菊地成孔さん のコメント
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コロナ禍によるものか、いよいよ本当に平成が終わったからか、ここ数年、指名手配付きのストーカーも現れなくなったとはえ、近隣所轄署からの指導は守らねばならない。なので住所を同定できるような記述は避けるが、ベランダから見える光景が今月から一変した。
向かいのマンションが老朽化で撤去されたからだ。僕が愛してやまないヒッチコックの「裏窓」の主景(あれはセットだが)に一変した。「裏窓」での中庭と、マンションの撤去跡地が同じ役割を担い、つまり、ボックス型に、今まで見えていなかったビル群の壁がむき出しになったのである。その一つは、恐るべきことに、クラシックバレエの教室である。
ベランダでマルボロを消し、キャメラが外景から内景へドリーで移動しながらガラスの円卓に戻る。「先生、わざわざお越しいただきまして」。
1年ぶりで、僕が年間、唯一するエグゼクティブの仕事をした。担当の税理士さんは、70オーヴァーだが、僕よりも身軽で、僕よりもよく喋る。
いやあ、謝るには値しませんが(僕に謝るべき人、もっといろんなところでいっぱいいますが笑、僕は謝罪なんか欲しくないし笑)、それより、「戦争が始まった」というのは現状を正しく捉えてないとは思いますよ。厳密にはロシアがウクライナに侵攻を仕掛けてるんで、喧嘩で言えば、1発殴った段階です。まだお若い方だと推察しますが、戦争が始まると言うのは、宣戦布告があって、まずは一国と一国が一騎打ちみたいな形で武力国交が開始されます。20世紀までのセンスだと、その後、大国が連携して関与し始めて、初めて「戦争が始まった」と言うべきでしょうね。
別にトランプ支持とか笑、そうう意味ではなく、バイデンは就任時から「グローバルリベラル」を標榜していました。リベラルかどうかは別として「グローバル」とう文言だけで、対立の原因になります(世界は統一されないので)。「アメリカンリベラリズム」で良かったのにね。
僕は生まれてからずっと太平洋戦争の話を聞いて育ち、インドシナ戦争がベトナム戦争になり、中東戦争が起こり、イラク戦争があって、戦争より下位とされる紛争に及んではフォークランドだの、いつでもどこかでやってました。アフリカなんか、どっかでずーっと紛争が起こっています。「侵攻」なら、もうロシア何回めよ。という話ですし、アメリカもやりまくってますよね。
「今は戦前だ」なんて、僕だけじゃなくて、誰でも言ってることです。って言うか、<戦間期>というのは永続を保証されない限り、戦前と同意になりますんで、この台詞は勝ちの保障されたセリフで、要するに大した重みはありません。研究家や有識者は「今は戦中」と、はっきり言います。
それよりも、合衆国が、これほど「我が国が」と言わず「我が君と、その同盟国で」と、強調する時代は、ひょっとしたら二次大戦後初めてかもしれず、それはシンプルに「世界大戦」志向ですから、そこやばいんじゃな位の?とは発言してきたつもりですが、僕、デジタルタトゥーで笑、トランプ支持者の差別主義者ですから笑、今何言ってもだめですね笑。
とにかく「戦争が始まった」は、気が速いは速いですよ。中国が調停に動くのかどうか、今この喧嘩を収める侠客は、現在のところ中国だけなんで、中国が収められなかったら、いよいよ戦争が始まると思います。
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