菊地成孔さん のコメント
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なんと驚いたことに2月が終わってしまった。ついこの間まで「岸辺露伴は動かない」の準備に勤しんだり、新音楽制作工房を立ち上げたりしていたと思っていたのに。
告白するけれども、実は今、学生のような気分だ。あらゆる意味で「<学者>のような気分」という方が些か正しいのだろうけれども、マインドが若々しいとうか青臭い。学生の頃は全く勉強しないやつだったんで、これはイメージになるが。
新しいバンドでカヴァーするスティーブ・コールマンの「 HARMATTAN 」という曲があり、シンプルな話、いわゆる「難曲」である。 DCPRG で言えば「 circle / line 」に近く、難曲すぎて作曲者自身が1度も演奏したことがない(「 circle / line 」はトライはされたが完奏されなかった)。
「難曲」にも様々なリージョンがあるが、これは「多重録音の結果」と「作曲者の狂気(特に偏執性)」が結びついた形で、とてもシンプルな構造理解にかなりの時間がかかり(この件は、伝わりずらいと思うが、僕は構造読みは早い。特にリズム構造は本を読むように読めるが、和声の構造読みは音楽家平均よりも数ミリ低いぐらいである)、五線紙にぺんてるで何度もトライ&エラーを繰り返した後に(「大作家」コントみたいに、くしゃくしゃに丸めた五線紙で部屋がいっぱいになった)、実際に正しい構造読みができた時には「うわあああ!!こうなってたのかあ!!」と、学生のような気分になった。
文末に「キクチカメラを楽しみにしている」旨、コメント頂いてるので、そっちに譲りますが、「ポップにアレンジ」はしません、要するにDCPRGにおける「サークル / ライン」と同じで「完全再生」を目指します(「完奏されていない楽曲」という意味で)。ウィールオヴネイチュアも難曲ですが、何れにしても構造理解ができないとコールマンは読解できません(それだけ構造的に作られているので)。構造理解に至る流れも「キクチカメラ」では解説しておrますので、チェックしてみてください。
72年のヒッチハイクは、僕の年齢でも経験できない事ですね。「ジーパン売ってくれ」のリアルが、今の若い方々にどれぐらい通じるか興味深いですが。
コールマンはバスケも好きですね(バスケット選手とのコラボ動画もあります)。プーチンはブラックベルトこそ剥奪されましたが、アスリートの強みと弱みをどっちも持っていると思います。若方々には特に「ケンカはやめろ」というとき、それが「いじめっ子を殺せ」というメンタルにならなようにして頂きたい、ケンカ(いじめではなく)が起こるというのは、両者の中の根拠が噛み合ってグルーヴしているのだ。ということを常に念頭に持って発言して頂きたいです。
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