セネガル人のママドゥは、ルノアール渋谷店のソファに座り、スマホをいじっていた。色々な手配が必要だからだ。ミリ単位で綺麗にシェイヴされた髭、アフリカ人の特権である、どれだけ宝石を身につけても下品にならない茶褐色の肌、痩せ型でとても静かに話す。北米だったらゲイピープルと目されるだろう。ママドゥは足元の大きな袋を指差し、在日アフリカ人独特の無表情で「あ、この中にあるから」と言った。
元DMR、現在はHMVヴァイナルシブヤの上にあるルノアール渋谷店は、他の多くのルノアールと同じ、壁面ウインドウを誇っていた。僕は基本的に渋谷は使わないが、ヴィロン(パン屋がやっているブラッセリー)とプラザ(水槽型の巨大なプールが設置されているラブホテル)といくつかの映画館をごくごくたまに使うので、道玄坂より東へはストリート1本でも全く通らない。
コメント
コメントを書く今回は読まずにコメントを書いています。マイペースで読みます。
父が病床に付しました。70歳で、巨漢です。いつか来る日がとうとう、私が手をくだす前ににやってきたなぁと思いながら、恨んでいるはずの父と、数日おきに病床で面会して、話をしています。
母が父との面会を一切拒絶しているので、仕方なくやることから始まったのですが、今では日常化しています。
元愛人らしき人や、明らかな元不良の方が、何人も続けてマスクをして見舞い来るのですが、私が倅だと知るとお土産だけおいてすぐに帰ります。点滴繋がっている父は誰かが持ってきた酒を片手に、乾杯するぞ、と言ってグラスを要求してきたので、恥ずかしい死に方したくないなら今だけはやめておけと言って断りました。病床でもマウントを取りたくて仕方ないみたいです。看護師さんのケツを触ろうとした時は躊躇なく痴漢ジジイの下品な手に右ストレートを入れました。
これから迫りくるく感情と、仲良く過ごそうと思います。
詳しい事はここには書けないのですが、毎年どこかの会社が行っている刑務所の樹木剪定の仕事を、今年は私達が行いました。クレーンで高木の剪定をしていたら、一度中断してくれと刑務所サイドから要請があり、ゆっくりクレーンを降ろしていると受刑者が出所して来ました。
>>13
まあ、日記を読んだところで、内容は一緒ですよね笑。最初にお願いがあります。他のことならともかく、この件に関してのみは、裏回しに、つまり僕と私信で往復しましょう。でないと、コメ欄に独立区ができることになりかねません。
お父様が病床に伏された、というのは、端的に、まだ、という意味では、最も来て欲しくなかったネクストステージですから、さぞかしめんどくさく、さぞかし辛く、さぞかし苦しいと思いますが、これは仰る通り、これから去来する感情と仲良くすべきですし、お父様への殺意を取り払うか、解除するか、とうとう取り払えずにお父様が亡くなってしまうのか、お父様は意外としぶとく、今回の入院ではとりあえず寛解して退院なさるか、誰にも読めません。僕からは、最初に申し上げた「ボクシングを始めてくれ」「続けてくれ」という提案以外、一切何もありません。
ただ一点だけ、あなたは大変な文才があります。すごく簡単にいうと、このコメントも、大変なことを書いているのに、「感動させるし、かっこ良い」文章なんですね。プロフェッショナルと言えると思います。文章力がある人間は、本当の本当の感情を外に出さなで隠す能力を持っています。あなたのお父上が亡くなった時、あなたがあなたの本当の本当の心の声耳を澄ます一手前に、あなたの文章が、ある構造を持ってあなたを代弁してしまう可能性もあるんです。
僕の勝手な欲ですが、あなたには、自分と向き合ってもらいたいです。そもそも「父親に殺意」があり、それにそれなりの説得力の根拠があっても、あなたは根底からの声に動かされているだけで、あなたと全く同じ境遇うに生きて、良いうか、あなたの代わりに、あなたとして生きて、お父様に殺意を全く抱かない人もいるんです。ここが重要です。あなたは大分タフになったり、大分落ち着いたので、自分で乗り越えられるでしょうが、これからの日々は正直言えばきついと思います。何かあったら私信でください。日記にフックしたコメントまで禁じている、ということではありませんので、あしからず。いつでも応援しています。
>>14
ありがとうございます。私信とは、ラジオデイズでお送りしたアドレスでよろしいですか?
