にあるから」と言った。    元 DMR 、現在は HMV ヴァイナルシブヤの上にあるルノアール渋谷店は、他の多くのルノアールと同じ、壁面ウインドウを誇っていた。僕は基本的に渋谷は使わないが、ヴィロン(パン屋がやっているブラッセリー)とプラザ(水槽型の巨大なプールが設置されているラブホテル)といくつかの映画館をごくごくたまに使うので、道玄坂より東へはストリート1本でも全く通らない。  
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