色々と、個人的すぎるので悩んでいました。
ありがとうございます。
>>15
ラジオデイズの宛先(ファンメールアドレス)で大丈夫です。
>>11
ご返信ありがとうございます。最近、メキシコの若い女子の日記を毎日読むという仕事をしているのですが、色々考えさせられます。
2倍あったはずの、書かれなかったことを考えてしまいますね。いつも日記を読む時は、たしかに、書かれたこともそうですが、書かれなかったことに気が向いてしまいます。今年日本に帰った時に、机の前に菊地さんと大谷さんと一緒に写っている写真が机の前に貼ってあって、その時に菊地さんと握手したことも思い出しました。色々と感じました。
全く関係ないのですが、昔、タブラのバヤを持ってきた時にメキシコの税関で止められて、なんだコレは?何に使うんだ?と聞かれたので、「シャブシャブ用の鍋です」と答えて通過したことをふと思い出しました。
ちなみに、メキシコのコンフィであるカルニータは銅鍋推奨です。
サバールの演奏楽しみにしております。どんな音になるのか、とても楽しみです。その音は、是非生で聞きたいです。
初めて行ったルノアールは、小田原駅の近くだった気がしますが、このカフェには昆布茶があるんだ!と感動し思わず注文したことを思い出しました。更に、昆布茶と一緒におかきが出てきたような記憶もあります、10年以上前です。笑
>>17
「書かなかった事」は、前コメントでも触れられていた「大儀見が大変だった事」です。あの時も僕は事態の収拾に奔走しました。大儀見は(ご存知かどうか)、見た目のダンディさと最強感で、盤石の男に見えますが、実は物凄い心配かけで、結構な周期で危機に瀕します。その際僕が奔走する時も、大儀見とは直接話してきませんでした(マネージャーさんとか、サイトの管理人さんとか)。
文章は「何を書かないか決める事だ」という、獅子文六か誰かの名言がありますが、言いたいことを手短にわかりやすく書くことが最良とされる、エクリが取説になる、物凄い薄っぺらの時代が来てしまいましたね。もちろん、民から「文学」への欲望は消えませんから、短文で奥行きを出す欲望も高まっていると思いますが、例えばツイッターはいっそのこと俳句にしないとダメとか笑、すると良いと面白いと思いますが笑。
タブラのバヤは、引っかかりやすいですね(単純に炙りの器具に似てるし笑)。サバールは先に動画であげちゃったんで笑、シカトしてください笑。いつかステージで叩くので。
>>18
昆布茶におかきは、まだ付いてる店舗ありますよ!あと、70年代までは、なんか特別なコーヒー(コーヒーに極端に疎いので笑、水出しとか、なんか大雑把なことしか思い浮かばないんですが)で、価格が高いのには、プチフール(小菓子)が付いていた時期もありましたよ。
今、ルノアールの精神をもっとも引き継いでいるのは珈琲貴族エジンバラだと思います!笑
アフリカンパーカッション界隈にはトライバル(部族的なファッション)でトランシーな気分をバックボーンにしたネオ・ヒッピイズムとして太鼓叩いてる方が多いように思ってますが、大儀見さんは決してそうは見えないなぁと。菊地さんと大儀見さんの出会いの話なども聞いてみたいです。
>>21
民族衣装着て民族音楽やるのは、外人が浅草寺で貸し出しの着物着て写真撮ってるのと大差なく、要するに楽しいでしょうね笑。大儀見とは、僕がデラルスのゲストで出た時からですが、当時奴はサルサ一点張りでしたが(だったので、ウエアはスーツでした。ファニアがスーツを定着させたんで)、その後、外山加入で本格的にアフリカ化したティポグラフィカに加入して、アフリカ音楽に目覚め、セネガルのドゥドゥのキャンプに行ったり(確か、ですが2回行ってると思います。因みに僕は行ったことないです)セットがミクスチュア(ラテンとアフロとドラムキットの)になったりして行ったんですよね。タトゥーも大きいですね。デートコースでもペペでもタトゥーありは僕と大儀見だけですし。
いみじくも「ネオ」ヒッピイズムと言いますが、最初のヒッピイズムはインド志向でした。ただ、シタールもタブラもなんちゃってが無理な楽器で、思想だけでしたが。
インドネシアの楽器も邦楽器も非常に難しいです。アフリカの楽器は、叩けば音は鳴りますし、だからこそ、民族音楽の理解がないと浅草の着物とカツラになっちゃいます。ティポグラフィカもデートコースもぺぺも、民族衣装着ないで、トランス目当てのトライバル系ではない、トライバリズムを構造として導入したと聴衆が理解したのはここ5年ぐらいじゃないですかね。